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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

学級裁判

作者: 摂津守

 「今日から学級裁判をします」


 終わりの会の開始直後、開口一番に教師は言った。


 「皆さんもわかっていると思いますが、このクラスにはイジメがあります。先生は、クラスのことはクラスの皆さんで解決するのが一番だと思いました。なので裁判をしたいと思います。◯◯くん」


 名前を呼ばれた◯◯はびくっと身体を震わせた。


 「◯◯くんは△△くんをイジメましたね?」


 「はい……」


 ◯◯くんは青い顔をして頷いた。


 「ですから◯◯くんは被告です。△△くんは証人です。他は……」


 教師は他の配役も適当に決めた。残ったクラスメイトは陪審員になった。


 「先生は、職員室にいます。判決が出たら職員室に来てください」


 教師はそう言い残して教室を後にした。

 教師の仕事は子供に勉強を教えることだけではない。職員室にも仕事は山積みだ。教師はつい仕事に集中するあまり、学級裁判のことを忘れてしまっていた。

 裁判開始から約二時間後、ようやくクラスの一人が職員室を訪れた。


 「あっ……!!」


 教師は絶句した。その生徒は傷だらけの血だらけだった。


 「ど、どうしたの!?」


 「先生、裁判はとっても大変でした。だけど、皆でなんとかがんばって判決を出しました」


 先生は慌てて教室に走った。教室に入ると、凄惨な光景が広がっていた。

 黒板に大きく、こう書かれてあった。


 『判決。◯◯くんは△△くんをイジメたので、死刑にします』

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