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月夜譚 【No.101~No.200】

春の足音 【月夜譚No.184】

作者: 夏月七葉

 可愛らしいイースターの飾りに、思わず足が止まる。カラフルな色遣いの卵に、円らな瞳の兎達。春がもうすぐそこまで来ていると教えてくれているようで、なんだか心が浮き立ってくる。

 彼女は暫く考えてから、足先をイースター色に染まった店の方に向けた。待ち合わせまでにはまだ時間があるし、少し見ていこうと思ったのだ。

 その店は雑貨店で、文房具や日用品が所狭しと棚に並んでいる。加えてファンシー寄りの店らしく、如何にも女の子が好きそうな可愛いデザインの商品が多い。

 店先の飾りの通り、今の時期に目玉になっているのはイースターをモチーフにしたもののようだ。マグカップやハンカチなど、愛らしい兎がそれぞれ違ったタッチで描かれている。

 彼女はそれ等を順番に見ていって、棚の端に置かれた一つに目を留めた。

 そこにあったのは、兎のシルエットを模したネクタイピン。他の商品とは違ってシンプルで、けれど可愛さは損なっていない。

 彼女は口元を緩め、それを手にレジへ向かった。

 きっと、これなら彼も気に入ってくれるだろう。数分後に見られるであろう、恥ずかしそうにしながらも微笑む顔を想像して、彼女はヒールを鳴らした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 春らしさが溢れる作品ですね。 品物との出会いにプレゼントした際に彼の受けとる顔を思い浮かべる。 ノンストレスでもう心地好さしかありません。
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