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キツい女

作者: 猫の集会
掲載日:2021/10/28

 私の名前は、加川 佳恵 かがわよしえ

 中学二年生。

 

 小学生の頃はモテなかった。

 でも、中学デビューしてしまいました。

 なのでモテます‼︎

 

 だから…

 本当言うと調子に乗っています。

 でもぉ〜今を楽しまなくっちゃ‼︎

 

 

 よく私は、友達を伝って告白される。

 なら、直接告白すればいいのに。

 全く度胸のない男が多い事。

 

 で、たいがいお断りする。

「無理‼︎背が低い」

「やだ‼︎顔がタイプじゃない。」

 そんな感じでバサバサ男をきっていた。

 

 

 でもさ…

 そのまままさか本人に伝わってたなんて…

「おい‼︎ミク!そのまま伝えることないじゃ

 んか‼︎」

「えー、だってなんて言っていいかわかんな

 かったしー」

 ったくよー‼︎

 

 ま、いいか。

 

 

 そして、

 中学三年生になったばかりの頃だった。

 私が振った一人の男の子がなんと高身長になったじゃないですか!

 しかも、頭もいい‼︎

 そして、優しいって評判でモテている‼︎

 

 

 なんて惜しいことを…

 

 

 その男の子は、私がこっ酷く振ったのに何

 事もなかったかのように私に笑いかけてく

 れた…

 クラスは、同じになった事がなかったけど

 委員会が一緒になった。

 

 

 すごく優しくて癒される。

 春だからだろうか。

 なんだかその時間だけふわふわのお布団に

 包まれているようななんとも言えない心地

 良さがあった。

 

 

 

 あ〜あ〜。

 なんでこんなに素敵な人を私は、振ってし

 まったんだろう…

 

 

 今更だよな…

 

 

 

 そして卒業を迎えた。

 

 

 

 高校は、女子校だったからモテるも何もな

 い。

 ただ、ぼーっとしてるだけで怒ってる?

 なんて言われるようになった。

 ん?

 なんでだろう⁇

 

「なんで怒ってるって思った?」

「えっ、なんとなく…ってかなんかあったり

 とか?」

「ううん。なんも」

「そっか」

 

 高校の友達は、まだ仲良くなったばかりで

 少し遠慮があるみたい。

 だから、中学の時仲よかったミクに電話で聞いてみた。

 

 

 

 

「私っていつも怒ってるようにみえた?」

「あー、怒ってないんだろうけど顔キッツイ

 もんね。あと、目悪いから目つき悪くなる

 し。眼鏡かコンタクトしたら?」

「やだ。めんどい」

 でも、そう言う事か。

「わかった。ありがと また遊ぼうね」

「うん、じゃまた」

 

 

 電話を切って鏡を見る。

 うわ〜…

 眉間にシワも寄ってきてるじゃん…

 ますますダメじゃん…

 

 

 そんなこんなでいつのまにか成人。

 

 大人になるにつれていろんな経験ができた。

 本もたくさん読んで学んだ。

 今まで私は、どれだけの人を傷つけてきて

 しまったのだろう。

 

 

 簡単にズバズバ人に好き放題言ってきた。

 背の高い大人しい女の子になんなのこいつ。

 デカくてじゃまなんだけど。

 とか、別の人にもぶりっ子ってキモいよねってその女の子に聞こえるようにわざと言 っていた。

 

 

 きっと心にトゲが刺さったまんまだろう。

 

 今なら言える。

 

 ごめんなさい。

 

 でも、もう届かない。

 なんであんな事簡単に言えたんだろ…

 

 

 私って嫌な女だ。

 だから、こんなに顔がキツくなったのかな。

 

 

 少し生き方変えてみようかな。

 考え方とかも。

 

 

 そして、そんな少し変わった私を愛してく

 れる人が現れた。

 その人がただ隣にいてくれるだけで、すご

 く安心する。

 癒される。

 

 

 この人のおかげだろうか。

 仕事をしていてもとにかく笑顔を絶やさな

 いようになった。

 人のミスも今までは、黙って見ていた。

 でも、今は自然と身体が動いて助ける事が

 できる。

 自然と周りが明るくなっていい雰囲気がつ

 くれるようになった。

 

 

 子供にも恵まれた。

 

 ある時娘が、ある程度大きくなり動物の顔

 に家族を当てはめていた。

 

 

 私は、キツい顔だからきっとキツい顔の動

 物…

 

 すると、娘から思いもしない言葉。

「お母さんは、垂れ目でおっとり系動物だか

 ら、アライグマとかかなー」

 なんて言われたのですかさず、

「えっ、お母さんっておっとり系?顔キツく

 ない?」

 その質問に

「何言ってんの〜。全然きつくないよ〜」

 って笑って答える娘。

 

 

 えっ。そうなんだ…

 慌てて鏡を覗き込む。

 うーん…毎日みてるからなー…

 でも、今は全然怒ってる?なんて言われな

 い。

 それに、キツい言葉も言わなくなったな。

 

 むしろ、いつもニコニコしていていい人な

 んて後輩から慕われている。

 気持ちもかわれば顔つきも雰囲気もかわれ

 るんだ。

 

 

 私もいるだけで安心できる存在にこれから

 どんどんなっていかなきゃ。

 

 ごめんなさいよりもありがとうを増やそっ

 と。

 

 

 おしまい。

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