ひらひらドレスが悪い
なんとか衝撃の事実から立ち直った私は、砂浜を歩いていた。
気付いたんだけど、砂浜だと凄く疲れやすい。こんなところまでリアルにしなくて良いのに。
「なんかキラキラしてる…白いボール?」
近くに行ってみると、20cmぐらいの宝石みたいなボールが砂浜に落ちていた。
なにあれ凄くお金になりそう。
採取しよーっと。
ガバッ!
「うげっ!なんかでかいカニが出てきた!」
ボールに触れようとしたら、砂の下から1メートル越えのカニが出て来た。
おでこからはボールが生えている。
名前は…チョウチンガニだって。まんまじゃん。
「ブクブクブクブク」
「うわっ、バ○ル光線じゃん!」
ポケ○ンの技みたいに泡を飛ばしてきた。
絶対攻撃じゃん!
私はマイクで泡を叩いた。あ、割れた。
よーし、カニさん倒しちゃうぞー!
泡を潰しながらカニに近付き、ハサミでの攻撃を躱し、マイクでタコ殴りにしたった。
10回ぐらい叩いたころに、カニは死んでいった。
『チョウチンガニを倒した!
経験値とカニ球を手に入れた。
レベルが上がった!』
『カニ球
ドロップ率はそんなに高くないため、そこそこのお値段で売ることが出来る。』
「お、やっとレベルが上がった!」
ステータスもちょっと上がってるし、強くなったみたい。
嬉しい。
ただ気付いたんだけど、今の私は常にデバフがかかっていて、弱くなっている。
だって無名だし、散策してるだけで目立ってないもんね。
「まあいっかー。のんびりいこっと。」
「ひょえー、大きな谷だ。底が見えないよ。」
街に向かうため、さっきと違うルートで登山していると、途中で大きな谷を見つけた。
底は暗くなっていて、何も見えない。
崖のギリギリまで行くと、ゲームなのに足が震えそうになる。
高所恐怖症とかじゃないけど、単純に生命として死を感じる。
「いやぁ、流石にここに飛び降りるのはなぁ。」
アニメや映画では、底に何かがあったりするけど、今は落ちたらそのまま死ぬ未来しか見えない。
せめて安全に着地出来る方法を見つけないと。
「うん、マッピングはされてるし、今日のところはやめておこう。」
私が崖から離れようとしたその時、急に強風が吹いてきた。
「ちょっ、今そんな風吹いたら、あ、うそっ…。」
風でよろめいて1歩後ろに下がってしまう。
でも後ろには地面がなくて…。
「ひゃ、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
バランスを取ろうとするも、服はひらひらドレスだから、風を受けてしまう。
つまりどういうことかというと…。
「谷底を見ようとした私のばかぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は谷に落ちてしまったのだった。




