スライム
こうやって登山をするのは初めてだったりする。
まあゲームの世界だけどね。
ここでも一応疲労度や空腹度はある。
数値としても表れるし、感覚的にも感じる。
だから私は、木に実っていた果物を食べています。
このゲーム…INFINITY WORLD…略してインルドでは、1度触れたことのあるアイテムの情報が分かるらしい。木に実っている状態では、『何かの果実』となっていた赤い実も、木に登って採るとリンゴになった。
木登りは意外と簡単に出来た。
さすがゲーム。
あと他にも、色々なところに採取できるものがあったから、回収している。
キノコとか薬草とか石ころとか。
今のところ、モンスターとは出会っていない。
運が良いのか悪いのか。まあ良いって事かな。
今の私にはマイクしか武器がないし。
って思ってたらモンスターが現れた。
水たまりが動いてると思ったら、スライムだった。
モンスターの名称は、触れなくても分かるらしい。
スライムは変な触手を伸ばしてきて、私を叩いた。
痛みはそんなにだけど、HPが少し減っていた。あとちょっと濡れた。
また叩こうとしてきたけど、次はマイクで叩いてみた。
すると触手は地面に飛び散った。水みたい。
スライムがどうするのか見ていると、私から逃げ始めた。
敵わないと思ったのかな。
まあ逃がすつもりはないけど。
スライムは鈍足だからすぐに追いついた。
…あ、スライムの中にビー玉みたいなのがある。私知ってるよ、これが弱点だって。
私は足でそのビー玉を踏んでやった。
じゃあ、スライムが溶けて地面に吸い込まれていった。
『スライムを倒した!
経験値とスライムの核を手に入れた。』
なんか視界の端にそんな文章が出てきた。
私はスライムの核を取りだしてみた。
『スライムの核
食べるとしゅわしゅわする。甘味として人々に好かれている。』
パクッ
…あ、これ三○矢サ○ダーの飴の味がする。
私の中で、目に付いたスライムを踏み潰すことが決まったのだった。
山の頂上に行くと、街の反対側には山を挟んで海が広がっていることが分かった。
「おー、海だー!」
私は下山を始めたのだった。
インルドって略し方ダサいですね