『孤独と共生の境い目』
『孤独と共生の境い目』
㈠
人間は、確かに、孤独だと言える。しかし、何処かで述べたことがあると思うが、孤独だ、という共通項を持っているという点では、孤独ではない。難しい問題だが、孤独であることが、例えば自殺の起因になるなら、他者も、孤独を背負って生きている点では、皆、共生していることを、思い出すと良いかもしれない。
㈡
人間が正常な内は、人間は孤独と共に生きていることは、明白だろう。異常なのは、誰でも自分と一緒だと錯覚し、人を傷付けたりすることである。また、お前も俺と同じクズなんだろう、という目で、崇高を堕落させることも怖い。孤独のほうが、幸せだ、ということだってある。
㈢
問題視せねばならないのは、孤独と共生の境い目のことである。其の境い目に入り込むと、自己がどうして良いか分からず、海に沈んでしまう様だ。これはメタファだが、要は、生き方を見失うということである。時に人間は、何かに偏ったほうが、振り切れると言えるだろう。