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5 帰投、そして任務

 


 翌朝0600。薄い朝霧の中、翼端の2基のローターを上に向けた航空機――――MV-22オスプレイが村の広場上空にてホバリングしていた。胴体に描かれた日の丸と、緑と茶色を基調とした森林迷彩に塗られた機体は、陸上自衛隊のそれ。

 初めて見る「航空機」に眠気を吹き飛ばされ、あっけにとられているフレイのそばで、想士たちは「研究材料」の確認をしていた。襲撃してきた帝国兵のものもあれば、獣人たちのものもある。異世界の文化を知るために、サンプルを確保しておいたのだ。


「……さーて、おいでなすったな。分隊各位、搭乗するぞ」


「ラジャー」


 ドスン、と音を立てて接地した機体の後部カーゴドアが開いた。中にいた小銃を携えた隊員が手招きする。それにしたがって、まずはフレイと大内から搭乗を始めた。


「おお、これが現地の獣人少じょグボァ」


「手を出したらあんたの大事なところを蹴飛ばすわよ?」


「すみません……」


 鼻の下を伸ばした隊員――――特戦特殊輸送大隊第2中隊に所属する自衛官に、大内は挨拶代わりの痛烈な右ストレートをぶちかました。何故か謝るフレイ。彼女たちに対して苦笑いで手を振った隊員に話しかけたのは、荷物の木箱を抱えた竜ヶ崎と想士だった。


「おうおう、ヤムチャしやがって……」


「隊長、そのネタわかる人いませんよ……ああ、お疲れ様です」


「……大内2曹の突っ込みを喰らうのは本来竜ヶ崎3尉の役割ですよね……」


 彼らに続いて、警戒を続けていた榊や三坂、南原たちも乗り込んだ。それを確認した機長が、カーゴドアを引き上げ閉鎖する。程なくしてエンジン音が高まり、機体がふわりと浮き上がった。


『離陸します!忘れ物はないですね!?』


「ああ!遺書も持ってる!」


『なら問題ありません!それでは空母〈かが〉までおよそ1時間の空の旅をお楽しみください!』


 機長と竜ヶ崎の間でそのような特戦恒例の冗談が交わされ、同時に通常飛行モードへ移行したMV-22が旋回、一路帰投進路を取る。

 ふと、想士はフレイの方を見た。彼女は窓から流れる景色に心を奪われているようだった。


「……Nia hejmurbo estas tiel malgranda……」


 これから、自分の故郷を離れ見知らぬ土地へと向かうのだ。感慨がないわけではないだろう。負担をかけさせてしまうからと竜ヶ崎が〈意思疎通〉を切るように命じたため、フレイの話す言葉ははっきりとはわからない。しかし、彼女の感じることはなんとなくわかった。


「……はぁ。隊長、次の任務は何かわかりますか?」


「さぁな。ただ、俺らが一度〈かが〉まで引き戻されるということは、それなりの重要性がある任務なんだろうよ」


 特にすることもなく、竜ヶ崎に話を振る想士。その会話は、他に特にすることもなかった面々を巻き込んで進んでいった。


「というより、フレイちゃん連れて帰れってことはさ、通訳代わりにでもしたかったんじゃないの?」


「幾人かの帝国兵が捕虜とされてるから、それなりに帝国語は話せると思うが……そういえば三坂、お前語学得意だったな?」


「それなりにですが。俺たちも帝国語は一通り学びましたが、片言ですよ」


「どうにも、どこかでありそうな言語な気がするんだけどねぇ……」


 その時、窓の外を眺めていた少女が割り込んできた。


「リュウガサキ、タイチョウ?」


 片言の日本語。しかし、この数時間しか接触していない言語にしては上出来と言えるレベルだった。竜ヶ崎は驚きつつも頷き、自分を指して「タイチョウ」と喋った。さらに、プレイを指差して「ワタシ」と言う。


「ワタシ……?……ソウシ、クラハ、サカキ、ミサカ、オヤッサン……エムブイニジュウニ……」


 次々に指差して、固有名詞を並べていく少女。その様子を見た三坂は、ヒュウ、と口笛を吹いた。


「すげぇ習熟度合いだな……フレイ、ヘジェムルヴォ?」


 三坂が窓の外、先程までいたはずであろう方角を指差す。「ヘジェムルヴォ」、先程のフレイの呟きから読み取った単語、意味は恐らく――――「故郷」。果たしてフレイは、こくこくと頷いた。


「Nia hejmurbo forigita……」


「……すまない」


「スマナイ?」


 三坂が、自分のミスに気が付き頭を下げた。しかしフレイは気にすることなく、逆に日本語を学ぼうとする。


 そんな彼らの語学学習は、1時間ほど続いた。





『航空母艦〈かが〉よりグース1、着艦許可。風2ノット135E、本艦は14ノットで航行中』


「了解、グース1、アプローチに入る」


 機長と〈かが〉の航空指揮所が英語で通話し、着艦許可を取った。すでに高度200まで降下しており、窓の先にはうっすらと引き波が見えた。


「揺れるぞ、舌を噛み切らないようにな」


 鉄色の甲板が近づいてくる。垂直離着陸モードに移行したMV-22は、ついに〈かが〉上空30メートルにまで到達した。

 速度を合わせ、ゆっくりと降下。ドスン、というやや強い衝撃とともに、鋼の竜は甲板に足をつけた。


『航空母艦〈かが〉に到着しました。またのご利用をお待ちしております』


「いやでもご利用する羽目になるんだけどな。とりあえず、安全な飛行感謝する」


 竜ヶ崎は機長にそう言うと、〈かが〉隊員による荷下ろしが行われている後部のカーゴドアではなく側面のドアから機を下りた。想士や大内、榊たちも続いて下りる。


「さーて、4日ぶりのこの飛行甲板か……」


「ボケたこと言ってないで、さっさと特戦の控え室行きますよ」


 想士はそう言って艦橋構造物の水密扉を引き上げようとして、フレイがいないことに気がついた。


「フレイ?」


「ああ、フレイちゃんなら飛行甲板の端っこで海を眺めているわよ」


 答えたのは大内だった。たしかに、右舷後部のキャットウォークに銀髪の頭が見える。

 想士がそれを視認したことを確認して、大内は続けた。


「まあ、そっとしておいた方がいいと思うわよ?少なくとも、今は」


「……そうかもしれませんね」


 フレイは独り、考え事をしているようだった。何を考えているかは、彼女のみぞ知る――――。





「お父さん、お母さん、私は随分遠くまで来ちゃった……」


  彼女は、初めて見る海を眺めながら、柵にもたれかかって思索にふけっていた。今朝起きたときには、こうなるとは思わなかった。無邪気に両親や親友たちと会話を交わすことができた。


「……私は、今日で16。ねぇ、一人立ちしなさいってことなの……?」


 この世界での成人は、16である。彼女は今日、ささやかな儀式の後に大人の仲間入りをするはずだった。何もなかったのならば、今頃は海の向こうに消えてしまった故郷でパーティーを開いていたところだろう。

 しかし、現実には得体のしれぬ鋼の竜に乗せられ、見たこともない壮大な船の上でこうして一人ぼっち。


「……ううん、私はあの人たちについていくって決めたから。もう誰もいなくなったあの村にいても野垂れ死ぬのがオチね……」


  自分は逃げたのではない、生き抜くための選択をしたのだ。――――そうでも思い込まないと、とてもではないがこの喪失感に耐えられなかった。


「……ソウシ、クラハ、リュウガサキ、サカキ、ミサカ、オヤッサン……」


 彼女は口の中で言葉を転がす。失った家族や親友の代わりに、たった数時間前にできた友達。彼らはみんな強くて、優しくて、そして何より頼りになった。


「……嬉しかったな……あの背中」


 それだけ言うと、ふと儚く微笑んだ。








 夕刻


「さて、諸君。任務を通達する」


 竜ヶ崎たち第2分隊は、第168SOFを率いる秦とそのさらに上官、セルムブルク方面軍総司令官の根崎陸将から作戦の説明を受けていた。


「まず、先遣偵察任務ご苦労だった。その疲労が取れないうちで悪いのだが、あらたな作戦だ。」


  誰一人として無駄な口を開かず、陸将の話す「作戦」の内容に耳を傾ける。


「作戦名〈アドベンチュアー〉。敵地深々部潜入作戦だ。作戦開始は2週間後。今作戦の主眼は、いずれ来たるであろう帝都開放作戦において、各種情報支援を行うことにある。すなわち、敵の喉元に忍び寄ってもらうのだ」


「――――要するに、敵地潜入スニーキングミッションだ。喜べお前ら、チョムスカヤグラード以来の敵地潜入だぞ」


「それで、だ。極力我々の戦力を悟られたくないから、諸君らには「冒険者」へと変装してもらう」


 その時、聞き捨てならない言葉を聞いた。――――冒険者への変装。すなわち、自分たちもファンタジー的な装備に身を固めて戦えというのだ。


「なに、現地の装備はすでに帝国兵から聞き出してある。だから、それっぽいものは用意してある」


「……1尉、1ついいですか?」


「なんだ、竜ヶ崎?」


 竜ヶ崎は大きく息を吸い、そして今後の運命を決める問いを投げかけた。


「銃の携行及び発砲許可は?」


「禁じはしないが、極力避けてほしい。弾薬の補給が困難であるからな」


 すなわち、銃器類は最後の手段にしろということである。このセルムブルク大陸において、「銃」とはオーバーテクノロジーにも程がある武器だ。その上、作戦の性質上現地人に溶け込むことが求められている。その強大な戦闘力を鑑みても、自重するべきであった。

 また、今回の作戦域は広大であり、補給物資を搭載した輸送機がそもそもたどり着けない可能性があるという事もあるのだ。


「今回は食料は現地調達、武器も員数外のものだ。無線に関しては、野外無線装置とE-767で回線を確保する。大幅な制限がかかってしまうが、諸君らには可能であると判断している」


「了解……ですが、意見具申申します」


「なんだ?」


 竜ヶ崎が、幹部の特権である「意見具申」を行った。軍隊において命令は絶対であるが、対案を同時に示す事を条件に意見具申も可能なのだ。


「確かに弾薬の補給が望めませんが、我々7人では大型の魔物――――竜などに遭遇した場合手に余ります。50口径ライフルの使用許可を。槍に偽装して携行します」


「……なるほど?確かに火力不足は否めんな。了解した、習志野から持ってこさせよう。他に質問は?」


「携行火器として、PDWを。剣や弩では対応しきれないことも考えられます。せめて、SMGクラスの銃が必要かと」


「……なるほど。確か、〈かが〉に持ち込んでいたはずだ。――――携行武器はそれで大丈夫か?」


「ええ」


 結局、不測の事態を想定してPDW《個人防衛火器》を各員が携行することとなった。これは後方支援要員の自衛用として開発された銃で、比較的早い連射速度とサブマシンガン用の拳銃弾よりも遥かに高い貫通力を持つ。その性能を買われて、対テロ作戦にも使用されている優秀な火器なのだ。

 さらに、狙撃手の竜ヶ崎は50口径ライフル――――12.7㎜弾を使用するアンチマテリアルライフルを携行することとなった。相当巨大な代物だが、小銃を携行できない以上せめて飛竜を撃墜できる火力が必要との判断だった。


 続いて、防具の話に移る。


「さて、防具については冒険者用の革鎧を人数分用意した。――――セラミックの防弾板入りだ、並大抵の敵にはやられんさ」


「……防弾ベストそのものの携行は?」


「それも考慮したが、あれは重い。長距離移動には不向きだろう」


 特戦採用の防弾服は、7.62㎜小銃弾すらも防ぐ代わりにやや重い。防御力は高いが、機動性もある程度代償になってしまうのだ。


「JPC(空挺用防弾ベスト)でもあればいいのですが……」


「すまんが自衛隊では採用してなくてな」


「……了解です」


 ないものねだりをしても仕方なかった。






 一方、霞が関ではエルヴィス国王が大まかな交渉をまとめつつあった。タイランディウスの脅威に対抗するという点で両国の利害は一致しており、さらにエルヴィス国が資源の豊富な国とあったら、需要と供給も一致しようというものだった。


「……では、これよりエルヴィス国と日本国の通商修好条約の調印式を行います」


 すでに異例の速さで国会における審議は終了しており、内閣総理大臣とエルヴィス王が調印することで国交が樹立される状態となっていた。ここまで劇的な速さで外交が結ばれた背景には、やはり生々しく残る東京の焼け跡があったのだ。その上、国交が途絶えたことで食糧の貯蓄は減っており、このままだと1億2千万の国民が飢えることは確実であった。

 なおもしぶとく、意味不明な論理で糾弾しようとする野党は、次の総理の言葉で封殺された。


「あなたがたが私の案に反対されるのは結構。しかしそれは、1億もの日本国民に『自分のために飢えてくれ』と言っているようなものではないですか?我が国の食料自給率は?エネルギー自給率は?資源自給率は?――――過去の事を言っても仕方ありません。我々には、今食糧が必要なのです。

 それに、あなたがたは焼かれた東京や北海道を見て何も思わないのですか?「戦争反対」を叫ぶなら、第2、第3の犠牲が出ます。繰り返しますが、これは国家の存続、国民の存続のための自衛手段なのです。今は政争のときではありません。平和のぬるい湯はもう枯れてしまいました。同盟国もゼロになってしまいました。しかし、それがイチになろうとしているのです。大きな進歩です。

 約束しましょう。私は、全身全霊をかけて国民を、そして日本国を守ると」


 すなわち、彼は国民を味方につけたのだ。日本国は国民主権。そしてその国民を無下にするとは何事か――――そのような叫びを裏に込めて。


 そして、もはや睡眠時間15分となった外務省職員とエルヴィス王の側近の努力で貿易額が確定し、不可侵条約、制限された安全保障条約が結ばれて今に至る。


「長かったな、エルヴィス王」


「ええ」


 〈意思疎通〉が展開された空間の中、静かに調印が行われた。






「荷降ろし急げ、いつ攻めてくるかわからんのだぞ!?」


「わかってますよ!」


 条約の中に含まれていた「駐屯地用地の貸与」により、正式に「リュケイオン駐屯地」と名付けられた小高い丘――――リュケイオンの丘。エルヴィス国の国境ギリギリに位置する、海が一望できる美しい用地では、陸自施設科により今まさに無骨な基地の建設が行われていた。

 3000メートル級滑走路とプレハブの宿舎、そして倉庫が建てられ、海自輸送艦と空自輸送機がひっきりなしに往復。物資を荷降ろしし、急ピッチで庁舎や防御陣地、倉庫を建設する。

 同時に、普通科隊員の航空輸送が始まっていた。民間の長距離旅客機をチャーターするという荒業すら用いて、すでに2500名もの隊員を現地入りさせていたのだ。彼らが携行する小銃は5.56㎜弾を使用する89式小銃。対人戦がメインとなり、さらに性能を鑑みた結果である。旧式の64式小銃も候補に上がったらしいが、これは大口径小銃にしては連射が安定する代わりに命中精度が89式ほど高くなく、さらに携行弾数が少ないという欠点があるのだ。

 一方、輸送艦や貨物船により155㎜自走榴弾砲や10式戦車も運び込まれているものの、依然として投射火力は乏しい。故に、飛行場には百里基地から転属となったF-2A戦闘機が4機配備されていた。すでにAH-1Sを始めとするヘリ部隊も16機配備されており、それなりの防御姿勢は整いつつあった。


「この用地を確保したのは特戦だったか?」


「ええ。目星をつけて、それで来日中のエルヴィス国王に確認を取ったとか」


「しっかしまあ、小高い丘か……確かに汎用性に富むな」


「広いですしね」


 普通科の隊員たちが、「バンカーヒル」と呼ばれる防護拠点の中で談笑していた。この基地は、庁舎や宿舎などの中枢施設の周囲を24ヶ所にも及ぶバンカーヒルで囲み、さらにそこから小銃掩体壕や連絡壕が伸びるといった構造になっていた。巧妙に偽装されたバンカーヒルや掩体壕は、容易に発見できるものではない。


「と言っても、掩体壕に籠もってて竜に焼かれましたは洒落にならないだろ?」


「一応空自の35㎜機関砲が持ち込まれてるが……なにしろ最後の対空射撃が10年前って代物だからな」


「陸自からはガンタンクも持ち込まれてますね」


「ガンタンク……ああ、87式か。あれはハエ叩きとしては優秀だからな」


 彼らは、何くれとない会話で時間を潰す。否、そうしていないと気が持たないのだ。なぜなら、自衛隊は創設から65年を経て初めて実戦を経験しようとしているから。日本国は、74年ぶりに再び戦争へと引きずり込まれたのだ。


「にしても、北海道の方では87式とF-35Aが役立って実質的な被害はほぼゼロだったとか」


「いかに本土防衛(笑)なのかがわかるな。まぁ、レーダー波吸収能力をある程度持っているようだから、探知出来なかったとしても仕方ないが……むしろ北海道の連中(第七師団)はどういう判断で攻撃したんだ?」


「どうも、空さんのF-35Aが訓練中に会敵、そして竜騎士たちから攻撃されちゃったみたいですよ?それで即席の防衛体制整えたんだとか」


 彼らの話す通り、竜騎士の騎乗する飛竜はF-35A戦闘機ほどではないもののレーダー波吸収能力を持っている。故に、日本全国に配備された対空レーダーが本来の性能を発揮できなかったのはある意味仕方ないとも言える。まして、右も左も知らぬ異世界にトリップした直後、接触してきたものを敵と判断していきなり攻撃するというのは少し無理があった。

 むしろ、エルヴィス国からの情報で以って護衛艦が迎撃した北陸はともかくとして、北海道も大した被害を免れたのは賞賛にあたる。

 その時、けたたましいベルが鳴り響いた。その意味は、敵襲。


『総員、戦闘配備。繰り返す、総員戦闘配備。接近する敵軍多数を確認、直ちに迎撃を開始せよ』


「……ちっ、来たか!小隊展開、防護射撃用意!」


「了解!」


「隊長、何発当てればいいんですか!?」


「斃れるまでだ!遠慮はいらない、ぶち込んでやれ!」


「了解!」


 彼らは、己の銃を携えて立ち上がった。そして、掩体壕の中を駆けて配置につく。


『特科、撃ち方始め!』


『301航空隊、スクランブル!攻撃開始5分後!』


『ウォッチマン1より各員!敵7分に地面3分!繰り返す、敵7分に地面3分!』


 がなりたてる無線機に耳を傾けながら、己の配置についた隊員たちは、冷静に初弾を装填。掩体に二脚を立てた小銃を据えて、安全装置を解除。

 どうやら先遣の部隊がやってきたらしい、騎兵が喚声を上げて突撃してきた。

 照星と敵を重ねる。


 ――――射撃、開始。


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