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時の精霊

作者: 碧蜜柑

都会のビルが立ち並ぶ現代の密林、そこに彼らは住んでいます。


彼らはとてもいたずら好きです。


人間の楽しい時間を短くして、自分たちの楽しい時間を増やします。


嫌な時間は、人間たちに押し付けます。


人間たちは、この精霊たちによって、無意識に操られているのです。


あなたも覚えがありませんか?


大切な人と会っている時間は、あっという間に経ってしまうのに、会いたくて待ち遠しい時間は、とても長く感じることが。


精霊たちは、幸せな時間を過ごしている人たちが羨ましくて、その人の楽しい時間を欲しがるのです。


そうやって精霊たちは、楽しい時間だけを生きています。


だけど一つだけ、覚えていてほしいことがあるのです。


待ち遠しい時間が長ければ長いほど、楽しい時間は、何倍も楽しくいられることを。


精霊たちはそのことを知らないのです。


もしかしたら可哀想なのは、楽しい時間しか知らない精霊たちのほうかもしれませんね。



おしまい

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