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初めてのVR その1

目の前には青々とした草原が広がっておりとても気持ちが良い。

ダンダダダダ──


「ごめん しぃ、そっちに通しちゃった」

「分かった、けどクレイが可愛こぶってると気持ち悪いからやめて…」


両手剣を構えて振り向きながら、そんな風に可愛く戯ける幼馴染(男)を歪めた顔をしながら言い返しつつ、

さっき貰ったばっかりの杖を構えて

「[ウォーターボール]」シュービシャン──

私が出したウォーターボールは綺麗にゴブリンに当たりゴブリンが光の粉のようにキラキラと消えた



──プワーン

私の周りにふわふわとシャボン玉の様なのが浮いている


「おぉ!しぃちゃんレベル上がったね!おめでとう!!」

「ありがとう〜スゥ姉はもう少しで上がりそうだね!」

「またスーちゃんに抱き着いてる!たまには俺にも抱きついて来いよー」


澄姉がニコニコと笑いかけてくれている中で、馬鹿な事を言っている幼馴染を1発木の杖で叩いておき、澄姉に抱き着いた


「ッテェー、これで死んだらどうしてくれるんだよ!!」

秦斗は自分で私が叩いたあたりを手で撫でている


ちょっとやり過ぎたかな?と思いながらも

「大丈夫だよ、クレイ。もし死にかけてもスゥ姉がいるじゃない!」


秦斗が一瞬澄姉の方に目をやったがすぐに返してきた

「馬鹿じゃないか?そんな事でスーちゃんにわざわざヒール掛けてもらってたらみっともないだろ!?」


馬鹿なのは秦斗だと思う。

そんな事にはならないだろうけど、仮に死んだらヒールじゃ意味無いのに

UWOではHPが0になったら最後に寄った街の神殿に送られる事になっている


「みっともないとか以前の問題だと思うけどね…」

「んだと!?」


秦斗が漫画みたいな怒りマークを額に付けてドスドスとこちらに向かってくる


「あ、クレイくん!前!前!!」

澄姉が慌てて叫んだ時にはもうこの草原で2番目に強いウッドボワが近づいてきてて…



秦斗が前を向いた時にはもう遅かった。

体が半透明になり青い煙みたいなのを天に昇らせていた


私と澄姉は急いで回れ右をし街へ向かって走っていた──



--------------------




今日もいつも通り寝坊気味の幼馴染みの家のチャイムを押す


私こと白澤香蓮(かれん)

真っ黒な髪は肩より短くボブスタイルで大体左側は編み込みをしている

目はぱっちりと大きいが他は[全体的に]に小柄である

幼稚園からの幼馴染みの原田奏斗(かなと)とは高校1年になった今でも一緒に登校している

髪は両親譲りの色素の薄めの茶髪で前髪をいつもピンでセットしているちょっとちゃらめの男子だ

こいつは本当によくモテる。腹たつぐらいにモテるのに未だに誰とも付き合った事無いらしい


「は〜い!香蓮ちゃんいつも有難うね〜奏斗ならすぐ行かせるからもうちょっと待っててね!!」プツ

いつもテンションの高い奏斗のお母さんが出てくれた


ドタドタドタ、ガチャ

「わりぃ香蓮、いつも待たせちまって…」

珍しく少し歪めて言ってきた

お母さんに少し怒られていたのかもしれない


「いいよ、いつもの事だから…それより急がないと間に合わないよ!!」

私は呆れながら苦笑し、奏斗を焦らせる


「おうよ、香蓮どっちが早く着くか競走な!!」

タッタッタッ

言い終わるとすぐに走って言ってしまった

私も負けじと奏斗に追いつこうと走る──



教室に着いてすぐ予鈴がなった


あぶなかった…けど間に合ってよかった…そう思いながらふぅと息を吐くと


「ため息なんてついてたら幸せが逃げるぞ」

「これは奏斗のせいだから奏斗から幸せが逃げてるんだよ」


後ろを振り向きながら私はそう返した


「あ、そうそう!香蓮ってゲーム好きだったよな?」

「好きだけどどうしたの?」


なんなのだろう?面白いゲームでも見つけたのかな?

私はMMORPGが好きでよく遊んでいる

それは奏斗も知っていて奏斗もかなりのゲーム好きなのだ


「今日からUWOが配信されるんだ!」

「あー、奏斗がずっと楽しみにしてたVRMMOのね」


今日からUWOが配信されるようだ

私もやってみたかったけど、VR用のゴーグル型のギアを持っていない

バイトをしていない高校生には高くて買えなかった


「安心しろ、ちゃんとお前の分のギアも用意してあるから!」

「え!?」


本当にびっくりした

ゴーグル型のギアは安いものでも〇万はするのに…

奏斗もバイトはしていないはずなのにギアを2つも買えるぐらいのお金どうやって調達したのだろう…


「自分でバイトして貯めたお金だ!って言えりゃかっこよかったんだろうけど、残念ながらバイトはしていないから…」

「それならどうしたの?」


本当にどうしたんだろうか…

まさか万引きでもしたんじゃ…!?


「なに青くなってるんだ?俺は万引きなんかしてないぞ!」


思ってる事がそのまま顔に出ていたらしい

けど万引きじゃなくてよかったと思った

それなら本当にどうしたんだろうか…


「1つは早い誕生日プレゼントとして買って貰っててもう1つは親父が会社の新年会のビンゴで当てて貰って帰って来たんだよ」

「なるほど〜、けど私が貰っちゃっていいの?」

「うちは子供が俺しかいないし親父も母さんもゲームやらないから、母さんがいつもお世話になってるから香蓮ちゃんにあげたらいいじゃないって言ったんだよ」

「そうなんだ!おじさんとおばさんに感謝しないといけないね!!」


まさか出来ると思っていなかったUWOが出来ると分かりテンションが上がる

本当におじさんとおばさんに感謝しなきゃ!!


「今日晩御飯食べ終わったらそっち持ってくな!」

「分かった〜ありがとう!」

「気にすんな!折角なんだしサービスと同時に初めて一緒に進めね?」

「いいよ〜、1人でやるのも寂しいし」

「よし!じゃ9時ぴったりに始めろよ!!」

「了解!」


そう返したらちょっと朝礼のチャイムがなり担任が教室に入ってきた

本当に楽しみだな〜

今日の授業を浮かれて過ごした結果1日に何回も先生に注意された…

友達にも顔めっちゃにやけてるよ〜と言われまた先生に怒られるよ!と言われた


--------------------




「ただいま〜」

「香蓮おかえりなさい」


お母さんが出迎えてくれた

今日は家に居るみたいだ

普段は近所のスーパーでパートをしている

いつも長い黒髪を後ろでお団子にしてかんざしで纏めていて、シンプルなエプロン姿でとても様になっている


「あら?今日何かいい事あったの?」

「え? どうして?」


普段は言われない事を言われて驚いた

そして本当にいい事があったのだから


「いつもより三割り増しできらきらしてるもの」

「いや、きらきらしてるってどんなのよ…けど今日ね、奏斗がVR用のゴーグル型のギアくれるって言ってくれたの!!」

「え!?そんな高いものをどうして!?」

「奏斗は自分の誕生日プレゼントとして買って貰ってもう1つはおじさんが新年会のビンゴで当てたんだって!」


やっぱり親子だからか同じような反応をしている

私は聞いた話をそのまま話した


「そうなの、なら近いうちに原田さん家族を晩御飯にご招待しないとね!!」

「そうだね!その時はいっぱい手伝うから言ってね!!」


そう、お母さんはとても料理上手で原田家族を時々うちにご飯に誘っているのだ


「お願いね!早く手を洗ってらっしゃい。晩御飯にするわよ」

「はーい!澄姉はもう帰ってるの?」


私には3歳離れた大学1年目の姉がいる

白澤澄蓮(すみれ)

胸ほどある綺麗な黒髪をウェーブさせてきていつも下ろしていてお母さんに似ておっとりしていて胸が大きく目がぱっちりでとても綺麗で可愛い姉だ

どうして私だけストンなのかが不思議だ


私は手を洗いリビングへ向かった

早く澄姉にUWOを出来るようになった事を伝えたいと思いながらいつもよりスキップ気味でリビングの扉を開けた


「香蓮、おかえり〜」

「澄姉ただいま!!ねぇ、聞いて聞いて!今日ね、奏斗がゴーグル型のギアくれるって言ってくれててサービスと同時にUWO出来るんだよ!!」

「そうなんだ〜よかったね!そっかそっか〜2人ともUWOするのか〜お姉ちゃんもゴーグル型のギアを買って一緒にやろうかな〜」

「え!?澄姉とも一緒に出来るの!?」


澄姉とも一緒に出来るようになったらとても楽しいと思う

一緒にやりたい!!


「そんな顔されたら一緒にやるしかないよね〜明日ショップへ学校の帰りにでも行ってくるね」

「やったー!!」


私はとても嬉しくなり澄姉に抱き着いた

ゲーム大好きで澄姉大好きっ子な私からしたら澄姉と一緒に楽しみにしているゲームを一緒に出来る以上の幸せはない


ガチャリ

「ただいま〜」

「あ、おかえりなさい〜貴方」

「「お父さんおかえりなさい!」」


お父さんが帰ってきたみたいだ!

左手に何か大き目の紙袋を持っている


「お父さんそれ何?」

そうお父さんに訪ねると

ニコニコとしながら答えてくれた


「お、お!?聞いてくれるか?これはな、ジャジャーン!香蓮がずっと楽しそうに話していたゴーグル型のギアだ!!」


!?こんな偶然ってあるのでしょうか…

あるんでしょうね、今目の前で起きているのだから…


「お父さんありがとう!けど、ゴーグル型のギア奏斗がひとつ余ってるからくれるって言ってくれてて…」

「え!?そうだったのか…」


目に見えて落ち込んだお父さんにどうしようかとあわあわしていると澄姉が提案してくれた


「折角お父さんが買ってきてくれたんだしこれは香蓮が使って奏斗くんがくれるって言ってるのを私が貰っていいか聞いてみて大丈夫なら私が使うってのはどうかな?」

「それいいかも!!」

「取り敢えず奏斗くんが来てくれるまで保留だけどね〜」

澄姉の提案に私は両手をパチンと合わせた

そんな話をしているうちに晩御飯は食べ終わりいつもの様に家族でテレビを見ていると


ピンポン──


「あ、奏斗かな?出てくるね〜」

そう言い残してリビングを出る


ガチャ


「やっほー!香蓮例のブツ持ってきてやったぞ!!」

「ありがとう〜!あのね、これ澄姉が使ってもいいかな?」

「?どうしてだ?香蓮やっぱりやりたくなかったのか…?」

「違うの!!お父さんがこれ買ってきてくれてね…」


私はさっきあった事をそのまま説明した


「そっか〜、けどこれで3人で出来るな!!」

「これ澄姉にあげていいの?奏斗ありがとう!」

「俺とお前の仲じゃないか!遠慮するでない!」

「どんな仲よ!なんか武士みたいだし」


クスクスと笑いながら話をした

奏斗もやっぱり昔みたいに3人で遊べるのが嬉しいのか終始ニコニコととても楽しそうにしていた


「じゃ9時だからな!絶対時間になったら始めろよ!!澄蓮ちゃんにも言っといて!」

「はーい!ちゃんと9時ピッタシに始めます!」


ビシッと敬礼の真似事をしながら返した


奏斗から受け取ったギアを澄姉に渡し、部屋に戻ってギアのコードを繋げていつでも出来る状態にしておいた


そして9時ジャスト…

ギアを付けて呟いた

「リンクイン」


すると目の前がいつもの見慣れた天井ではなくなりふにゃふにゃとゲームの設定画面が出てきた

私はニックネームを名前から文字って[シィーレン]にし目の色と髪色だけを透き通るような綺麗な水色にする他は何もいじらず始めた


チュートリアルが始まったみたいだ

この世界の女神と名乗る全身真っ白で綺麗な人が話し始めた


「この世界には魔物と呼ばれる住人に危害を加える危ないものが居ます。昔は魔物なんておらずとても平和な世界でした。貴方にはその魔物を倒す事の出来る力を捧げました。どうかお願いします、私の代わりにこの世界に平和を取り戻して下さい。」


そんな感じでテンプレ通りのセリフが終わり私は何処かの草原にいた


「やぁ、君が冒険者候補の[シィーレン]くんだね?早速だけど君は何を使って戦いたいかな?」


いきなり目の前に髭を生やしたガッシリした体格のおじさんが出てきた

そして目の前には[短剣、片手剣、両手剣、弓、杖、棍棒]と出ている

私は迷わず杖を選択した


「そうか、杖で戦いたいんだな!初めはこの[木の杖]をあげるから使うといい。そして装備してみてくれ。」


ピコン

[木の杖が手に入った]


私はぴかぴかと点滅しているインベトリを開いて木の杖を出して装備した


「装備できたようだな、じゃああそこにいるスライムに攻撃してみてくれ」


魔法はスキルじゃないと使えないみたいで通常攻撃は杖で殴るしかないようだ

ぽかぽかと数回殴り続けるとスライムがキラキラとしたエフェクトとなって消えた


「初めてにしてはやるじゃないか!次はスキルを所得してもう1度スライムを攻撃してみてくれ」


次はスキルと書いてある所が点滅していたのでそこをタップした

すると、[火の魔法、水の魔法、風の魔法、土の魔法]と出てきたので私は[水の魔法]を選んだ

始めたばかりだからかちょっと灰色がかっている[ウォーターボール]しか表示されていない

なのでその[ウォーターボール]をタップし、所得しますか?と出たログに「はい」と言った

灰色がかっていた[ウォーターボール]は青く表示され横にレベルをあげると言う項目が出てきた

私は5ptあったポイントを[ウォーターボール]に使って、[ウォーターボール]のレベルは5になった

このゲームではスキルのレベルを上げると魔法なら詠唱時間が短くなり攻撃力が増すようだ


スキル欄を閉じると目の前にさっきと同じスライムが現れたので「[ウォーターボール]」と言うと

シュービシャン

こんな音と共にキラキラしたエフェクトがスライムがいたあたりから見えた


プワーン──

いきなり私の周りにシャボン玉みたいなのが浮いていてびっくりしていると


「ちゃんとスキルを使って攻撃できたようだな!それにさっき倒したのでレベルが上がったみたいだ。早速だかレベルが上がったから[ステータスポイント]が配られてると思うんだがそれを割り振ってみてくれ」


さっきのはレベルアップのエフェクトだったのか、と1人で納得しながらまた点滅していたステータスと書いてある所をタップした

そこには[STR、VIT、INT、MND、DEX、AGI、SPD、LUK]とどれもほぼ0に近い数値がズラリと並んでいる

その下にステータスを割り振るとあったのでそこをタップし10ptをINTに割り振った

すると100しかなかったINTが120になった

そして、50だったMPは80になった

このゲームはINTを1上げればMPが3増え、VITを1上げればHPが5上がる様だ

他にもMNDを1上げればMPが2増え、STRを1上げればHPは3増える


「これで冒険者候補の訓練を終了する。無事最後までクリア出来た者には[冒険者セット]をあげよう」


ピコン

[冒険者セットが手に入った]


これでチュートリアルは終わったみたいだ

街へと移動していた

街も気になるけどそれよりさっき貰った冒険者セットが気になったのでインベトリを開いてみると、[布の防具、初心者用のHPポーション×20、初心者用のMPポーション×20]が増えていた

早速布の防具を装備し街をブラブラしようと思ってると…

初めての投稿です。

見づらい所、誤字脱字などが有りましたら教えてもらえると嬉しいです。

これから頑張っていくのでよろしくお願いします。

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