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第五十六話 リリー大好き!
「……い、いやじゃ、ない」
「ほんとっ!? ありがとっ、リリー大好き!!」
わたしは感極まってリリーに抱き付く。リリーも頬が緩んでなんだか嬉しそう。やっぱり大丈夫だったわね!
ちゅっ♪
ともう一度キスをすると、リリーは頬を真っ赤に染めて恥ずかしがる。どこか満更でもない様子。わたしと僕が中身は同じ、という事も関係しているのでしょう。
パッと女の子から男の子に戻る。
「リリー、大好き!」
「ううっ、ルイスぅ、ずるいよ……」
リリーが僕を小さく睨んでくる。と言っても怒っている訳ではなくて、ただ恥ずかしいだけらしい。
「ちょっとときめいちゃったでしょ?」
「うん。……どこであんな事を知ったの? 私でも可愛いっておもっちゃった。それに私もあんなこと出来ないよ」
「ん~、秘密!」
ひどいよ~! という声とポカポカと僕の胸を軽く叩いてくるリリーの声を聞きながら、僕は内心で、この方法は使える!! と喜んだ。




