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第四十八話 永遠の血・Ⅰ

10ヵ月間、長かった…………!!!!


ここからが作者がずっとずっと、前から本当に書きたかった本編です!!


長かった…………!!!!

 十歳になった。

 つまり、この世界に来て十年が経った訳だ。

 誕生日を迎えたと言っても、急激に成長するわけでも、急に身体能力が上がったりするわけでもない、はずだった(・・・・・)


「……………………えっ?」


 ……ちょっと頭の理解が追い付かない。えっ? ど、どうした、僕?


 僕は、顔から水滴を垂らし、タオルを持ったまま洗面所の鏡を見つめて固まっていた。






 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






 今日の天気は快晴だった。

 窓から射し込む淡い太陽の光を浴びながら、リリーを起こさないようにそ~っとベッドを抜け出し、顔を洗いに向かう。


 いつも通り、寝室の隣にある洗面所で、魔法を使って冷たい水を丁度良い温度のぬるま湯に変えて、半ば閉じ掛けた目を覚まさせる。


 僕のぬくもりが無くなったから起きた、とか言って僕が起きた後すぐに起きてくるリリーが、これまたいつも通り洗面所へ入ってきた。


 そこまでは良かった。


 そう。そこまでは良かったのだ


 問題はここからだ。


「きゃぁぁぁあっ!?」

「ほわぁぁっ!!??」


 リリーが叫び声を上げ、硬直する。

 僕も同じく叫び声を上げ、そして驚いて硬直した。


 リリーが叫んだからではない。


「えっ……? こ、声が…………?」


 自分の体から(・・・・・・)自分の声ではない(・・・・・・・・)可愛らしい女の子の(・・・・・・・・・)声が上がったから(・・・・・・・・)


「だ、だ、だれ…………?」


 リリーが怯えたように後ずさる。

 僕もリリーも混乱して頭が回らない。


「何を言って……? 僕、だ……よ…………」


 リリーに言いながら、慣れない、黒くて長い物が視界の端に入ってきた気がしたのでそちらをチラリと向く。


 髪の毛だった。

 鏡に映ったのは、腰まである、長くてサラサラとした、ふんわりいい香りが漂ってくる女の子特有の髪の毛だった。

 そして、意図せず自分の顔がチラッと見えた。


「な、な、なんだこれ!?」


 ただでさえ中性的だった顔が、リリーにも引けを取らない可愛らしい、いや美少女と言えるような、それはもう天使のような可愛らしい少女のそれが見えたから。


「えっ、えっ、えぇぇぇぇっ!?」

「きゅぅぅぅ…………」

「はうわっ!? リリー、リリー!!」


 僕ではない僕の叫び声、リリーの崩れ落ちる音、そして僕ではない僕がリリーに走りよって、倒れる寸前のリリーを寸でのところで抱き止めて必死に呼び掛ける声が部屋の中に響き渡った。


 な、何がどうなってるんだ~!!





察しの良い、またはそう言うのが好きな方はもうお分かりでしょう。


次回、二人が落ち着いた後のお話です。




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小説家になろう 勝手にランキングとは、めい様が作成したおよそ45万作品が登録されている、とても大きな非公式ランキングサイトで、作品に設置して読み手の方がクリックする事で点数が入るシステムで────」 「もうっ、また始まった。……良かったら投票してくださいね?」
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