第四十五話 パーティー
第四章のエピローグ的な位置付けになります。
マキ王女の、天然の混じったメイド宣言から一夜明け、ついにパーティーの当日を迎えた。
マキ王女はあの後自分の部屋に戻って今日の準備をし、僕とリリーは手を繋ぎながら一緒に眠りについた。
結局しばらくはマキ王女については保留とし、パーティーが終わってからお父様に判断を仰ぐ事にした。
「おはよう、リリー」
「おはよう、ルイス」
挨拶を済ませると、おはようのキス。
愛しい人の体温を感じながら意識を覚醒させる。
僕たちは起きて身支度を整えると、少し遅めの朝食を取る。
席に着いてオムレツとサラダをつつきながら、昨日の事を思い返していた。す
「昨日は驚いたね……」
「うん。まさかマキ王女がメイドにしてくれ、なんて言ってくるとは思わなかったから」
「……実は喜んだでしょ?」
「そ、そんな事は……」
「何年の付き合いだと思ってるの?」
「…………ごめんなさい」
はぁ、とため息をついた後、ちょっぴり笑みを浮かべるリリー。
『……でも良かった』
『……何が?』
『この世界でも変わってなくて』
『そう……かな…………?』
『うん。ミキのまんま』
『祈……』
このままのミキでいてね? と可愛く念を押される。
…………向こうでも、この世界でも、大好きな祈は大好きなリリーだった。
マキ王女の年齢を考慮して昼間に行われたパーティーは、王族とこの国の貴族その家族が開マキ王女の為に開く、という名目で、多くの人を集めての催だった。
このパーティーは、迎賓館の大ホールで行われた。立食の形で、王族とマキ王女が、高い所から下を見下ろせるバルコニーの様なステージに、その他の人はステージの下で、ステージ上の様子を見れるような配置になっている。
ちなみにリリーは特例でステージの上にいた。
マキ王女の入場、お父様とマキ王女からの挨拶と続き、マキ王女の乾杯の音頭で立食パーティーが始まった。
僕とリリーは、妹たちの様子を見つつ、談笑しながら食事を取っていた。
その時マキ王女がお父様と何の話をしたのかは分からないけれど、お父様に、
「丁度いいから側に付いていて貰いなさい」
と、メイドとは言わなかったけれど、実質それを認めたような事を言われて、僕とリリーは行動力が高いマキ王女に本当に驚いた。
それからの毎日、僕の傍はいつも賑やかで、飽きることのない日々であった。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます!!
次から第五章に入ります!
……の前に、これまでの登場人物のおさらいを入れたいと思っています。
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