第四十二話 「「…………えっ?」」
改稿作業の為、次話以降の投稿予定が未定となります。よろしくお願い致します。
「そんなとき、あなたの話を聞いたんです」
マキ王女の話は続く。
「魔法を使いこなし、幼い頃から天性の才能を持っているというあなたの事を。
私は、あなたの噂を始めて聞いた時、運命を感じました」
運命、という所で、リリーがビクッと身構える。
「運命?」
「はい。私は、あなたについて行く使命なんだと。あなたに一生付いていかなければならないと、私の心が言っているのです。どうか、どうか私をお側に居させて下さい! お願いします!!」
それはもう凄い勢いで頭を下げるマキ王女。
正直、困った話だ。
僕にはリリーがいるし、突然現れて運命の相手とか言われても混乱するだけだ。
僕はそっとリリーを見つめる。
(どうする?)
(ルイスには私がいるのよ?)
(いや、分かっているけれど。僕はリリーだけが好きなんだし)
(知ってる。でも……困った事になったわね…………)
アイコンタクトで会話をし、頭を下げ続けるマキ王女に向き直る。
「マキ王女様の事情は分かりましたけれど……。その、僕にはリリーと言う最愛の人が居ますし、その、邪魔をされたら困ると言うか…………」
事情は分かった、の辺りでハッと顔を上げるも、続く話で表情を曇らせるマキ王女。
「ルイスは私だけのものです。誰にも渡さない」
ぎゅっと僕の腕に自分の腕を絡ませ、マキ王女を睨み付けるリリー。
そんな仕種も最高に可愛い。
「と、言う訳ですので……」
「ですがお願いします! 私には、もう帰る国もありません! あなただけが頼りなんです。お二人の邪魔はしません。好きに扱って頂いて結構です! お願いします……っ!!」
声を振り絞って、最後には涙声で懇願してくるマキ王女。
((……どうしよう))
(ここまで言われると……)
(ルイス?)
(でも…………)
(はぁ……。ミキの性格は知っているけど、さすがに妻を二人娶るとか言わないでよ?)
(そうは言ってもさ……。帰るところが無いって言われると……)
再びアイコンタクトで会話を続ける。
と、急にリリーが会話を切り、マキ王女に厳しい言葉を突き付ける。
「何度言ったら分かるの!? ルイスは私だけの夫なんです! 私以外、妻は誰も要らない! 私が支える! だから諦めて帰って!」
「リリー…………」
僕は目頭が熱くなった。
こんなにも想ってくれていたなんて…………。
しかし、マキ王女から返ってきた言葉は、全く予想もしていなかった、唖然とする言葉だった。
「…………あの」
「なに!?」
「その、少し誤解がある様なのですが……」
「はぁっ?」
「ルイス王子の妻なんて、恐れ多いですし、私なんかが妻になる資格もありませんし」
「だったら何だと言うんです?」
そうリリーに問い掛けられたマキ王女は、覚悟を決めたように、真剣な眼差しで見つめてくる。
僕たちは、果たして、とんな事を言ってくるのかと身構えて、その言葉を待つ。
「わ、私を……」
「「私を?」」
「そっ、その」
「「(ごくり)」」
「ルイス王子のメイドにしてください!! お願いします!!」
「「…………えっ?」」
全く予想もしていなかった言葉に、僕たちは揃って変な声を出し、互いを見る。
(ま、まさかメイドだとは…………)
「さ、先程から申しているように、どんな扱いでも構いませんので────」
「ちょっ、ちょっと待って下さい、メイドって何ですか? そもそも、先程から、とは?」
言葉を進めるマキ王女に、事を全く理解できない僕たちを代表して、リリーが質問する。
「……? 私は、運命を感じた時に、こう思ったんです。
私がルイス王子の妻になるなんて、絶対に釣り合わないし、似合わない。だったらメイドとして、ずっと側に居よう、とそう決意したんです」
「は、始めて聞きましたよ?」
「えっ? 先程からずっとそのつもりで言っていたのですが……」
僕たちはその言葉に目を見合わせると、
((分かるか!!))
と、同時に心の中で叫んだのであった。
…………マキ王女、実は天然だったりするのかな?
ここまでお読み頂き、ありがとうございます!!
冒頭に記した通り、そろそろ纏めて改稿が必要だと感じて来たので、改稿作業に入らせて頂きます。
どれくらいの時間がかかるか分からないです。申し訳ありません。
ブクマ、ご感想、評価ポイント等、ありがとうございます!!




