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第二十九話 この世界には萌えという要素が足りな い!! 後編その4

久々の更新になりました。


まずお礼を。


な、な、なんと10000PVを突破致しました!

ありがとうございます!


そして評価ポイント、ブクマ、ご感想も頂いていて、とても嬉しいです。


これからも宜しくお願い致します。

 懐かしい回想をしていたら、段々イラストを描きたくなってきた。


 廊下にでて直ぐの所にいた近衛騎士に紙とペンを取ってきてもらい、机に向かう。


 八年と少しぶりのラフ。

 描く前から緊張して、手が震える。


「何を描こう……」


 まずはそれが一番大事だ。

 この世界で誕生する記念すべき二次元キャラの一人目。これははっきりしておくべきだ。


「今まで描いた事があるキャラは全て把握しているけれどなぁ。迷う……」


 と、ふと頭に浮かんだのは、オリジナルのサークルの看板娘、菜月だ。


 活発そうな黒髪ツインテールの女の子で、155/82/56/84の体つき、碧眼の高校二年生という設定の()で、当時何人も居たオリキャラのうち、ネット人気ランキングでほぼ毎回一位を獲得していた生徒会長さんだ。


「ふう。ここまで思い出せたら…………後は一気に描くのみっ!! 」


 イラストの場合、僕は誰を描くか決めたら、ちまちまと描くよりも、一気にラフから仕上げまで全てやってしまう派の人だ。


 しかしみーちぇのマネーパワーであまりアナログで描いた事がなく、あったとしてもオマケのペーパーや色紙などだけだったため、感覚が鈍って思ったより時間がかかってしまった。


「ふぅ、出来た!! 久しぶり、菜月」


 僕の手元の紙の中には、菜月や他のオリキャラ達が通っているという設定の高校の制服に身を包んだ可愛らしい少女がこちらを向いて微笑んでいた。


「感覚が鈍ったな……」


 記憶にある菜月より若干出来が悪い。紙が尽きるまで頑張って感覚を思い出させようと頑張って書いた。


「よし。完璧……ではけれど、まあ今はこれくらいかな」


 近衛騎士からもらった紙、約百枚を思い出せるだけ全てのキャラのイラストに費やした。オリキャラだけでなく、人気だったアニメやラノベ、漫画のキャラクターを描けるだけ描いた。


 女の子キャラだけでなく、男の子も描いた。


 男女比は9:1だが、まあうちのサークルではエッチや絡ませたり、または居た方がいいキャラの男の子キャラのみ使っていたので妥当な比率だ。


「漫画、か……時間は…………十時半!? 」

「おーいルイス、早く寝なさい……ってなんだこの紙の山は? 」

「あっ、それは……」

「絵? 可愛いな……こんな書き方もあるのか。そうかそうか………………よし。明日からもっと書いていいぞ。紙は私が用意しよう」


 い、今の短時間で何を考えたっ!?

 まあ、親が公認することほど楽なものは無いが。


「ありがとうございます、父様」

「ん? いや、気にするな。この新しい技法の絵がもっと見てみたいんだ」


 そうか……この世界には萌えのイラストが無いのか。

 教会や王城の壁画、天井画、街に出回っている絵から、技法の時代は今はまだヨーロッパで言うところの十九世紀あたりだと推測する。


 そこに2000年以降の、特に日本中心の萌えの(イラスト)が入ってきたらそれはもうすごい事だろう。


「ともかく今日は寝なさい。遅い時間だから」

「はい」


 僕はそう言って、ちょっと散らばりかけていた紙を一纏まりにまとめ、自分の部屋へと戻っていった。









 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~










 翌朝。


 いつも通り七時半に起き、顔を洗って着替え、朝食の席に着いた。


 と、


「おはようございます、お兄様」

「おはよう~、お兄ちゃん」

「うん。おはよう、ロゼ、イリス」

「こら、お兄ちゃんじゃなくてお兄様でしょっ! 」

「でもお兄ちゃんがお兄ちゃんって読んで良いって言ってたじゃん」

「そ、そうだけど…………恥ずかしいもん」


 最後の方の言葉は聞き取れなかったが、相変わらず元気の良い姉妹だ。


「おはよう、三人とも」

「あら、みんなおはよう……どうしたの? 」

 

 お父様とお母様がやって来た。


「イリスがお兄様をお兄ちゃんって読んでるのよ」

「僕は別に良いんだけど……」

「ほら。お兄ちゃんで良いじゃん」


 お父様とお母様は、やれやれ、と呆れた顔をしつつ、ほぼ毎日繰り広げられるこのような騒ぎを面白そうに見つめていた。


「別にルイスが良いって言うのならいいんじゃないかしら? 」

「確かに、お兄ちゃんがそう言うのなら良いと思うが」

「さすがお父様とお母様ね! お姉ちゃんもお兄ちゃんって呼べば良いのに」

「おっ、おにい……ちゃん」


 これは……可愛い。元々可愛い部類の二人の妹に上目遣いで、さらにお兄ちゃんとも呼ばれると嬉しいものである。

 微妙なツンデレとも言えなくも無いロゼの恥ずかしそうに言うお兄ちゃんが可愛すぎて口許が緩みそうになるが、軽く口の中を噛んで耐える。


「これからもそう呼んでいいよ」


 僕のその言葉に、二人は、


「えっ? いいのっ!? 」

「やった~! ありがとう、お兄ちゃんっ!」


 ロゼは意外そうに、イリスは純粋に嬉しそうに喜んでくれた。

 喜んでくれると普通に嬉しい。これからは出来るだけ喜んで貰えるように頑張ろう。


 …………あっ。良いことを思い付いた。せっかくお父様から許可を貰ったんだ。漫画への肩慣らしにパラパラ漫画を書いてあげよう。


 パラパラ漫画は、アニメの原画の様な原理で、アニメの場合一秒間に二十四枚の絵をひたすら入れ換えて動いているように見せるが、パラパラ漫画だとそこまでの絵は必要ない。

 その分楽だし、純粋に作った後、見て貰って喜んでくれた時の達成感は大きいものだ。


 そう密かに決意し、近衛騎士から大量の紙を貰ったあと、大体A4くらいの大きさの紙を四等分し、看板娘、菜月のパラパラ漫画をひたすら書いていた。


 二時間程で百枚くらい書いた。軽く確認し、ズレが無いことを確認したあと、昔、限定で作った同人誌でやった事のある和綴じをして完成した。


「よしっ。出来た! 二人は喜んでくれるかな……」





ここまでお読み頂き、ありがとうございます。


次回はルイスがさらに萌えの文化を異世界へとどんどん普及させます。


宜しくお願い致します。


ブクマ、ご感想、評価ポイントなど、ありがとうございます!


とても嬉しいです!


これからもオタク議員の異世界転生をよろしくお願いします!

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