第二十五話 この世界には萌えという要素が足りな い!! 後編その2
こんばんは。五月雨葉月です。
来ちゃいました、七夕。
何もアイデア考えてない……
コミケの申し込みをギリギリで終えた後、早速新刊作りに取り掛かった。
コミケの当落発表はまだまだ先だが、その前のゴールデンウィークや七月頃にある即売会のための準備だ。
コミケは沢山のサークルが申し込むため当落が出るまで時間がかかるが、例えばコミケと同じビッグサイトで開かれるものの、小規模で一日だけのオールジャンル即売会即売会、同じく一次創作ー限定同人誌即売会、池袋サンシャインシティで開かれるオールジャンル同人誌即売会、蒲田などで開かれるオンリー同人誌即売会等、多岐に渡っている。それらの即売会は大抵締め切りが遅く、更に当落発表も開催間近に出るので早めの用意が必要なのだ。
「コミケ出店の前に、いくつかの即売会に出て知名度を増やそうよ」
というみーちぇの一声で参加することになった。
まずすべきはHP作り。
最新の液タブを使っているくせにネットが苦手なみーちぇに変わり、僕が作ることになった。
うみは論外、ワード等が奇跡的に使える程度の極度の機械音痴だ。
「ねえ三月、これってどう使うの? 」
「どれ? 」
「この食器洗い機」
この他にも洗濯機もただ洗うだけしか出来ないらしい。
乾燥とか、服に合わせた洗い方があるのに……
HPを作るにあたって、同人誌を作るための役割を決めよう、という事になった。
誰がどの分野(漫画係、イラスト係、シナリオ係など)を担当するかを決めることにした。
まずみーちぇ。絵師として活躍しているので、そのままイラストを担当することになった。ちなみに漫画は描けないらしい。
作れない、というより、どうやってもイラストになってしまい、本業の傍ら試してみたところ、8Pの漫画を作るのに三週間かかってしまい、僕たちからやっぱり止めようという話になった。
イラストを繋げて漫画にしたのでとてもハイクオリティーだが、労力の割に半端ない時間を持っていかれるのだ。
次にうみ。シナリオライターとして活躍しているので、役割はそのまま、漫画のストーリーを考える事になった。
ちなみにイラストや漫画は本人曰く、とんでもなく下手で人様に見せられない物らしい。
一度見たことがあったが、そこまででも無いものの、ちょっとな……という感じだった。
最後に僕。
僕は基本何でも係として任命された。
まあ、みーちぇに、
「私と並ぶほど上手いね……なんで今まで知られていなかったの? 」
と疑問を投げられる程の腕前だとは自覚している。
まあ、みーちぇがイラストしか出来ない分、基本漫画は僕の担当になった。時にはイラストも描くが、
「私の役割を奪わないで……三月上手すぎるのよ」
と冗談抜きの真剣な顔でみーちぇに言われたため、後書きやみーちぇのイラスト本のおまけ程度に留めておいた。
「役割を決めたあとは~、新刊決定会議よ!! 」
「「新刊決定会議? 」」
みーちぇの言葉に見事ハモった。
「そう! 次の即売会で出す新刊を決めるの」
「オッケー、えっと……次はゴールデンウィーク中の二つだね」
チラリと僕はカレンダーを確認して言う。
「一つはオールジャンルだけど、もう一つは二次創作禁止のオリジナルのみの即売会だね」
「じゃあ、二種類作ろうよ。シナリオ早めに考えて来るからさ」
「オールジャンルで、(某人気アニメ)の二次創作漫画と、オリジナル漫画、みーちぇのオリジナルイラスト本の三種類、オリジナルで二次創作抜いた二種類にしようか」
「あら、いいんじゃない? それなら……それぞれペーパー作らなきゃ」
「うーん、でも買えなかった人にはどうする? 会場に来られない人も居るわけだし」
「まだ売ってもないのにそう言うことは考えない! 」
「…………みーちぇとうみがいる時点で壁確定だと思う。だから委託とかにしておいたら? 」
僕の正論に黙りこくる二人。うーんと唸りながら考えている。そして考えがまとまったのか、みーちぇがガバッと立ち上がり、
「それでいきましょう!! 」
と拳を握って叫んだ。
「なんの真似ー? 」
「うみ、哀れんだ目は止めてください恥ずかしいでしょう。ほら三月もやめて下さる? 」
そんなこんなでゴールデンウィークがやってきた。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
ここで出てくるサークルさんの活動や発行部数、売上はあくまで想像であり、僕の独断と偏見によって決めています。あくまでこの世界だけとお考えください。
さて、七夕スペシャル……
200字程度の短編を、三月と祈(ルイスとリリーし視点でこのあと頑張って書こうと思います。
ブクマ、評価ポイント、ご感想ありがとうございます!




