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第十話 相談

こんばんは。五月雨葉月です。


いよいよ始まります、日常パート!


今回を含め、これから先は基本的にルイス視点でのお話になるかと思います。


僕は視点のこだわりはそうないため、時々視点を変えることがありますが、その都度前書きなどに記載致します。


 転生して、ルイスとして生まれてから二年。


 最近は、この世界における様々な知識を知るために自室(と言っても、家族共用の部屋)と王城の中にある王立図書館や父である王の書斎に通った甲斐もあり、殆どの知識を吸収し終えていた。


 今までほとんどの時間を図書館や書斎で過ごしていた僕はは、大抵の本を読み終わり、もう毎日が暇で暇で仕方がなかった。


 何かをするにしても、良い考えも思い付かないし、今更ながらおもちゃなどで遊ぶというのも気が引けた。

 そこで、何か良い案が無いものかと父に相談することにした。


 コンコンコン。


 時刻は昼時。父のこなす仕事が少なくなってきたであろう時間を狙って、僕は父の執務室の部屋をノックした。


「お父様、ルイスです」


 そう中に呼び掛けると、直ぐに、


「おお、ルイスか! どうかしたのか? 入ってきなさい」


 と若干疲れぎみだが、嬉しそうな声が返ってきた。


「失礼します」


 と言いながら、まだ背が低く、ドアノブに届かない事を知ってか、この城の執事を纏める執事長兼父の専属執事である年配の執事、ナーガさんがドアを開けてくれた。


 王族には、基本一人に一人、専属の執事やメイドが付き、仕事や私生活をサポートしているが、ルイスはまだ決まっておらず、毎日代わる代わる誰かしらの執事やメイドに世話をされていた。

 もっとも、ただの子供ではないルイスが出来ないことはほとんどなく、このようにドアを開けて貰ったり、高いところにある本をとってもらったりする程度であった。


「ナーガさん、ありがとうございます」


 ドアを開けてくれたナーガさんにお礼を言うと、部屋の中に入った。

 そして僕が執務室の中心にある父が仕事をする為の机に寄ったことをチラリ、と父が見ると、


「うーん、疲れたな……。さて、少し休むか…………」


 ナーガさんを意識しつつ、わざとらしくならないように父が言った。

 全く、自分の息子が来たことをサボる口実にしないでほしい。


 一方、父が子供の頃から父と一緒にいるナーガさんにはバレバレの様で、何か言いたげそうだったが、まあいいか、と肩を若干くすめ、


「まあ、良いでしょう。少しはお休みになった方が良いですからね」


 と言った。

 その言葉に父は、


「そうだな! さてルイス、何の様だ? 」


 余程嬉しかったのだろう、声を弾ませながら僕がここに訪ねてきた用を聞いてきた。

 理由がなくここに来たわけではないので、早速重要な事を聞く。


「お父様、図書館や書斎の本を殆ど読み終わってしまって……」


 そこまで言った所で、父とナーガさんが、次々に


「…………あの膨大な量の本を殆ど……」

「ほう。さすがルイス様ですな」


 と驚いたように突っ込んできた。

 父は余程驚いたらしく、しきりに何かを呟いていた。


「はい。やることが無くなってしまったので、何かをしてみたいのですが…………」


 そう相談すると、父は困ったように唸りだした。


「出来れば日常的に出来ることがいいのです」


 と僕が付け加える。

 と、ナーガさんが、


「ルイス様は何でも出来ますからな……やって出来ないことは無いでしょう」


 と聞いていて恥ずかしくなる事を言っていた。

 父はその言葉に、


「そうなのか……何か出来ること、か」


 と反応した。

 すると、何かを思い付いたらしく、ナーガさんを側に呼び、何やら耳打ちした。


「…………に言って…………」

「分かりました。では早速」


 そう会話したナーガさんは、一礼した後、執務室を出ていった。


 そして父がた差手招きしていたので机を回り込んで父の隣まで歩み寄った。


 そして父が回転する椅子を、隣に行った僕の方へ向け、立ち上がり、僕をっこした。

 そう言えば、まだ体は二歳なんだっけ。


「ルイス、魔法を習ってみるつもりはないか? 」


 突然父が聞いてきた。


「魔法、ですか……? 」

「うん。本来は五歳から習わせるのが基本だが、ルイスならば今からでも大丈夫だろう。もしかしたらあっという間にマスターするかもしれない」


 魔法。

 現代の人が聞いて、これほど心踊る言葉は無いだろう。

 実際ではあり得ない、空想上での不可思議な現象。

 誰でも一度は思ったことだろう。

 ああ、魔法が使えたらな……、自分が魔法を使えたらどんなに楽しいだろう、と。

 しかし現代には魔法は存在しない。

 だがこっち(異世界)は違う。


 ダニエル・テールズの魔法発明からはや数百年。

 魔法は誰でも気軽に使える存在になっていた。


 国が定めるランクや、得意属性、推奨年齢などもあるのだが、それを除けば全ての人々があらゆる魔法を使える素質がある、という事である。


 もちろん僕も、本で読んで知っていたが推奨年齢の五歳まで無いだろう、と気長に待つつもりだった。

 しかし、早めにやらせてもらえるのであれば話は違う。

 僕はその話に食いついた。


「本当ですか!? 魔法を、使えるのですか!? 」


 急に乗り気になった事に驚いたのか、


「あ、ああ」


 と、若干父が引いていたが、気にしない。


「やらせてください!!」


 大きな声で目を輝かせながら言うと、


「そうかそうか。ルイスは魔法をそんなにしたいのか……」


 提案したのは自分である筈なのに、まるで僕から言ったことのように言うと、


「では、魔法を練習する前に、魔法の適正を調べて貰わなくてはな」


 と父は言った。

 僕は、いよいよ魔法が使えるのか!! と、それはもう乗り気になって、


「はいっ!! 」


 と大きな声で返事をした。






ここまでお読み頂き、ありがとうございます!


次回はいよいよ魔法が登場します!

お楽しみに!


予定通り、明日、投稿予定です。

よろしくお願い致します!



ブクマ、ご感想、ありがとうございます!

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