語り継がれるのは思い出と……
金色の海の様にうねる稲穂を祖母はお米よと教えてくれた。
――猫じゃらし?
――お饅頭の包装の様なものよ。お饅頭が玄米、あんこが白米。
「じぃじ?」
裾を引いて孫が急かす。逆の手には狂い咲きのツクシ。ヒタシにして食えると言ったら持てるだけ摘み出したのだ。
祖母の味を懐かしみながら、家路を辿りつつ語って聞かせる。
孫もいつか、己の子や孫に思い出として語るだろうか。
そうして思い出の中に人は生きて行くのかも知れない。
金色の海の様にうねる稲穂を祖母はお米よと教えてくれた。
――猫じゃらし?
――お饅頭の包装の様なものよ。お饅頭が玄米、あんこが白米。
「じぃじ?」
裾を引いて孫が急かす。逆の手には狂い咲きのツクシ。ヒタシにして食えると言ったら持てるだけ摘み出したのだ。
祖母の味を懐かしみながら、家路を辿りつつ語って聞かせる。
孫もいつか、己の子や孫に思い出として語るだろうか。
そうして思い出の中に人は生きて行くのかも知れない。
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