好きな人は変人じゃなかった
男「それで、相談の続きだが…。どこにデートへ誘ったものかね。」
女「映画とか遊園地とか定番な場所にしとけば、まあ無難なんじゃない?ネットなんかで検索するのもいいかも…」
男「恐ろしく保守的な意見だな。」
女「初デートだもんね。慎重にならないと!」
男「当然却下。」
女「当然って…」
男「それじゃ普通じゃん?俺の好きな人はそんな普通な場所じゃ満足しないんだよ。」
女「めんどくさい人なんだね…」
男「そうなんだよ。変人なんだよ、そいつ。」
女「だから、好きな人を変人とかそいつ呼ばわりするのってどうなのよ。」
男「変人じゃない俺には、変人の気持ちが分からん。ネットはありきたりな情報ばかり。」
女「…何が言いたいの?」
男「そこで、お前の出番ってこと。変人のお前が行きたいところなら、きっと俺の好きな変人も気に入ってくれるはず!」
女「あっ、喧嘩売ってたのね。」
男「グッドスマイル。」
女「いいよ、変人の私が行きたい場所ね。教えるからには当然拒否権無し問答無用絶対に行かせるからね。」
男「すまん、撤回。よく考えたら、お前は変人じゃなかった。」
女「あ、そう。まあ、私が変人であってもそうでなくても、私の行きたい所ってのは変わらないわけで。」
男「確かにそうだ…。すまん、撤回。お前は変人だった。」
女「おっほう、いい度胸だね、君。」
男「ふっ、よく言われ…ない……ないな…」
女「あーあ、面白いところ思いついちゃった。うん、絶対に面白くなるね。主に私が。ここで問題ないね。」
男「お前がかよ!問題あるわ!」
女「ん?私が行きたい所を知りたいんじゃなかったっけ?」
男「そだった!おのれ策士め。いいだろう、度胸ある俺はどこにでも行ってやるぜ?」
女「疑問形ウザ。ふ~ん、アンタにしちゃ随分覚悟ある発言だね。ほんとにどんな場所を指定しても行ってくるんだね?その好きな人と。」
男「もち。まあ、その場所の下見にはお前にも付き合ってもらうがな。お前の行きたい所なんだし、断る理由もないだろ?」
女「なるほどね。おっと、急にもっと面白いところ思いついちゃった。じゃあ、週末にでも早速その下見とやらに行くとしますか。」
男「ああ、ゆこう」
女「ゆこう」
そういうことになった