好きな人は時々キツかった
女「え?そんな気兼ねなく話せるような関係にあるの?その好きな人と。」
男「えっと…まあな!互いにバカバカ死ね死ね言い合うぐらいに遠慮のいらない仲だぜ!」
女「嘘ヨクナイヨ?」
男「なぜぇ?!」
女「だって、女どころか、男同士でもまともに会話が出来ないぐらいのコミュ障だって言ってたじゃん。自分で。」
男「そだっけ?」
女「うん、言ってた。」
男「…まあ、俺がちょっと本気になればこの魅力的な会話術でどんな人とでもすぐさまフランクな関係になるくらいは実はわけのない話だったという…」
女「ふーん。それは凄いね。師匠呼んでこよっか。」
男「やめてー!」
女「ほら。」
男「師匠はハードル高すぎだろ…。むしろあれとフランクな関係になっちゃダメなような。」
女「ともかく、コミュ障も人間不信もまだ相変わらずでしょ、アンタ。そこそこ付き合い長い集会所のメンバーとすら、未だに距離置いちゃってるし。」
男「ほう、本当にそう見えるのか?」
女「見えるね。私にはそう見えるね。」
男「…うん、まあ、そうかもな。でも、俺が好きになったその人は特別なんだよ。」
女「私みたいに?」
男「それは比べようないな。」
女「アッハハ~↑なんか妬けるね。」
男「嘘ヨクナイヨ?まったく、そういう冗談はいい加減終わりにして欲しいもんだね。」
女「それを言うなら、この冗談のような関係自体そろそろ終わらせるべきなのかもね。」
男「ははっ!全くだな。」
女「全く、いい機会だよね。」
男「ああ。俺もお前との、この冗談のような関係を早く終わらせたかった。」
女「私だって。それで私に相談したんでしょ?」
男「そういうことだ。よし!そういうわけで的確なアドバイス頼むぜ!」
女「うん。ぶっちゃけ、その好きな人って誰よ。」