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だらだら過ごしてるけど能力者ですから  作者: 長月シイタ
第一章 『超能力者』と書いて『一般人』と読む
5/20

5話 けんかとか痛いのやじゃん

「えー俺帰ってゲームしたいんですけどー……」

「だめだだめだ。お前には手伝ってもらわないとけねぇからな」


 俺は姉御と一緒に街の郊外にある廃工場に来ていた。

 ここには姉御がリーダーをしている組織グループ天翔アマガケル』の集合場所。悪く言えば溜り場だ。一応許可はもらっているのでいいはずだが……。


「どーしても許可したやつらの悪意を感じるな」


 ぼろっぼろの廃工場。トタンの天井に穴は開いてるから雨が降ってきたらずぶぬれだし、壁ももろくて今にも崩れそうだし。

 絶対選んだヤツ適当だろこれ。


「まぁそういうな。それにここはここで気に入ってるんだ。風情もあるしな」

「姉御の言う風情が若干世間とずれてる気がするけど」

「気のせいだ」


姉御が工場の重くて大きいシャッターをガラガラと開けると、中には大勢の舎弟がいた(中には女もいるが)俺たちが中へ入ると、全員がいっせいに集まってきて挨拶してきた。


「相変わらずの慕われようだな」

「ああ。全員あたいの大切な仲間だ」

 

 するとむらがっている大勢の舎弟をかき分けて、一人の男が俺たちに駆け寄ってきた。

 名前は宮島だったな。


「うっす姉御に兄貴! お久しぶりっす!」

「おー宮島。先々週ぶりじゃねぇか。怪我はもういいのか?」

「うっす! おかげさまでこの通りっす! 兄貴もこの前は見舞いありがとうございましたッ!!」


 と大仰に頭を下げてきた。別にお見舞いぐらいでそんなに礼を言われることじゃないと思うんだけどな。


「あーいいっていいって。次はちゃんと気をつけろよな」


 姉御たち、組織は数少ない『戦闘制圧用能力許可』を貰っている集団のひとつである。『戦闘制圧能力許可』とは、ようするに人様に迷惑をかける不良やらなんやらを成敗するときに限定して、能力を自由に使えるという制約である。

これを持っていると警察から要請が来る時もある。今回集められた理由も多分それだ。


「あ~今日みんなに集まってもらったのは他でもない。また依頼だ」


 その一言で不良たちの話し声がピタリと止みこっちの話に集中し始める。さすがは全員姉御の仲間ってところか。


「ビンゴだよまったく……」

「内容は北地区の廃工場にたむろしてる不良グループの掃除だそうだ。3時に現地集合だぞお前ら!! 遅れるなー!!」


 そう叫ぶと他のやつはぞろぞろと帰っていって姉御と俺たち二人だけが残った。


「それって姉御っちと何も変わらないんじゃ……?」

「うちらは許可もらってるじゃんよ」

「そうだけどさぁ……『さて、ごちゃごちゃ言ってねーでさっさといくぞー』ちょ、自分で歩けるから!! てかなんで俺まで!!」


 俺がそう叫ぶといきなり姉御が歩くのをやめて引きずっている俺の方をじーっと見てきた。


「……なんです」

「……そんなに嫌か?」

「はい。とっても」

「そ、そうかそうか……」


 そう言って姉御がぶつぶつ言いながら何かを考えていた。


「姉御……?」

「そ、それじゃあ今度一緒に買い…………でも……」

「? ごめん最後の方聞き取れなかった」

「だから…………物でも……」

「聞こえないもう一回」

「~~~~~~ッ!! もういい!! さっさと帰ればーーーかッ!!!」


 そんで姉御は顔を真っ赤にして帰ってった。結局なんだったし……


「……もうかえっていいんだよな……?」

 感想、誤字脱字まってまーす(・▽・ノ

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