突然の訪問
何千年もの昔ミーシュ国には神の声を聞く事ができるという巫女がいた。。
かつてのミーシュ国王は国の繁栄を願い巫女に神の声を届けてもらった。
そして、神が王に伝えた言葉は伝説となった。その言葉とは。
『1000年に一度神により選ばれた6人の者が産まれ落ちよう。そのうちの5人は「赤」「白」「黒」「黄」「水」の力を体に秘めている。そして、最後の一人はその五人の持つ全ての力を操りこの国を繁栄に導くだろう 』
というものだった。王は決めた。少女が生まれ、国の城に招かれた時、現王はその座を少女に明け渡し補佐として少女の手助けをし。
その五人の男児は神に信用された少女を守護する者達ということで生まれると必ずすぐ王宮へ上げられ少女が現れるまで守護者としての力を身につけるさせるための用意をさせなければと…。
赤は『炎』、白は『癒』、黒は『闇』、黄は『雷』、水は『水』の力を持つ。そして、6人目の王たる資格を秘めた者はその5つの力全てを扱えると言い伝えられていた。
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「 ちょっと。つまみまだ? 」
「 ご、ごめんね!お母さん遅くなっちゃって…はい。これ 」
ミーシュ国の隣の国マインド国の海沿いにある小さな家に少女と母親は一緒に暮らしていた。
「 あ、そういえば。今月の稼ぎだしな 」
そう言い女性は少女に手を差し出した。
「 え、でもお母さん。このお金出したらお酒もご飯も買えなく… 」
「つべこべ言ってんじゃないよ!そんなんまた働いてくればいいだけじゃないか!ほら!よこしな! 」
そう言いながら少女が大切そうに抱えていた銭の入った袋を取り上げた。
「 チッ。しけてんな。たったこれだけかよ… 」
そう言い女性はタバコを加え直し、煙を吐くと酒を飲んでいた。少女の生活はこれが毎日である。
女性は一日中家にいるが、少女は夜は大抵外に働きにでている。
「 ったく。気持ちわりぃな。一体誰ににたんだよ。その髪と瞳の色、気持ち悪くて仕方ないね 」
その言葉もいつも聞く言葉だった。少女の髪と瞳の色は今まで同じ人を見かけた事がない色をしていた。
―――――きっと私は魔物の子なんだ。でも、何かの手違いでお母さんのお腹に入っちゃっただけなんだ。だから今頃魔物のところにお母さんの子どもがいるんだ――――
少女はいつしかそんな事を思うようになった。
そんなある日―――
コンコン
「 はい…? 」
少女が玄関の戸を開けるとそこには赤い髪と瞳をした年は自分より4つほど上と思える青年が立っていた。
青年は彼女を見るなり突然片膝を床につけ頭を垂れた。
「 やっと。やっと見つけました。我らが王 」
「 え?王?あ、あの…? 」
少女が状況が飲み込めずアタフタしていると青年の背後から青年より遥かに年上と思われる声がした。
「 クスクス。申し訳ありませんアリア様。やっと会えた主君に喜んでいるだけなのです。お許しください 」
そう言うと彼はまだ頭を垂れている青年の横に来ると青年に話しかけた。
「 セイ。姫が困っている。やめなさい。まだ彼女は何も理解していないのだからね 」
そう言うと青年は頭を上げ立ち上がると少女の瞳をじっと見つめてきた。
すると、青年の横の男性が胸に片手を当て一礼をしアリアに声をかけてきた。
「 私達は隣の国ミーシュからやってまいりました。私の名はサクサス・ムルフと申します。どうぞサクサスとお呼びください。彼の名はセイ。赤の守護者です 」
「 守…? 」
アリアが不思議そうにそう呟くとサクサスと名乗った男性は家の中に視線を向け言った。
「 込み入ったお話がありますので…入ってもよろしいでしょうか? 」
サクサスがそう言うと、アリアは今までずっと玄関で会話をしていたことに気付きまたアタフタしだした。
「 す、すみません!ど、どうぞ… 」
そう促されるとサクサスとセイは家の中へと入って行った。
アリアは忙しそうに居間の方に行き、お酒の空瓶が散らかっている部屋を綺麗にした。そして母親に客が来た事を伝えた。
母親はミーシュ国の人がきたと知ると『もう家にあげちまったのかい!?この役たたず!いいかい!私が着替えを終えて降りてくるまで帰らせるんじゃないよ!』そう言い残し2階の部屋まで走っていった。
母は昔踊り子をしていたので金持ちの男を落とすのが大好きなのだった。そしてミーシュ国といえばお金持ちばかりが住んでいると聞く大国である。
「 あ、あの。汚いところで申し訳ありません…今、お茶をお入れしますので少々お待ちください 」
アリアがそう告げるとサクサスは今度は胸の前まで手を上げアリアに手のひらを見せるとヒラヒラと振って見せた。
「 いえいえ。お構いなく 」
そう言われても、こんな貧乏な家にどこからどう見ても王室から来たような煌びやかな人が来ているのだ。お持て成しだけでもちゃんとしなければとサクサスの言葉は受け入れずお茶を入れに行った。
そして、お茶を持ってきて。サクサスとセイの目の前へとお茶を置くと母親が着替え終わったのか足音無く走ってきてはマリアベルを押しのけテーブル近くに来る。
アリアは母親に突き飛ばされ床に倒れそうになり目を強く瞑るがいつまでたっても衝撃は来なかった。不思議に思いそっと目を開けると
「 大丈夫か…? 」
さきほどのセイという青年がアリアを抱え上げてくれていた。青年の端正整った顔が近くにあると思うとアリアは頬を染めてしまった。
「 あ、あの… 」
「 …? 」
真っ赤になりながら抱えられたままバタバタと暴れているアリアをセイは不思議な表情で見つめているとソファで腰かけアリアの母に腕を組まれた状態でサクサスがセイに話かけてきた。
「 セイ。アリア様が困っておられる。下ろしてさせあげなさい 」
そう言われると、セイはまるで叱られた雛鳥のように渋々アリアを床に立たせた。それを見ていたアリアの母はそれが気に食わないかのように口を出してきた。
「 こんな子どもに敬語など使わなくてもよろしいじゃないですか。この娘は男をたぶらかすのが大好きなんですのよ~?ああやって真っ赤になって暴れれば誰でも自分に優しくなって、甘えさせてくれると思っているんですから~ 」
「 ちがっ…! 」
アリアがそう言おうとすると、セイがアリアの前に腕を出し言葉を遮った。
「 この方は我ら五人の守護者の頂点に立たれるお方。そして、将来我が国を繁栄にもたらされるお方だ。口を慎め女 」
「 っつ!なっ…!! 」
女がサクサスの腕から離れソファに腰かけたまま怒鳴ろうとすると、今度はサクサスの言葉が遮った。
「 はぁ…まだちゃんとした説明も終わっていないのにそのような事を言って… 」
すると、その言葉にセイが答えた。
「 我主を侮辱する者は誰であろうと許さぬ。このような場所に主を置いておけぬ説明は城ですればいいだろう 」
すると、またサクサスが話し出した。
「 そうもいかないよ。『こんな出来損ないな女』でもそこにいる『我ら』の主の母君なんだ。彼女を城に連れていくのにこの女の許しが必要なのは当然だよ 」
サクサスにそう言われるとセイは舌打ちをしてアリアの手を繋ぎひっぱるとサクサスの向かいの席に座らせた。そして、セイ本人はまるで守るかのようにアリアの背後に立っている。
ようやくセイが大人しくなるとサクサスは小さく溜息を付き腕につかまっている女の額に手を当て無理やり腕から引き離した。そして、口を開いた。
「 私達はあなたに用があってきたのではありませんので、腕に捕まるのはおやめいただきたい 」
サクサスからそう言われるなり女は今までのサクサスやセイに見せていた表情が嘘のような表情に変わり言葉使いまで変えサクサスに言った。
「 じゃあ何しにきたって言うのさ。悪いが、見てのとおりこのうちにゃ盗めるようなたいそうな物は置いてないよ 」
そんな女にまるでそうかわってしまうのをわかっていたかのようにサクサスは話をづつけた。
「 私達はアリア様に用があってここまで参りました 」
「 …え? 」
アリアがついそう言ってしまうとまるで今にも殺されそうな目で女に睨まれたのでアリアは俯いてしまった。そして、アリアの変わりに女が口を開いた。
「 冗談言うんじゃないよ。こんなどこにでもいる娘にいったいどんな用… 」
女が言葉を言い切る寸前、女の顔の真横を一瞬何かが通って行き女の頬には何かに切られたかのような切り傷ができ、血が滴った。そして、女がその事に気付く寸前後ろの壁でダンっ!!という音が鳴った。
女が恐る恐る振り返ってみると、壁にはナイフのような物が刺さっていた。
「 ヒ…ヒィィィィィィ!!わ、私の顔がぁぁぁ!わ、私の綺麗な顔にき、傷が!! 」
女がそう言いながら前に向き直ると、いつ来たのかアリアの後ろにいたはずのセイが女の目の前に立ちはだかっていた。
「 先ほどの言葉…聞こえなかったのか。口を慎めと言ったのだ。醜い顔をもっと醜くしただけだ悲鳴なぞあげるな 」
「 なっ…!! 」
女が怒鳴ろうとすると、突然女の横から白い光が表れた。そして、その光何かが女の傷ついた頬に触れると一瞬にして傷が消えてなくなった。
「 セイ。やりすぎです。あなたがいては話が進みません。大人しくしていられないのなら外で待っていなさい 」
光が消えるとそこにはサクサスがいた。そして、光が収まるなりサクサスはセイにそう言い放った。
セイはまたもや舌打ちを一度すると入ってきたときの戸を開け外へ出ていった。
一部始終を見ていたアリアは何を言えばいいのかわからず言葉を失っていた。傷が癒えた本人の女も傷が癒えた事に驚いているのか固まってしまっていた。
―――――まぁ。セイのおかげで話しやすくはなりましたかね・・・。――――――――
「 話を続けさせていただきます。我が国、ミーシュ国の伝説の話をさせていただきます。普通国の王になるのは王家の一族から…とどこの国も決まっておりますが、我が国は違うのです。いえ、正確に言うと1000年に一度だけ違うのです 」
そこで少しだけわれに帰ったアリアが聞き返した。
「 1000年に一度だけ?? 」
アリアの言葉にサクサスは一つ頷くと続きを話した。
「 何千年も前。ミーシュ国ができたばかりの頃、国に一人有名な巫女がいたのです。巫女は神の声を聞く事ができました。かつての王はそんな巫女を信用し、国の繁栄にはどうすれば良いかを聞きました。すると巫女は言ったのです。『1000年に一度神により選ばれた6人の者が産まれ落ちよう。そのうちの5人は「赤」「白」「黒」「黄」「水」の力を体に秘めている。そして、最後の1人はその5人の持つ全ての力を操りこの国を繁栄に導くだろう 』そうおっしゃったのです 」
そこでアリアは先ほどセイに言われた言葉を思い出していた。
『 我らが王 』
それを見てとったサクサスはアリアに言った。
「 そう。最後の一人というのが貴方なのですアリア様 」
「 わ、私は…違い…ます 」
「 何日か前、陛下の夢に光輝くこの世の者とは思えない存在が姿を見せたそうです。それは、陛下に何か魔法をかけるでもなくただ『 マインド国海沿いにある小さな家に探し者はある 』そう告げたそうです 」
アリアが怯えながらもそう告げるとサクサスは負けじとアリアに詰め寄った。
「 私達守護者は初めて我らが王の前に立つと神の声が脳裏に響くと言われておりました。ですが、私はここに来るまでそれを信じてはおりませんでした。ですが、先ほど戸を開けてくださった貴方を見てやっと信じました。脳裏に神の声が響きました。『 我…彼女を愛し。我…彼女を守り。我…彼女に付き従え 』とね。おそらくセイも戸が開き貴方を見つけた時私と同じく神の声が脳裏に鳴り響き貴方の前に膝まづいたのでしょう 」
『私達』
アリアは先程から気になっている言葉があったのでサクサスに聞いた。
「 あの…私達…って… 」
そこで思い出したかのようにサクサスは立ち上がり胸に手を当て一礼をした。
「 先程は言わなかったでわかりませんでしたね。お許しください。私は白の守護者でございます。癒やしの力を扱います。守護者は各色によって力が違います。セイは赤の守護者なので炎を操ります。守護者の中で最高位の守護者です。5人の守護者はもう城に集まり何年もあなたの誕生をお待ちしておりました。まさかミーシュ国外でお生まれになるとは思わなかったので探し出すのが遅れて申し訳ありませんでした 」
そう言いながらサクサスはアリアに手を差し出してきた。アリアはサクサスの優しい微笑みを見ているとどこか安心しきった気持ちになり差し出された手に自分のそれを重ねそうになる。と、そこで
「 黙って話聞いてりゃなにさ 」
そこでいつわれに帰ったのかアリアの母親が口を挟んできた。
「 こいつが神だとか王だとか嘘言うんじゃないよ。こんなどこにでもいるみすぼらしい餓鬼が王?笑わせんじゃないよ。あんた知らないだろうから教えるけどね。この娘は泥棒だって簡単にする娘だよ 」
確かにそれは本当の事だ。アリアが差し出した手を引っ込め俯くと、アリアの真横までやってきたサクサスがアリアの頭に手を当て撫でながら言った。
「 知っております。アリア様の事は全て調べさせていただきました 」
「 じゃ…!! 」
「 ですが。それはお母様のためにしたまでの事。アリア様にそうするように仕向けたのはあなたではないのですか? 」
サクサスにそう言われると女は口篭ってしまった。
それでも、サクサスは話を続けた。
「 この事をマインド国王に知らされたくなければ、この話に口を慎むのはおやめいただきたい 」
「 っつ!? か、勝手にしな!!! 」
女はそう言うと階段を上がり部屋へ入ってしまった。
アリアが母を追いかけようとするとサクサスに手首を掴まれる。
「 貴方には私達と城に来て頂きたいのです。今すぐ王になれとは言いません。あなたはまだお若い、あなたが王になることができるお年になるまで待つつもりであります。それにあたって城においでいただき力の使い方、王になるための勉強をしていただきます。先生などももう決まっております。後は貴方が来てくだされば 」
「 わ、私は… 」
アリアが何か言いかけると、その言葉を遮るようにサクサスが言った。
「 あなたが我が国に来ていただけないとなりますと、我が国の時期国王はいないと言うことになります… 」
「 …え? 」
不思議そうに見つめてくるアリアにサクサスは悲しそうな表情で告げた。
「 確かに、本当でしたら時期国王には王の御子息がなるでしょう。ですが、今のミーシュ国の王には御子息ではなく御息女しかおられないのです。姫様は今のアリア様と同じ恩年11歳であられます。16歳になられますとそのまま別の国へと嫁がれる予定ですので、我が国の王はいなくなってしまうのです。そうなると我が国はどうなるのか… 」
「 そ、そんな… 」
アリアが泣きそうな顔で後ずさるとそこにまたサクサスが言葉を添えてきた。
「 アリア様。先ほども言いましたが。すぐに王になっていただきたいわけではありません。アリア様ご自身に王としての自覚が備わってからで構いません。城にいる間に無理だと思われたらすぐにでも家にお返ししても構いません。お願いです。私達と一緒に城へ… 」
アリアはサクサスにそこまで言われ断る事はできなくなってしまった。
「 わ…わか…り…ました… 」
アリアが渋々そう言うと、サクサスは今までの表情がまるで嘘かのように笑顔になり言った。
「 そうですか!ありがとうございますアリア様!それではこのまま今すぐ城へ…! 」
アリアの手を掴んだまま連れて行こうとするサクサスをアリアは止めた。
「 え…あの。荷物は? 」
そう言うアリアにサクサスはまたもや言い忘れという感じに告げてきた。
「 いいえ。何も持って行くものはありません。城の方に既にアリア様のお部屋、お召し物がご用意されております 」
そして、そのまま家の外に出ると家の前には白く所々に金の埋め込まれた美しい馬車が止まっていた。そして、その入口のところでこちらに視線を送りただ立っているだけの青年がいた。先程のセイだった。
アリアとサクサスが家から出てくる所を見つけると、セイはすぐさまアリアの元へ駆け寄り目の前に片膝を付き頭を垂れた。
「 先程はお恥ずかしい所をお見せして申し訳ありませんでした。お許し下さい 」
アリアは一瞬アタフタしたがすぐさま深呼吸を一度し、セイに声をかけた。
「 あ、あの。セ…セイ…さん 」
そこでセイが頭だけを上げ、アリアの見上げ言った。
「 どうか『セイ』…とお呼びください。我らが王よ 」
そう言われアリアは頬を真っ赤に染めながら言った。
「 じ…じゃあ。セイも私のことは『アリア』って呼んで? 」
アリアからそう言われたセイは一瞬驚いたように目を見開いた後サクサスの方に視線を送るとそれを見ていたアリアもサクサスに視線を送った。
サクサスは笑顔でセイに言葉を告げた。
「 アリア様の言葉は絶対です 」
そう言われるとアリアは満面の笑顔を作りセイに言った。
「 セイ!これからもよろしくね! 」
セイはそんなアリアの笑顔を優しく見つめ『よろしくお願い致します』と返した。
そして、アリアはセイの手を借り馬車に乗るとすぐに動き出すのかと思ったがまだ動かなかった。セイは自分の横窓際に腰かけているのにサクサスがまだ外にいるのだ。
不思議になってサクサスに視線を送ると、そこにはどこかを恐ろしい眼差しで見つめているサクサスがいた。
アリアはその時、サクサスがどこを睨んでいるのかわからなかったがセイはそのことを知っていた。睨んでいる者も知っていた。
こんにちは!おひさしぶりの方はお久しぶりです!
最近仕事でご無沙汰しておりましたが…少し空きができましたので新しい作品をかき始めてみました。
なので!今のうちに他の連載中の作品も完結させてこの作品だけでなく新作を2~3個書こうと思います!
応援よろしくです★
さてさて、今回のこの作品ですが女の私的な思考???で作ってみましたw
簡単に言うと「こんな男の子に愛されたい☆」みたいな考えで作りました♪
1話では赤と白の守護者が出ましたが。皆さんわかりましたか?赤の守護者と白の守護者の性格☆
一応私的には赤は超鈍感で主命な真面目君で、白が大人で優しい頼れるお兄さんみたいな感じです。まぁ、1話だけではわかりませんね。
2話からは話も進む予定です。残りの守護者も出てきますしね。
残りの守護者の性格もお楽しみ下さい。