Case.11 ここから始まった
「「いらっしゃいませー」」
瀬・「「尊様、悟様いけません!伯母様です。父上の姉君です。」
「瀬蓮、久しぶりね。尊と悟は初めましてね」
父の姉?
聡・「伯母様、お久しぶりです」
「あら、聡?ちょっと見ないうちに随分男前になったのね。その眼はあの女の遺伝かしら?」
伯母様は母の事を嫌ってる?
「この店を始めたのは、私と弟と瀬蓮の3人でよ?知らないの?」
伯母様に関しては全く知らない。今日初めて会ったし。
「あら、悟の眼も片方はあの女の遺伝なのね。まともなのは尊だけじゃない」
尊・「母を異常かのように仰るのはやめていただきたい」
「異常なんて言ってないわよ?」
伯母様は挙げ足を取るかのように言い放つ。
「この店をあなた方の両親と瀬蓮で切り盛りして、あなた方に継がせて――まあ、悪かったわ」
へっ?
「私もこの店の創始者としてずっとついているべきだったわ」
聡・「今の形態で満足ですから。これ以上関与しないでいただきたい。貴女の目当ては両親の遺産でしょうか?」
「わかっているなら話が早いわ。半分、3分の1でも私には権利があると思うのよ」
瀬蓮が言うには…
瀬・「恐れながら、ご両親の遺言は弁護士立ち会いの元に書かれています。全てをこの子供たちのために。と書かれています」
「瀬蓮がずいぶん大きい顔をするようになったわね。子供達の意向は?」
聡尊悟・「「「両親の意向に沿います」」」
「面白くないわね。また来るわよ。そのくらいいいでしょ?可愛い甥の顔を見に来るんだもの」
尊・「つっかれたー。何なの?あのおばさん」
聡・「れっきとした伯母だ」
悟・「うちの両親の遺産目当てとはね」
瀬・「管理はわたくしがしております故、しっかりとお守りいたします」
聡尊悟・「「「頼みまーす」」」
尊・「今日も働きますか!」
悟・「俺は午前中は学校に行ってくる」
聡尊・「「了解!」」
「「いらっしゃいませー」」
明るい声が今日もこの喫茶店に響く。
瀬蓮は思う。しばらくというよりもうあの女、坊ちゃん方にとっては伯母だけれども来てほしくない。関わらないで欲しい。今更遺産目当てなどの要求のために現れないで欲しい。




