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未来からの伝言「まとめ解説」

作者:

ネタバレになりますので以下の小説を見てから読んでいただけるとわかりやすいです。


未来からの伝言:

https://ncode.syosetu.com/n9910gg/


■ 水嶋祐樹と西浦真美が親しい理由は?


二人の性格および思考は”あまり他人に興味がない”、”一人でいるほうがいい”、”他人に束縛や干渉されたくない”といった共通点がある。そして勤務中の憩いの場となっているのは会社内の休憩室であることも二人の共通点といえる。そういった共通点があることをお互いに知ったことによって意気投合した。そしてお互いに会社の中で本音を話せる唯一の存在になったので親しい関係になった。一話「未来からのメール」において、水嶋祐樹は初めて西浦真美を見た時はあまりにも美人だったのでドキッとしたが恋愛感情は持っていないとのこと。



■ 笹原莉奈と長瀬美歩が遭難していた場所とは?どうして水嶋祐樹はその二人に会うことができたのか?


南側から登ってきた笹原莉奈と長瀬美歩は荒知山の頂上から本来であれば南西の雷岩のほうへ下って行く計画であった。ところが北西側のほうつまり真逆のほうへ下ってしまった。荒知山の北西側には正規の登山ルートなど存在していないのでだだっ広い場所で踏み跡が無くなってしまい3時間ほど彷徨い続けていた。もはや自分達の現在地がわからなくなっていたのだが、山岳知識も無かったために無理矢理登り返すという手段が思い浮かばなかった。一方、水嶋祐樹は夜景撮影のために北西側から最短距離であるバリエーションルート(登山道ではないルート)の尾根を登っていった。そこで道迷いをしている笹原莉奈と長瀬美歩の二人を見つけた。その場所は樹林帯に囲まれていて日没時間であったため、その付近は既に薄暗くなっていたので変に思った水嶋祐樹は「こんばんわ」と声をかけた。



■ 水嶋祐樹は2033年の自分から送られてきたメールの内容をいつ信じるようになったのか?


一話「未来からのメール」において、最初に未来の自分から届いたメールの内容には2018年5月に起こるであろう出来事が三つ書いてあった。まず、二話「社内大騒動」において水嶋祐樹は大きなミスをしたのが、それはスペルミスが原因だったという出来事が的中した。次に第三話「久々の登山そして静養」において高熱を出してしまい食事も喉が通らなくなってしまったが、その原因は喉の腫れで卵雑炊を食べていったことで改善したという出来事も的中した。その段階で水嶋祐樹は2033年からのメールを不気味に思っていたが、病み上がりだったこともあって最後の一つは的中しないと予想していた。ところが、四話「ナイトハイキングでの出会い」において、急遽2018年5月26日の土曜日(5月最後の土曜日)に荒知山をナイトハイキングすることにした。その荒知山の山頂直下で遭難している二人の女性と出会ったのが、そのうちの一人の名前が笹原莉奈であった。つまり一つ目の会社での大きなスペルミス、二つ目の喉の腫れによる高熱と卵雑炊で改善、三つ目の笹原莉奈との出会いの全てが的中していたことに気づいた。特に笹原莉奈という名前まで一致していたこともあって、2033年からのメールを信じざるを得なくなった。



■ 笹原莉奈の元カレとはどういう人物だったのか?


五話「再び未来からのメール」において、笹原莉奈が水嶋祐樹にメールで彼氏と別れた理由について「彼氏の束縛に耐えられなかった」、「山にも行くなと言われました」と書いていた。そのことから元カレの束縛は相当なものだったことがわかる。その点から元カレの性格を心理的に分析してみると、疑い深く、かなり独占欲が強いことがわかる。そして、それは自分に自信がないからと捉えることができる。ところが笹原莉奈としては「干渉されたり、束縛されるのは嫌なんです。自由にさせてほしい」とメールで書いていることから、元カレはそういう人の気持ちを理解できなかった人物であったこともわかる。



■ 2006年8月25日にタイムリープをして片桐杏奈に告白する必要があったのはなぜか?


五話「再び未来からのメール」において、2033年の自分から送られてきたメールに「過去の恋愛を清算する」という項目が書かれていた。それに関しては「お願いベースだ」とのことだったので、それほど重要なことではないと捉えることができる。しかし2033年の水嶋祐樹の意図として、その後の笹原莉奈との関係をスムーズに発展させることにあった。2018年6月の水嶋祐樹は登山のことしか頭になく、恋愛感情というものをすっかり忘れていたからともいえる。ここで「結果は問題ではない。重要なのは告白した後の感情なのだ」と書いていたことがポイントになってくる。つまり、片桐杏奈に告白してフラれることは問題ではなく、重要なのはその後に抱いていた感情を思い出すことなのだ。だからといって片桐杏奈に告白しなかった場合も、世界線は変動することがないので、その先の未来で必ず笹原莉奈に好意を持つことが2033年の水嶋祐樹にはわかっていたのだ。しかし、その場合は過去の出来事に若干のズレが生じる可能性があったので、2033年の水嶋祐樹は史実通り、片桐杏奈に告白してほしいというのが本音であった。今回のストーリーでは、六話「タイムリープ体験」において、水嶋祐樹はタイムリープをして片桐杏奈に告白してフラれてしまうのだが、その先の未来で影響していることがわかる。



■ 笹原莉奈をいきなりロッククライミングに連れていった理由は?


沢登りの訓練のため。五話「再び未来からのメール」において、笹原莉奈はメールで沢登りに興味があると水嶋祐樹に伝えた。それに対して水嶋祐樹は「訓練のために岩登りに行ったほうがいいと思う」というメールを返信していることから、沢登りの訓練としてロッククライミングに連れて行くことになった。そして七話「傷つけた恋そして再会」において、水嶋祐樹は立奥岩でロッククライミングの方法からロープワークやギアなどの扱い方を笹原莉奈に必死に説明している。沢登りをするにはロッククライミングやロープワークの技術は必須なのだ。しかし、水嶋祐樹が水嶋莉奈にちゃんとしたロープワークを教えたのはもっと先の未来である。



■ 人格入れ替わり現象が起こった原因とは?


八話「人格入れ替わり現象」において、水嶋祐樹と西浦真美も全く同じ2006年8月25日の花火大会で好意を抱いていた相手に告白しなかったことを後悔していた。そんな共通体験は天文学的な確率で起こるものなんだろうと想定される。人格入れ替わり現象が起こった時点で、水嶋祐樹は既に片桐杏奈に告白してフラれた後だったが、西浦真美はまだ告白しておらず恋愛感情というものを忘れている状態だった。つまり特殊能力者の二人の共通点にズレが生じたため、人格入れ替わり現象が起こったとされている。



■ 3日間の無限ループ現象が起こった原因とは?


十話「無限ループ現象」において、2018年6月27日から29日の3日間を繰り返していたのだが、そこで重要なポイントとしてカピ言語というものでプログラミングをしなければならなくなったことである。しかし無限ループ現象が起こる前の水嶋祐樹はそのカピ言語を思い出さなければならなかった。無時に6月30日を迎えた時の水嶋祐樹は週末までにはプログラムを完成させる必要があったという焦りから無限ループ現象が起こったと予想していた。しかし、この時の水嶋祐樹の頭の中ではカピ言語でのプログラミングのことで頭がいっぱいだったことを踏まえると、6月29日の段階で6月27日という日にタイムリープのようなことをして繰り返していただけである。ただし、タイムリープとは違って鮮明な記憶はなかったため、これまであった出来事をメモして残していたことで四度目には全てを思い出して無事に無限ループ現象から抜け出したのだ。



■ 笹原莉奈と付き合うのに結婚前提という条件でなければならかった理由とは?


十五話「告白そして新たな出会い」において、夜の海岸で水嶋祐樹がついに告白して付き合ってほしいと言ったのだが、一度目の笹原莉奈の返事は「水嶋さんと普通に付き合うってなんか違う気がするんです」と答えた。ここでポイントとなってくるのは”普通に付き合う”という部分である。笹原莉奈はその3ヵ月前にそれまで付き合っていた彼氏と別れていたこともあり、恋愛関係になったところで同じことを繰り返してしまうのではないかと恐れていた。それは笹原莉奈にとって水嶋祐樹は絶対に失いたくないくらい大きな存在になっていたからである。水嶋祐樹は2033年から送られてきたメールをヒントとして、その気持ちに気づいた。そして「結婚を前提」という条件を出した。笹原莉奈は水嶋祐樹がそんな条件を提示してくるとは思いもしなかったが、そこまで自分のことを真剣に考えてもらって、将来の約束をしてもらえるならということでその条件をのんだ。告白したのは水嶋祐樹だったが、どちらかといえば笹原莉奈のほうが相手を想う気持ちが大きかったといえる。



■ 新垣優こと黒岩優はどうして水嶋祐樹に連絡してきたのか?


これは新垣優こと黒岩優の好奇心旺盛で積極的な性格であったからこそだといえる。黒岩優にとって命の恩人でもありながら、水嶋祐樹のブログ記事を見て”自分と登山の趣味が合う”、”自分もこんな神秘的な場所に行ってみたい”と思ったからこその行動である。しかも水嶋祐樹の近くに住んでいることもあったので”自分も登山仲間になりたい”という願望もあった。十六話「願望感情受信現象Part1」において、いきなり水嶋祐樹に電話をかけていて、一緒に沢登りに行くことにした。



■ 笹原莉奈と黒岩優はどうして仲良しになれたのか?


笹原莉奈と新垣優こと黒岩優は”好奇心旺盛”、”常に刺激を求めている”、”童心に戻って楽しみたい”という共通した性格である。その二人が初めて会って沢登りに行ったことでお互いに「気が合う」と感じたからである。また笹原莉奈は新垣優という芸能人としてではなく、黒岩優を一人の人間として接していたことも仲良しになれた要因といえる。ちなみに十七話「願望感情受信現象Part2」において、水嶋祐樹はそんな二人の性格を知っていたので「莉奈と黒岩さんはきっと仲良くなれると思うから二人ともいろいろ話してね」と言った。



■ 異世界体験の時に2018年9月3日が二度訪れた理由は?


これは2033年の世界線ナンバー8にいた水嶋祐樹が世界線ナンバー5にいる過去の自分のメールにご送信したことにより、時空が歪んでしまいタイムループ現象(同じ日を繰り返す現象)が発生してしまった。正常な2018年9月3日を過ごした後、過去が書き換えられた世界の2018年9月3日を体験することになってしまった。



■ 異世界体験の時に2018年9月4日の水嶋祐樹の感情が2033年の自分に届いたメカニズムは?


これは後に世界線ナンバー11にいる藤堂晃から教えてもらうテレパシー能力が発動して、その大きな感情が時空を超えて2033年の自分に伝わったのだ。本来のテレパシー能力では不可能なことだが、2018年9月4日の水嶋祐樹は精神的にどん底まで追い込まれていたこともあり元の世界に戻りたいという感情が時空の壁を越えたのだ。



■ 池上有希と小松結衣の得意とするデザインの違いは?


十九話「特殊能力者の日常」において、ファミレスで小松結衣は「池上さんはキャラクターやファンシーなデザインが得意なんです。わたしはどちらかといえばパンフレットなんかのビジネスライクなデザインが得意なんです」と発言している。つまり池上有希は可愛らしいデザインを得意とするが、小松結衣はかっちりしたカッコいいデザインをするのが得意なのだ。そのことから同じデザイナーであっても池上有希は直感的な右脳派、小松結衣は理論的な左脳派と捉えることができる。ただし、池上有希のほうがユーザビリティーを考えたデザインができるので、小松結衣より技術レベルは高いとされている。



■ 夢中会議室とはどんな空間?


夢中空間は特殊能力者だけが三次元で眠りについた後で使える会議室である。夢中会議室は立体的でありながら時間という概念がない(時間が止まっている)空間で、他人の願望や夢などが映像として現れることがある。



■ 世界線ナンバー11の藤堂晃はどうして世界線ナンバー5の水嶋祐樹に助けを求めてきたのか?


世界線ナンバー11の藤堂晃は水嶋祐樹、笹原莉奈、西浦真美の三人が無事健全に生きている世界を求めて世界線トラベルをしていた。その三人は関係を持っていて特殊能力者であるということを条件で探していた。そして、その条件に見事一致したのが世界線ナンバー5だったのだ。ただ一つだけ条件を満たしていなかったのは、世界線ナンバー5の水嶋祐樹はトランセンド状態を自由にコントロールできていなかったということだ。



■ 世界線ナンバー11の蒼井菜穂は笹原莉奈の特殊能力を奪ったが、なぜタイムリープができたのか?西浦真美に夢を見させることができた理由は?


笹原莉奈にはタイムリープする特殊能力は持っていないとされているが、本来はその方法を知らないだけで能力そのものは持っている。特に水嶋祐樹はむやみに過去を改変しないほうがいいと思っていたこともあって、笹原莉奈にタイムリープの方法を教えなかった。ところが、世界線ナンバー11の蒼井菜穂は眠る前に過去のことを強くイメージすることでタイムリープすることができることを発見した。自分の父親が過労によって精神異常者となり入院しているのにも関わらず、そんな会社で平然と働いてる西浦真美を憎んだ。世界線ナンバー11の蒼井菜穂はタイムリープをして水嶋祐樹の滑落時に無残な様子を頭に焼きつけた。続いて今度はこっそり西浦真美の家に忍び込んで眠っている時、人格を入れ替えてその水嶋祐樹の無残なシーンを西浦真美の頭に焼きつけた。世界線ナンバー11の西浦真美にとって、その無残なシーンは夢見たと錯覚していたが、どちらにしても精神が崩壊してしまうキッカケとなった。



■ 世界線ナンバー11の西浦真美は精神疾患でまともな意識はなかったが、具体的にどのようにして取り戻したのか?


世界線ナンバー11の西浦真美は脳と体だけ動いていたが、まともな意識はなく話せない状態でいた。十一話「分裂現象」において、世界線ナンバー5の西浦真美はポジティブな自分とネガティブな自分の二つに分裂できる特殊能力を持っていることに気づいた。そこで世界線ナンバー5の水嶋祐樹が考案したのは、世界線ナンバー11の西浦真美の肉体にポジティブな西浦真美の意識を宿してみることを考案した。そうすることで、本来の意識を取り戻すのではないかと考えたのだが確証はなかった。ところが、ポジティブな西浦真美が意識を宿したことによって、世界線ナンバー11の西浦真美の脳に刺激が与えられて意識を取り戻すことができた。ただし、この時点で世界線ナンバー5と11の西浦真美が顔を合わせてしまうとタイムパラドックスのような現象が起こるかもしれないと考えていたため、水嶋祐樹はネガティブな西浦真美に電話をかけて一つに戻るように指示した。



■ 笹原莉奈の両親はどうして同棲生活から始めることを提案したのか?


二十八話「人格乗り移り現象Part2」において、笹原莉奈の母親は「莉奈との将来を考えているなら、まずは一緒に暮らしてみることからはじめてみるのがいいかもしれないわね」と提案したのは、自分達も同棲生活から結婚したからという単純な理由ではなく、本当に二人で生活していくことができるのかという試用期間が必要だと感じたからである。いくら水嶋祐樹や笹原莉奈が「結婚前提でお付き合いしている」と言葉にしたところで、笹原莉奈の両親にとってそれを実証させてほしいという思いがあったからである。



■ 2033年の水嶋祐樹は世界線分岐をさせて笹原莉奈の運命を変えてほしいという指示をもっと早くに伝えられなかったのか?


この指示を出すには次の出来事が史実通りに全て起こっている必要があった。


1.笹原莉奈と出会っていること

2.笹原莉奈と結婚前提で交際をはじめていること

3.新垣優こと黒岩優と出会っていること

4.特殊能力を自由に使えていること

5.水嶋祐樹と笹原莉奈の二人の両親が顔合わせして婚約が成立していること

6.藤堂晃が入社していること


万が一、いずれかの出来事が起こらなかった場合は世界線が変動していることになり、笹原莉奈の運命が変わっていた可能性がある。2033年の水嶋祐樹は、史実通りの出来事が起こった後でないと伝えられなかった。



■ 世界線変動と世界線分岐とは?


2018年11月下旬から笹原莉奈の運命を変えるために世界線を変動させていったのだが、常に2033年から届いた世界線数値を表示するアプリで確認していった。初期の段階で数値は5.12、新しいシステム開発をしないようにしたことで数値は5.14、踏切での電車と乗用車の事故を防いで5.27と変動していった。この時点での水嶋祐樹は整数値が6になることを目指していたが、三十三話「未来改変の開始」において、西浦真美に6や7などの世界線は存在していて目指す数値は6ではないのではないかと指摘されて気づく。その後、世界線変動しても小数値は増えたり減ったりを繰り返していたが、肝心の整数値がなかなか変わらなかった。少しの未来を改変をしたところで世界線に大きな影響はでないということである。そして三十八話「世界線分岐の謎」において、世界線ナンバー11の藤堂晃から「世界線を完全分岐させるためには矛盾が生じる出来事を起こすか、笹原さんの運命を変えてしまうしかない」と教えられる。つまり、整数値を変化させるような世界線分岐をさせたいのであれば、矛盾が生じるような出来事を起こすか運命が起こる出来事を変化させるしかない。そのヒントとして全ての結果には必ずそれを引き起こす原因があるということで、その原因を断つことによって世界線分岐を起こすことができるということであったのだ。



■ 水嶋祐樹が世界線変動させていたのは無駄だったのか?


水嶋祐樹が世界線ナンバー17という新しい世界線に分岐させた最後の手段は、笹原莉奈に関係する出来事を改変させたからであるが、それまでの世界線変動をさせていたのは無駄ではなかった。その笹原莉奈に関係する出来事は、世界線変動をさせたことにより発生した出来事だったからだ。あらゆる世界線変動をしていくことによって、その出来事が起こる世界になった。その出来事を改変させたことがトリガーとなって世界線分岐をしたといえる。もし、世界線変動をしていない状態のままだったら、そんな出来事も起こらず史実通り笹原莉奈の運命は死へと向かっていた。



■ 笹原莉奈が自分の子供はいらないといった理由とは?


笹原莉奈は保育士で保育園に勤務しているので、他人の子供と接している。もちろんそれは子供好きだからなのであるが、自分の子供となると話は変わってくると周囲の人から話を聞いていた。もし自分に子供ができたら、それはとんでもなく愛おしい存在になってしまうだろうし、水嶋祐樹も自分の子供が愛おしくてたまらなくなり狂ってしまうだろう。そう感じていた笹原莉奈は自分達の子供を作るべきではないと思った。それに笹原莉奈と水嶋祐樹は共通して”自由に生きていたい”という願望を持っていたこともあって、子供を作ってしまうとその自由が奪われてしまうと考えた。それに保育士の仕事が勤まらなくなってしまうとも感じていた。そういったあらゆる想定をした結果、笹原莉奈は水嶋祐樹との子供はいらないと判断したのだ。



■ 水嶋祐樹の山岳技術はどの程度のレベルなのか?


この指標を数字で表すのは難しいのだが、水嶋祐樹はどんな難しいバリエーションルートでも読図をしながらルートファインディングを楽しんでいることからレベルの高い判断力を持っている。ロッククライミングは年に一度程度するくらいで、それは沢登りの訓練といっているが、ロープワークやビレイ器具などの扱いはマスターしている。雪山にも慣れておりバックカントリースキーをしていることから難易度でいえば最高ランクに近しい山岳技術レベルを持っているといえる。



■ システムエンジニアとしての水嶋祐樹の技術力はどのくらいのレベル?


基本的に水嶋祐樹は登山のことで頭がいっぱいなのだが、システムエンジニアの仕事はきっちりこなしているのでプロレベルといえる。しかし二十四章「光色感情受信現象Part2」において、アプリケーション事業部で一番の技術者とされている宮ノ下和宏が作った設計書を見た水嶋祐樹は「微妙ですね」、「私ならこの設計書は没にします」と言っており、プログラムを見ただけでプライドの高い性格だと見抜いている。そして水嶋祐樹は宮ノ下和宏にアプリケーションサーバーの自動構築化インストーラーの仕様書を渡して開発を依頼した。ところが宮ノ下和宏が作成した設計書を見た水嶋祐樹は何度かダメ出しをするとともに、児島信二は「あの宮ノ下さんに開発させるのは無理なんじゃないでしょうか?」、「やっぱりあの宮ノ下さんにはシステムプログラムは無理じゃないですか?」と発言していることから、児島信二も相当な技術レベルであることがわかる。システムプログラムはあらゆることを想定して細かい部分まで気を遣わないといけないことから普通のプログラムより難しいのだ。つまり、宮ノ下和宏は一般的なプログラマーであったため、システムプログラムの開発に苦労したのである。最後に水嶋祐樹は「いかに誰が見てもすぐわかるようなシンプルかつ無駄のないプログラムを組めるか、それこそが技術力だと思っています」と言っていることからプログラマーとしての技術レベルも相当高いことがわかる。



■ 藤堂晃と西浦真美の相性はどうなのか?


第三十二話「新しい恋と重要任務」において、藤堂晃は西浦真美が恥ずかしく思う発言を平然としながら連発していることがわかる。この二人は真逆な部分がいくつかあり、お互いに自分がもっていない部分を相手が持っていると感じている。その真逆の部分として、西浦真美は何事においても悲観的で精神的に弱い部分があるのに対して、藤堂晃は何事においても楽観的で精神的に強い部分がある、また、初めてデートしているとき、西浦真美を童心に返したのは藤堂晃である。そんな真逆の二人だからこそ、お互いの欠点を補っていけるので相性は抜群だといえる。



■ 水嶋祐樹と笹原莉奈は偏食家なのか?


二人はともにこってりした豚骨醤油ラーメンが大好きという共通点がある。特に水嶋祐樹の平日の昼食は外食ばかりでピリ辛のカレーやチーズたっぷりのチーズチキンランチなどを食べているのでかなりの偏食家である。それに対して笹原莉奈は保育士ということもあって、栄養バランスを考えた食事をしているので偏食家とはいいきれないが、水嶋祐樹と食の好みは合っていた。食ではないが、二人はビールやお酒が大好きという共通点がある。



■ 饅頭の上に雪をのせて食べると本当に美味しいのか?


四十一話「新しい未来へ」において、標高2450メートルで付近の雪を饅頭の上にのせて食べて「美味しい」と言っているが、これは実際に食べてみると納得できると思う。ただし、不純物の入ったかなり汚れた都会の雪では絶対にしてはならない。アルプスなど標高の高い山で大気汚染物質に影響しない純粋な雪に限るが、それでも雪質などしっかり見極めないといけない。



■ 世界線ナンバー5でも笹原莉奈の運命を変えることができた理由は?


笹原莉奈の運命を変えるために世界線を分岐させた水嶋祐樹が一つだけとらなかった手段は、笹原莉奈の行動を変化させなかったことである。2033年の水嶋祐樹が考えたのは笹原莉奈の運命を変える決定的な出来事を無かったことにして、その日の笹原莉奈の行動を変化させることで世界線分岐は起きないと考えて過去の自分へ指示を出した。それが見事に的中して世界線ナンバー5の笹原莉奈の運命も変えることができたのだ。ただし、それまでの世界線変動のプロセスを経ておく必要はあった。


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