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小椋夏己の見聞録  作者: 小椋夏己
2025年  2月
54/57

劇場版ベルサイユのばら2回目(アニメ)

 劇場版アニメの2回目を見てきました。


 目的は複製原画です。最初の週と2週目では違う原画になっていたので、それが欲しくて行ってきました。1週目はオスカルのドレス姿、2週目はアントワネットとフェルゼンの抱擁シーンです。単に複製だったらそこまで欲しくなったかどうか分からないんですが、どちらも当時の修正やテープ跡、指示のメモみたいなのまでそのまま複製しているのを、


「尊い!」


 と思ってしまったのでどうしても両方欲しくなりました。


 さて、2回目なので白紙から見た1回目とまた違う感想を持ったこと、上映から一週間経ったことでもうちょっとのネタバレっぽいことも許されるかなと思ったことからもうちょっと色々書きたいなと思いました。もしも前回の1回目以上のことを知りたくない方はここで回れ右をよろしくお願いいたします。


 まず思ったのは、こちらも2週目に入って内容が変わってたんですが、映画が始まる前のミニキャラの特典映像についてです。


「別にいいのに」


 これが正直な気持ちです。なんでわざわざああいうのを作ったのか分かりませんが、映画を見る人にマナーについて言ってるような言ってないようなミニドラマをベルばらのミニキャラたちが演じています。1週目はオスカル、2週目はアントワネットがやったことが映画館ではやめましょうみたいな内容です。

 ああいうちびキャラ、私は別にいらないのにと思う方なんですが、まあ好きな方もいらっしゃるんでしょう。でもその5分ほどをあのダイジェスト版作るのなら内容に回してもいいんじゃないかと思う部分もあったというぐらいのことです。本編が充実してたらそういうのもありかなと思ってたかも。


 そして映画本編が始まって思ったのは、


「やっぱ宝塚だわこれは」

 

 でした。


 ミュージカル版と前回書きましたが、その中でもやっぱり宝塚を意識してるというか、リスペクトしてるというか、そういうのを感じます。なのでそういうのを受け入れられる人と受け入れられない人で意見が分かれるのかも知れません。あちらこちらで感想を目にしますが、かなり低評価の見る価値なしの方も結構いらっしゃいました。私も最初に始まった時は呆然としたからなあ。

 

 それからいいところを書いておきたいとも思いました。


「絵がとにかく美しい」


 ベルサイユ宮殿、ドレスのレース、衣装の後ろ姿、部屋の家具、絨毯の模様、食器、隊列を組む兵士たちなど、本当にこまかく描写されていて、ストーリー関係なく見るだけで楽しくなります。私はアニメの制作会社とかについては詳しくないんですが、今回作っているのは「MAPPA」で「進撃の巨人」の海の向こうから最後までを作った会社なので見たことはあります。本当に色々なところが細かく手抜きされずに描写されていて、あれは一見の価値ありですよ。


 スタートした時にはアントワネットとオスカルの二人を中心に話が始まってたと思うんですが、後に二人の道が分かたれて、その結果オスカルがあの道を選んだ後は完全にオスカルにスポットが当たることになります。最初はアントワネットを守ることこそ自分の使命と思ってましたが、女王として生きるアントワネットと同じ道は選べないと。でもその部分はよく描いてたなと思いました。

 

 映画の最後はこれも宝塚の「オスカルとアンドレ編」そのもので終わってしまいます。だったらもう最初から「アントワネットとフェルゼン編」は別に作るとかして、この二人を中心にしたエピソードをもうちょっと入れてほしかったかなあ。そこまで割り切って作った方がすっきりしたかも。

 その後のフランス革命の流れとアントワネットとフェルゼンの最期についてはエンディングの歌の時に絵で触れられるだけ、ドラマで言うところの「ナレ死」扱いなので、そこはやっぱり残念です。あそこまで省くなら、やっぱり主人公はオスカルとアンドレに絞った方が深みが出た気がします。


 エンディングについて、絵がアニメではなくモノクロの一枚絵になるんですが、それを見て、


「進撃の巨人だー」


 と思うような絵柄になってます。あれもいっそアニメ絵でもよかったんじゃないのかなあ。歴史の教科書の挿絵っぽくしてたけど、あそこだけあの絵ってのも違和感がないとは言えないかも。


 それから音楽に感動したという方も多かったんですが、私は原作と宝塚の方なもので、どうしても「愛~それは~甘く~」とか「ばらベ~ルサイ~ユ~」とか「ブロンドの髪~ひるがえし~」と、宝塚の歌にすり替わってしまって、あまり音楽が記憶に残らなかったのはしょうがないかも。

 

 ベルばらの歌というと宝塚と、アニメのオープニングの「ばらはばらは~」の二つが有名ですが、実は私は「ジャニーズ・ジュニア・スペシャル」が歌っていた「う~つくしく~さいた~ばらは~」も残っていて、その3つが強烈過ぎるので今の歌は2回見ただけではやっぱりまだ薄いんでしょうね。エンディングの歌だけは映画が終わってちょっとの間は残ってたんですが、今はもうさっぱりです。うーむ、宝塚強いな、やっぱり。


 あらためて思った良い点とそうではなかった点について書きましたが、それでもやっぱりこれだけは言っておきたい。


「クライマックスのシーンを見るためならもう何回通ってもいいと思う」

 

 ぐらい素晴らしかったです。

 

 あそこからが本領発揮と言ってもいいぐらい。何回も言いますが、テュイルリー宮以降、特にバスティーユのシーンは原作以上に作り込んであって、同じ軍服を着ている者同じフランス人同士が撃ち合って戦う悲劇性もきついなあと思って見てました。


 ということで、総合すると、


「もしも迷ってる方がいらっしゃったらやっぱり一度劇場で見てもらいたいなあ」

 

 という意見は変わりません。


 種類が違う複製原画に釣られて行ってきましたが、私は結構満足してます。本当にまだ何回か行きたい気持ちはありますが、予算や予定の都合で多分今回で終わりです。もっとも、もしもまた欲しい特典が付いたらブロンドの髪じゃなくて意見をひるがえす可能性もあるかもね、とだけ。


 次に見るのはテレビで放送されたらかなあ。今頃は早いから1年もしなくてまた見られるかも知れないから、その時を楽しみに待とうと思います。

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