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小椋夏己の見聞録  作者: 小椋夏己
2024年  7月
49/57

「パリ・オリンピック開会式」(テレビ)半分だけ

 先日の深夜にパリオリンピックが開会しました。テレビ開会式をやってたのは知ってましたが、時差で深夜なのでもちろん見るつもりもなく寝て起きたら終わってたという感じです。


 特にオリンピックに思い入れもないけど、やってたらそれなりに情報も入ってきますし、気になるのをうっかり見たりもあります。そしたら今回、ネットやテレビやなんやかんやでこんな話が入ってきた。


「コンシェジュリーでギロチンにかけられたマリー・アントワネットが出てくる」


 聞いて、


「ええっ、なんじゃそりゃ!」


 と、思いました。


 コンシェジュリーと言えばアントワネットが捕まってた牢獄です。そこで自分の首を持ったアントワネットが出てくるって……

 正直、聞いた時はなんと悪趣味なと思うと同時に、そのへんの感性が全然違うんだろうなとも思いました。それで見る気になったんです。


 今日の朝、ここ数日のあまりの暑さにやられたのか、色々やろうと思ってたことができなさそうなこともあり、レコーダーに自動録画されてるのを見てみました。


 最初は映像から始まったけど、その初っ端になんとジダンが出てきた! サッカーファンならまず知らない人はないけど、やっぱりフランスのスターなんですね。開会式会場を間違えたコメディアンから聖火を受け取り、パリの街の中を走り回って地下鉄に乗るけどなぜかストップ。ジダンを追って来ていた子ども達に聖火を託し、今度は子どもたちがそれを持って走り出す。


 その次もなんというかフランスらしいというか、日本人にはない感覚ですね。なんと骸骨がずらっと並んだ地下墓地! 過去にはパリの街がえらい臭いでどうたらこうたらというその墓地を出してくるなんて。日本だったら隠したいところだぞ。

 その中を流れる川に船がやってきて、まるで「渡し守りのカロン」みたいな人がおいでおいでをして子どもたちを船に乗せる。その川が実際のセーヌ川につながっていて、そこからはリアルで聖火を持って走ったり、その謎の人が持って走ったり行ったり来たり。


 やがて選手団が船で順番にやってきます。まずトップはオリンピック発祥の地ギリシャ。これは毎回のお約束です。次に「難民選手団」ですが、これも最近のお約束ですよね。そして次からはアルファベット順になりますが、そこになんでかドイツがいる。

 ドイツはフランスでは「アルマーニュ」と呼ばれるとかで「A扱い」だそうな。日本では「ドイツだからド扱い」みたいなもんですな、面白い。


 その次はフランスらしくレビューですが、


「レディー・ガガってフランスとなんか関係あったっけ?」


 思わず調べたけど全く関係ないみたい。うーむ、なんでガガなんだか分かりませんが、そういう人を選んでしまうところがなんかすごいな。


 そうやってどんどんと話が進み、フランス革命へ。


「いよいよアントワネットか」


 見ていたらオペラ座の「レ・ミゼラブル」からコンシェルジュリーへ移動し、


「え、窓いっぱいにアントワネット!」


 一人じゃなかった。何人ぐらいいたんだ、あれ。全員が首持って歌ってる。シュールすぎるだろ!


 ネットでも意見が分かれてました。ひどいと言う人とアートだと言う人。その中で面白かったのは、


「オーストリアも参加してるのにやっちゃうところがすごい」


 という意見でした。

 

 アントワネットはオーストリア人なんですよね、ドイツ語読みでは「マリア・アントニオ」となる。だからずっと「オーストリア女」とぼろかす言われてたその人を首チョンパで出すのはやっぱり日本人にはない感性だなあ。日本人だったらあえて気を遣って避けるよ。

 そしてそのコンシェルジュリーから血のようなテープが飛び出し、燃えるような赤い煙が吹き出す。フランスには重要な革命の象徴なんだろうけど、どっちに判断していいものか迷うような演出でした。


 ここまで見てやめようかなと思ったんですが、次のシーンになったら「ポン・ヌフ」の上に細長い棒が立っててその上に長いスカートを履いた女性らしい人がいっぱい並んでゆらゆら揺れてる。


「これは革命で殺された女性の怨念?」


 そう思って見てたら、次のテーマはなんと、


「愛」


 だとか。


 図書館に3人の男女(多分)がいて、愛のテーマの本を探して走り回ってなんとなくいちゃいちゃっぽい雰囲気になって絡みながら最終的には3人で個室に入ってカメラはお断り、みたいなところで終わるという、なんとも意味深なエンディング。そしてリアルでは橋の上、ゆらゆら揺れてる私には怨霊に見える人たちの足元を色んなカップルが走っていく。


 次はまたえらく変わってフランスだかパリだかの警護隊? そういう鼓笛隊が四角四面に音楽を奏でながら進んでいくと、反対側からなんだかキラキラした人の一団が現れたんですが、


「アヤ・ナカムラさんです」


 と紹介された。


「え、日本人?」


 見てたら日本人のかけらもないような女性を中心にした数名が歌って踊るんですが、どういう人か調べてみたら日本とは関係ない方でした。「ナカムラ」は芸名で、アメリカで活躍する日本人俳優「マシ・オカ」の演じた「ヒロ・ナカムラ」から取ったという、なんだかよく分からない命名でした。


 そこまで見てお昼になったもので、半分まで見て今日は終わりです。後半は見るかどうか分かりませんが、なんだか「青塗り男が出てくる」とかまだまだ賛否両論の演出があるとか、それから「A」の時に日本人の感覚ならアントワネットの故郷「オーストリア」より先に出てきそうな「オーストラリア」がいなかったので、あそこがどこにどんな名前で出てくるのかを見たいので、録画を保存しておきました。


 オリンピックは8月11までだそうで、お盆の前には終わるんですね。思ったより短い。開会中に見られたらまた見ようかなと思ってます。

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