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小椋夏己の見聞録  作者: 小椋夏己
2023年  7月
42/55

エジプト(国)・その4

 今回でエジプトについて4回目です。


 今回は少しだけまじめな話をしようと思います。

 いや、ずっと真面目でしたよ?


 あちらこちらの遺跡を見て回って堪能したエジプトの旅だったんですが、その中で気になることがいくつかありました。


 それは、まだまだ手つかずの遺跡がたくさんあり、それらは風化の危機にあるということです。


 ツタンカーメン王墓のように、新たに大発見という遺跡もあるんですが、それほどの価値があると思われていない遺跡は、ほったらかされているのがたくさんありました。


 通りがかったバザールでのこと、ガイドさんが、


「ここも遺跡です」


 と教えてくれた場所、それは普通の壁みたいな感じでした。

 

 壁というのか、一段上にバザールの通り道などがあり、その下、一段低いところから見ると、確かに遺跡のようなものが見えるという感じです。

 

 見えているけど、見るからに朽ちかけている、そんなふうに見えました。

 誰でもその気になったら、そこらへんの壁みたいなところ、削ったり壊したりできるような感じです。

 あえて壊そうとしなくても、経年劣化で見えている彫像とか、すぐにもなくなってしまうだろうな、そんな感じでした。


 そういう時間の経過と共にというだけではなく、


「塩害」


 の影響も大きいのだとも教えてもらいました。


 人が生きるために水を汲みます。そうすると下から上がってきた水に含まれた塩分が土の中に残るらしいのです。

 

 これはスフィンクスやカルナック神殿という有名な遺跡でも起こっていることで、


「ここが塩害です」

 

 と、指し示された場所には横に白く線が走っているんです。


 まずはそういう超有名な遺跡から救わなくてはいけないので、私が見たバザールの遺跡なんて、後回しの後回しでしょうね。それまでに調べて「あまり新しい発見はないから」と発掘が後回しにされている遺跡ですし。


 遺跡を発掘するには予算も人手もかかります。さらに、あのバザールのような場所の遺跡だと、調査する間に立ち退いてもらったり、色々と問題は山積みでしょう。とても全部を発掘できる可能性はなさそうです。


 こういう人類にとって重要な遺跡をできるだけ救うためにも、無意味な争いはやめて、そのエネルギーをこういう方向に使えないものか。いつもそう思って、思うだけ。何も出来ない自分は本当に無力だなと感じています。


 エジプトだけではなく、日本でも戦火で燃えてしまったお城などもありますし、今でも観光客に傷つけられる重要文化財などもあります。全部を守るのはとてもむずかしいことですが、せめてあえて傷付けることだけはなく、できるだけの物を守れたらなと思っています。

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