現れた謎の情報屋
人は生まれながらにして魔力を持っている、そして魔力を持った人は一人一人違う個性を持っているように【ユニーク魔法】というオリジナルの魔法を持っている。
大陸で一番の面積の大きさを持つルーゼニアという国は、ダンジョンが多く現れ、多くの冒険者が他国からも集まった。
そして冒険者には、盾使い、魔法使いなど―—―多種多様な役職がある。
そんな役職の中、一番人気がないのは情報屋であった。
☆☆
ここは、ルーゼニア王国の王都にある大規模なギルド。
そこではクエストの受付や、アイテム、素材の換金など以外にも幅広く行われている。
窓口では、受付嬢がせっせことクエストやダンジョンの受注をしていた。
広場では、白昼堂々と冒険者たちが酒を飲み、宴会のように騒いでいた。
そんな中、ギルドの入り口の扉が開き、藍色コートをはおり、フードを深くかぶった一人の性別不詳の人物が入ってきた。
その人物は飲み食いしている冒険者を一瞥し、受付を行う窓口の隣の換金を行う窓口に向かい歩いた。
「いらっしゃいませ!」
窓口には、受付嬢が立っており可愛らしいあいさつとともにスマイルを振りまいてくる。
「換金を頼みたい。」
その人物は、声変わり前の男子のような中性的な声をしている。
「では、物を確認させてください。」
「あぁ、ダンジョンのマップなんだが。」
そういいながら、フードの人物は右手に収まるほどの小さな機械の中心についている青いビー玉のようなものに触れる。
すると、簡易にまとめられたマップが空中に映し出された。
「以前公開された白亜の塔という場所のマップなんだが―」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
とても可愛らしい受付嬢からあげられた絶叫は、フードの人物の言葉を遮り、どんちゃん騒ぎをしていた他の冒険者たちの視線をこちらに向けた。
「白亜の塔ってたしかS級指定されたダンジョンだったよな…」
「一度もぐった火炎の剣も、情報が出るまであのダンジョンには潜らないって言ってたような。」
「えっ?!あの最強ギルドが?!」
「一人でマッピングしたのか…?あのフード」
「まさか情報屋なのか…?」
その人物は、換金を終えたのか固まっている受付嬢に背を向け歩き始めた。ギルド内はさっきまで騒ぎが嘘のようになくなり、藍色のコートがはためくその後姿を見ている。
すると、固まっていた冒険者の一人が目を見開き叫んだ。
「思い出した!こいつは最近話題になってる情報屋のネディだ!!」
その大声を背に情報屋は、ギルドを後にした。
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