第一話:中間発表
プロローグ
—-中間発表—-
「以上で、発表を終わります」
「お疲れ様でした。では先生方コメントお願い致します。まずは教授から」
「あ〜、全体的によくわからなくて質問が幾つかあるんですが。。まず、今回の研究の新規性はなんですか?」
最初から手厳しいな・・
「えー、、手法自体に新しい部分はなく、あくまで既存モデルのシミュレーションでの性能比較って事なんですが…」
「ですが?」
「…⚫︎⚫︎らの研究とは違った乱数生成法でシミュレーションを行いました。」
「なんで?」
「えっと…」
特に意味はないんだよな・・
「なんでその乱数生成法にしたの?」
「。。。」
「実際の分布を特定してそれに合わせたとかではないんだ?」
「はい」
終わった。。
「あぁそうですか。もういいや、私からは以上です。」
「…」
「他の先生方も質問いいでしょ?もう。次の人お願いします、それでいい?田中先生、」
「あ、、ハイ。そうですね。では次、斎藤さんお願いします。」
「ハイ、東都大学修士2年斎藤がタイトル、NNモデルの説明可能性についての新手法提案で、発表します」
「おぉ〜いいねぇ。」
~~
「オレ、研究向いてないのかな」
たまたま今回の発表が酷かったから、という話ではない。
そもそも、俺は、既存モデルの性能比較がしたくてこの研究室を志望した訳ではなかった。
激しい式展開を繰り広げる研究や統計的新手法を提案することを夢見ていたんだ。
「研究というより、数学かな。」
「異世界転生、、してぇなぁ。」
「院生室から追放された院生、異世界転生して世界最強、、、なんてな(笑)」
どーーーん(隕石が当たる音)
~~
「イテテ、なんだ今の衝撃は?」
辺りを見回すと、なんやら白衣の者たちが見える。
「えーと、、あまりのショックで間違えて生物系の研究棟にでも来てしまったかな?」
どうやら白衣の研究者達は慌てているようだ。
「どうしたんですか?」
「どうやらさっきの衝撃で、スーパーコンピュータが壊れてしまったね、我々の研究に不可欠な仮設検定ができなくなってしまったんだ。」
「スーパーコンピュータで仮設検定、、?えぇと、、T検定とかでは無くて?」
「とんでもない。からかわないでくださいよ!T検定なんて、現在のコンピュータで算出出来ない事くらい知っています。Z検定ですよ、我々が使用するのは。」
え、、ここはもしかして…
「院生室から追放された応用数学徒、異世界転生して世界最強!? 」
第二話に続く