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あなたの月 8月  作者: 渋谷かな
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目覚めて初めて見たものは?

「こつん、こつん。」

 何かが気を失い倒れている葉月の頭を突いている。

「・・・・・・う・・・・・・うう。」

 葉月は目を覚ました。

「こつん、こつん、コン! コン! コン! つん! つく! つん!」

 更に何かが葉月の頭を激しく突く。

「痛い!? 痛いじゃないの!? 何するのよ!?」

 起き上がる葉月。そこで見たものは?

「ニワトリ?」

「コケコッコー!」

 目の前には鶏がいた。

「なぜ!? 鶏が!? ・・・・・・。」

 疑問を抱いて葉月は言葉を失った。

「ごめん。もう一回、寝るわ。」

 そして葉月は二度寝した。

「こつん。こつん。」

 そして再び葉月の頭を突くニワトリ。

「zzz、zzz。」

 何も見なかったことにしたい葉月は狸寝入りを決め込む。

「こつん、こつん、コンコンコンコン!」

 スローで突いても起きないので、激しく突くことにしたニワトリ。

「痛い!? やめろ!? 頭に穴が開くでしょう!?」

 突かれる痛さに耐えきれなくなった葉月は目覚めた。

「コケコッコー!」

 葉月に朝が来た。得意げに鳴くニワトリ。

「それにしても、ここはどこ?」

 周りを見渡しても見覚えのない中世ヨーロッパ風の世界ではなく、古文的な日本の世界だった。

「それに私は葉月。あなたは誰?」

「コケー!」

 ニワトリに話しかける葉月。

「どこからどう見てもニワトリよね!?」

「コケー!」

 だってニワトリだもの。

「おまえの名前がないと呼ぶときに大変よね。なんていう名前にしようかしら?」

 葉月はニワトリの名前を考え始める。

「コケー! って鳴くから、コケコケ! ・・・・・・インパクトに欠けるわね。」

 16才の女子高生といえば、妙な所が気になるお年頃。

「お腹も空いてきたし、何か食べたいな・・・・・・。」

 葉月はお腹ペコペコで死にそうだった。

「おまえ・・・・・・美味しそうね。」

 ニワトリが食べ物に見えてきた葉月。

「コケ!?」

 身の危険を覚えるニワトリ。

「そうだ! お前の名前は、チキンよ!」

 こうしてニワトリの名前はチキンに決まった。

「コケ?」

 複雑な心境のチキン。

「良かったね。チキン。」

「コケー!」

「あなたも自分に名前ができて喜んでいるのね。」

 名前を付けて良かったと思う葉月。

「それでは・・・・・・いただきます!」

 笑顔でチキンを食べようとする葉月。

「こ、こ、こ、コケ!?」

 寝耳に水のチキン。

「タラン?」

 その時、葉月の視界が赤くなった。

「血!? 血が出てる!? ギャアアアアアアー!?」

 チキンに突かれまくった脳みそから血が流れている。

「コケ!?」

 葉月は目を回して気絶してしまった。

「見せてもらおうか? たかが人間の16歳の女子高生に世界が救えるのか、どうかを。」

 その様子を上空から見ている者がいた。

「久しぶりにお家に帰ろうっと。アハッ!」

 真理亜だった。真理亜は空を飛んで去って行った。

 つづく。

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