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匠の消防士  作者: oga
紅と蒼のドラゴンフレイム編
23/25

最終決戦 VS只野

「只野さん!」


 只野は、俺と同じプリ○ュアの剣を手にしている。

只野は、その剣を腰に差したまま、鳥居を潜ってこちらに近づいてきた。


「ダイキ、どうやら俺とお前はサシで決着をつけねーといけない運命らしい」


「その剣、一体どうやって手に入れたんですか?」


「ラノベを50冊買ったんだよ。 したら、女の店員が好きなだけ持ってって下さいって渡されたんだ。 残り5本くらいあったけど、全部福袋に詰めてたぜ」


 なんだそりゃ!

選ばれし者だけが使える聖剣じゃなかったのかよ……

只野は賽銭箱の前までやって来ると、一万円札を取り出し、躊躇うこと無く入れた。

ハゲが思わず、あっ、と叫ぶ。


「勿体ない!」


「っし、勝負だ、ダイキ」


「只野さん…… 分かりました、俺も本気、出します」


 俺は、財布の中身を確認した。

しかし、500円しか残っていない。


「あ、アインシュタインかハゲ、一万貸してくんねーか?」


「ちゃんと返してくれるんですか?」


「たりめーだろ! つか、空気読めよ。 今500円じゃ、でけぇ消火器しか出ないんだぞ。 白けるだろうが」


「……分かりましたよ」


 俺は、アインシュタインから一万円を受け取り、泣く泣く、賽銭箱に入れた。

それを確認し、只野が俺に向き直る。


「大人しく隠居生活してりゃあ良かったのにな」


 みなの視線を感じ、あ、ここ、格好付けて良い場面かな、と俺は思った。

斜め45度の角度で、相手を睨む。

そして、結構前から考えてた決めゼリフを口にした。


「アンタ、前に言ったよな。 後10年で定年まで逃げ切れたって。 へっ、逃げるつもりなんて毛頭ねぇよ。 俺は、肩書きは失っても生涯消防士をやっていくつもりだ。 ここに消防士の心が入ってりゃあ、死ぬまで消防士なんだよ!」


 ドン、と胸に拳を叩く。

アインシュタイン、ハゲが小声でその調子です! と囁く。

只野の剣が赤く光ると、大型のバイクに姿を変えた。

それに跨がり、エンジンを吹かすと、車輪から炎が吹き出す。


「付いてこい、早くしないと街が火の海だぜ」


 俺の剣の方も、青い光に包まれる。

それが同じくバイクに姿を変えると、俺は急いで乗り込み、只野を追った。 


 

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