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第2話 放課後アクシデント

……蓮也です。

昔、Si◯iに『ヘイS◯ri、僕と友達になってくれない?』と言ったら、『こちらは如何でしょうか。』という言葉と共にGo◯gleアシスタントのページを紹介されました。

他社じゃないんですか。

そして結局、AIにたらい回しにされました。

……アレ◯サには、何故か部屋の電気を消されました。

蓮也です、蓮也です……。


──しかし、そんな僕にも、とうとう友達ができた。

なんと驚くべき事に、……2人も!

最初は夢か幻か、狸に化かされたかと思ったけれど、このジンジンと残る頬の痛みがそれを否定してくれた。

何度も何度も抓って、最後には妹に『僕を強く叩いてくれ!』と言ってとても心配させてしまった甲斐もあって、どうやら現実に起きた事象だと認識することが出来た。

この事はきっと今世紀最大のニュースとして新聞に載ってしまうだろう。(載らない)

レジェンド級の伝説として後世に語り継がれる事になって、二年後あたりには教科書にも書かれる事になるだろう。(ならない)


 とにかく今は、自分でも信じられないほどのありえないくらい奇跡的な、僕に友達ができたその過程をお教えしよう!


それではどうぞ。



ある日の放課後、僕は人気の少ない校舎裏に呼び出された。


(手紙に書いてあるように一人で来たけど(いつもそうだなんて言っちゃあいけない)、……これはもしかしてあれかな?)


僕は瞬間的にそれを悟った。


(──しめられるやつかな?友達もいない僕がまぁまぁお金を持っていることを知ったやつにむしり取られるのか?)


そんな不安を抱えながらも念の為に校舎裏へ向かうと、そこには女子生徒が一人待っていた。

え?僕、女子からお金取られるの?

そういえば手紙に書いてあった名前も女子っぽかったような。

何やら緊張してるっぽい。

なんだ?

とりあえず近づいてみる。

こっちにまだ気づいてないみたいだ。声をかけた方がいいのかなぁ?

たしか名前は……


「あの〜すいません。あなたが……千堂(せんどう) 花音(かのん)さんですか?」


「⁉︎、は、はい、そうです。私が千堂花音です」


なぜか変なおじ◯んを思い出した。


「誰だチミはってか」


「⁉︎」


しまった。つい口に出てしまった。


「あぁ、気にしないでください」


「は、はい」


「え〜とそれで……どうかこれで勘弁してくださいませんか?」


五千円札を取り出す。


「⁉︎ な、なんですか⁉︎これは⁉︎」


しまった。額が足りなかったみたいだ。


「すいません、今月は厳しくて……必ず来月には。ですので今はどうかこれで許してください」


今日は五千円札しか持ってきていなかった。帰りに買い物をしようと思って持ってきていたものだ。痛い出費だが、この場を乗り切れるなら安い出費だ。


「いや、今月とか来月とかそういうのはいいので、と、とりあえずお金をしまってください!」


どうやらお金が目的ではなかったみたいだ。

じゃあ一体何が目的なのだろうか?


「え、えと、ちょっとなんで今お金が出てきたのかはわからないんですけど、」


「? それじゃあなんで僕は呼び出されたんですか?あ、僕は十宮蓮也と言います」


「知ってます」


どうやら人違いではないらしい


「そ、それで、今日ここに来てもらったのは、わ、私と……」


私と?


「──t、友達からお願いします!」


………友達?


「い、今、友達って言った?」


僕の耳はその言葉だけは聞き逃さないように出来ている。というか、そうなってしまった。


「?……あ、間違」


「や、やったーー!友達ができたー!」


友達が一人……初めての…人間の友達が…


「え?」


「僕と友達になってくれるの?」


「え、えと、その、」


う、嘘……!? まさか、僕の聞き間違いだったのか………?


「そ、そうか……やっぱり僕には友達は……」

「!と、友達!私たちはもう友達ですよ!」


「ホント?」


「ほ、ホントホント!」


こんなに素晴らしい、満足できることが他にあるもんか!


「あ、あぁ、なんでここで間違っちゃったの……」


千堂が何かぶつぶつ言ってるけど、友達ができて舞い上がっている僕にはなんて言ってるか分からない。




それから少しすると、なぜか急に千堂さんの顔が真っ赤になっていく。


「そ、それじゃあぁぁぁーー!」


千堂さんが走り去っていった。

なんでだろう?

ちゃんと友達にはなれたのかな?

少し不安は残ってるけれど、きっと友達になれたはず!この喜びと手元に残った5千円札を持って買い物へ行こう。


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