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新・雨にぬれる花

作者: みずた まり
掲載日:2017/05/10

五月の終わりごろ、お姉ちゃんとおつかいの帰り道にあじさいをみつけました。

まだきみどり色をしたつぼみで、お姉ちゃんのにぎりこぶしくらいの大きさです。

「まだきみどり色だね。」

「むらさき色の花がさくのかなぁ。」

わたしは、花がさくのが楽しみになりました。



それから、わたしは毎日あじさいに会いに行きました。

学校へ行くとき。

帰るとき。

少しとおまわりをするけれど、会いたかったのです。



六月になって、雨がふる日が多くなりました。

それとともに、あじさいたちもつぼみがふくらみ、花びらも色づき始めました。


みずいろ、

むらかき、

ももいろ…

その花びらは色々な色をまぜてできたようです。


わたしは思い出しました。

図工の時間につくった絵の具の色に少し似ているようだと。



やがて、あじさいは満開にさきました。

わたしのにぎりこぶしは四つ以上の大きさです。


大きくて、でもあざやかな色をしていて、雨にぬれるといっそう美しいです。

「意味はよくしらないけれど、『かれん』っていう言葉がぴったりなんじゃないかしら。」



日ようび。

今日も朝から強い雨がふっています。


わたしは、窓の外をぼんやりとみつめていました。

するとしだいに雨は強くなっていきました。



ドッドッドッドッ。

ダッダッダッダッ。


雨には思えないような恐ろしい音です。



わたしは、心配になって、いそいであじさいのところへ行きました。


夕立はまだ続いています。

でも、花びらは一枚も落ちていません。



雨がやみました。

ポトッ。ポトッ。

葉からわずかにしずくがこぼれ落ちています。

涙みたいに少しずつ。


「つかれたのかな。いたかったのかな。」


それでも、生き生きとさいています。

つかれたようすもありません。

「きっと、夕立の大つぶの雨より強いんだ。」

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