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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
三章 共鳴を始める鼓動達
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第54話 料理

歯が痛くて寝れないからと書いてたらできてしまったので更新します。

 土曜日、お昼過ぎにログインしてギルドハウスに向かうと、メイド服を着たアイリスが私の事を出迎えた。


「おはようございます。創造主」


「おはようアイリス、調子はどう?」


「いたって良好です。むしろ創造主が作った私に不備がある筈ありません」


 その無駄に私への信頼度が高いのは何でなんだろう?


「むしろ創造主はどうなのですか?」


 ここのところ部屋に缶詰だったみたいですけどと、心配をしてくれる。


「大丈夫、比較的調子は良いよ。装備作りの方が忙しくて、アルデバランとドゥーガの調整はできなかったけど、貴女の妹達は昨日完成したから、一段落はしてるし」


 二人の調整と強化はイベントが終わってからじっくりと腰を据えてやろうと思ってるし、身体のコンディションは良好、精神は……まぁ、いつも通りかな。


「まぁ!! 完成したのですか会えますか?」


 もう一つの十三宮が完成したと伝えれば、目を輝かせて私へと詰め寄る。妹が出来た事が嬉しいらしい。

 だけど、そんなアイリスに伝えなくちゃいけないのは少し億劫だ。


「アイリスごめんね。まだ装備が完成してないから無理かな」


 流石に全裸で呼び出す訳にはいかないので、無理だと断ればアイリスは明らかに落ち込んだ様子だったが、でも次には笑顔を浮かべて。


「私会えるのを楽しみにしてますので、絶対会わしてくださいね創造主」


「わかってる」


 絶対、絶対に絶対ですよと念を押してくるアイリスに思わず笑ってしまう。

 余程会いたかったみたい。


「そういえば、お召し物変えたのですね。大変似合っておいでです」


「ありがとう」


 アイリスの言う通り、私の装備はいつものゴスロリ服、アンムーティヒエンゲルじゃなく、昨日出来上がったばかりの装備、少女シリーズに変わっている。

 と言ってもそこまで見た目が変わっている訳じゃないけど、色は依然として赤だし、ゴスロリ服から少し装飾を削って、前縛りタイプのハーフコルセットで腰を細く見せて、胸を強調した感じ、後は頭の装備がヘッドドレスからケープに変わったくらいだろう。

 簡単に言い表すなら、童話等を題材にしたアニメや漫画でヒロイン達が着ているような服とでも思ってもらえればいい。


「とくに赤のケープがとてもお似合いです」


「そう?」


「はい。流石│変態マスターです」


 今ルビが変な気がしたけど、いつもの事だから、私は絶対に突っ込まないからね。


「それにしても、シリーズ装備でしたか? 創造主の装備は何シリーズなんです?」


「私のは少女」


「なんと言うかとても戦闘向けの装備とは思えない名前ですね」


 確かに名前だけみたらそう思うかもしれない。けれど──


「これは私達が作った装備の中でも、攻撃特化の装備だよ」


「名前詐欺じゃないですか。他の方のはどのような装備で?」


「前の六人の装備は知ってるよね?」


「はい。マスターが切り裂き魔、ファラ様が聖女、リオ様が騎士王、ランディ様が三銃士、シャンファ様が仙女、レイヴン様が串刺し公ですよね」


「そう。で今回作ったのは私が少女、ゴードンが鉄人形、ぱるが藁人形、サンゴが魔女、コボルトが破戒僧、スーが月姫だよ」


「全部聞くと、創造主のだけ場違い感がすごいですね」


 確かに、一人だけ一般人が混ざってるような違和感を醸し出している気がしないでもない。


「まぁ、中身が勝負という事で呼び方なんて気にしてたら駄目だよ」


「名は体を表すとも言いますが?」


「単体攻撃特化の装備だよ? 名前や見た目で騙されたら痛い目を見るよ」


「やっぱり詐欺じゃないですか」


 口では非難するような事を言いつつ、クスクスと笑ってるアイリスそれを言ったら、アイリス自身が詐欺だと思うけどね。


「あ、メルちゃん!!」


 ラウンジに着くと聞き慣れた声が私の事を呼ぶ。

 そちらを向けば、包丁を持ったリズがいる。


「ほい。待った」


「ぐぇ!?」


 そのまま私へと抱き着きに来ようとした所を隣に居たランディに襟首を持たれて、とても女性の、それも残念とは言え美人が出してはいけない悲鳴をあげた。


「本当に、残念な変態マスターですね」


 然り気無く私を庇うように前に出ていたアイリスが、やれやれと言った様子で首を振る。

 それでいいのかこの主従と思わなくもないけど、アイリスからは嫌々と言った感じは見えないので、何だかんだリズの事を慕ってはいるようで安心する。


「もう、何するの!?」


「だぁほ、それは俺の台詞だ。包丁を持って出ていこうとするな」


 ラウンジに設置されてる厨房で説教されるリズ。


「正論過ぎる」


「まったくです」


「だ、だってぇ、メルちゃんが」


「だってもくそもない。俺に料理を教えてって、頼んできたのはお前だったと俺は記憶してるんだが?」


「うぅ~」


 大学生が唸って抗議する様を見て、思わず溜め息が出る。


「自分の年を考えろ。それが許されるのは小学生までだ。それとも小学生からやり直してくるか? そうすればもう少しまともな恋愛観を持てるかもしれんぞ?」


 よ、容赦がない口撃だ。


「偏見だ!! 差別はいけないんだよ」


「差別じゃねぇ、区別だ。俺だって同性愛を否定する気はねえが、同性愛者の上にロリコンとくれば、流石に苦言の一つや二つ出てくるからな?」


「ロリコンの何が悪いのさ!!」


「いや、悪いだろ」


「悪いと思われます」


「悪いでしょ」


「な、メルちゃんにアイリスまで!? 二人はどっちの味方なの!?」


「「ランディ」様です」


「なん……だと!?」


 なんで自分の味方をしてもらえると思ってるのか不思議なんだけど、リズは裏切られたかのように後退り、膝から崩れ落ちた。


「別にロリコンなだけじゃないもん。ロリコンでもあるだけだし、美人なら熟女でもいけるし、ロリババアだって」


 だから尚の事悪いってなんで気づけないかな。


「また漫才してるし」


「楽しそうだねランディ」


 私達の後ろから、到着したばかりのシャンファとレイヴンが歩いてくる。


「楽しかぁねぇよ。この堕ギルマス最初は包丁の持ち方すら知らなかったんだぞ?」


 食材を切るときも指を伸ばしたままだし、勢いよく振りかぶるしアニメかと、溜め込んでいたんだろう思いをぶちまけるランディ。

 その度にリズは見えない刃物で貫かれたかのように呻き声をあげる。


「同じ時期に教わり始めたサンサンとファララはもう簡単な物なら作れるようになったって、コボ兄とスー坊が自慢してくるんだが、まだ調理器具の取り扱いの説明してるって言った時の俺の気持ちがお前達二人にわかるか?」


 安請け合いした過去の俺を殴りたくなったんだぞと頭を抱えるランディ。


「まあまあ、それでも着実に良くはなってるんでしょ?」


「ああ、未だに台所に立とうとしないお前達二人よりは遥かにマシだろう」


「うぐ」


「飛び火した」


 今のランディの言葉からわかる通り、コボルトとランディ、男の二人が料理できるのに自分達ができないのは不味いんじゃないかと危機感を覚えたリズ達三人はそれぞれ、スーとコボルト、ランディに師事をしたのが始まりだった。


「何だかんだ言いながらランディ様は面倒見が良いんですよね」


 アイリスがこそっと私に耳打ちをしてくる。


「そうなんだ」


「はい。頼られる時に心なしか嬉しそうですし、マスターはまぁ見た目だけは完璧ですからね。見た目だけは」


 確かにリズは美人だろう。

 赤を基調とした布地に銀糸で縁取りされた膝裏まで届く服は、アニメやゲームでは良くある胸元が大きく開けられていて谷間が自己主張をし、胸を強調するようにアンダーは数本のベルトで留められていて、その下は臍丸出しとセクシー路線で攻めて、下は黒のミニタイトスカートで、動きやすいようサイドにスリットが入れられて物で金糸で刺繍がされている。その上にクロスベルトがされていて、四本の鋏が差されてる。

 白のニーソックスにロングブーツ、二の腕まである黒の腕貫にロングブーツと同色の革手袋。

 頭の装備は二つの髪飾りなので、今は赤く長いその髪を二つに分けて結っている。つまりはツーサイドアップテイルである。

 今は料理中だった為外しているようだけど、服と同色のマフラーをすれば完全装備である。

 前回のイベントの時にリズと約束した私がデザインした装備だ。


 ま、そんなセクシー美人がお願いをしてきたら聞いてしまうのもしょうがない事だと思う。


「むしろ、ランディ様に助けられてマスターが普通の性癖にならないかと、密かに思ってる次第です」


「それは外野がとやかくいう事じゃないし、私達は見守っておこう」


「そうですね。その方が面白い違いました。愉かも違いますね。拗れなさそうですものね」


 うん。言い直した意味があるのかなそれは?

 私が作ったこの魔導人形も中々にいい性格をしているようだった。







「うわ、これは酷い」


 この最近作られた装備を見て、思わず言わずにはいられなかった。

 プレイヤーが作ったアイテムに不備がないかを見るのは私の仕事なんだけど、何人の生産プレイヤーがいると思ってるのか、そんなの逐一見てたら杉崎とイチャイチャできる時間が減ってしまうじゃあないかと、最近はオートプログラムを組んで、出来のいい装備だけ私の所に報告が来るようにしていたんだけど、(出来の悪いアイテムを見るだけ時間の無駄とも言う)私のお気に入りのプレイヤー達がギルドを組んで作り上げた装備を見て私は正直狂ってるとしか思わなかった。


 いや、確かにゲームシステム的にはできる。うん、できるよ。

 でも、意味がわからない。こいつら本当に人間かと疑いすら芽生える。

 ログを見ればまったく問題ない。チートやバグの悪用もなく、純粋に腕前だけでこれらの装備を作り上げた手腕は見事としか言えないけどもだよ。


「時期が悪くない?」


 よりにもよって、大規模PVPイベントの前に完成させるなよと私は声を大にして言いたい。

 このギルド、レゾナンス・ビーツだけで、いったいどれだけの戦力になるというのか、更に頭が痛い事に、レゾナンス・ビーツはアマデウスと同盟関係だ。

 アマデウスもレゾナンス・ビーツとしか同盟を結んでないので、この二つのギルドは必然的に同じ陣営に入れられる事が確定してる。


「うん。無理、ただの蹂躙ゲーになる」


 中でもファラ・ソニエの装備はこのイベントを壊してるとしか言いようがない性能をしてる。


「かといって、一プレイヤーだけ縛りとか不平等はできないし、今回のイベントかなり無理な人数調整が必要そう」


 これから各陣営を決める会議が行われるけど、明日までに間に合えばいいなとしか言えない。


「それもこれも、ギリギリまでプレイヤー達の成果を待とうじゃないかと言った室長が悪い」


 まぁ、メロディア達がギルドを組んだ時点で遅かれ早かれ、こうはなってたと思うけど、また問い合わせが殺到するんだろうし、定型文何個か作っておこう。そうしよう。

 私は作業を再開するとともに、片手間で、定型文作りを始めるのだった。


今回のサブタイは適当過ぎたので、後日変えるかも知れません。


皆さんも歯は大切にしてください。私みたく大丈夫と放置すると後悔します。

私は絶賛後悔中です。

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