表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンドレスフロンティア  作者: 紫音
三章 共鳴を始める鼓動達
59/63

第51話 訪問

 私達がギルドを立ち上げてからゲーム内時間で一週間が経過。

 今私は麦のシュワシュワ亭で少し早めのお昼を摂っている。


「ギルド立ち上げてで忙しいって聞きましたけど、ここに居ていいんですかメルさん?」


 何故か私の前に座って同じくサンドイッチを食べている制服姿のリーザが小首を傾げつつ訊ねてきた。


「それはこっちのセリフ、リーザは仕事中でしょ」


「それでしたら、問題なしです。私今休憩中ですから!!」


 豊かな胸を張ってるけど、胸を張ることじゃないからね。客と一緒に休憩を取る店員が何処にいるのだ。

 言えば此処にいるじゃないですかと笑顔で返ってくるのがわかっているので言わないけど。


「レイヴンから皆さんの装備を作ると聞きましたけど」


 彼氏レイヴン情報か。

 レイヴンとリーザは付き合ってるようだ。この間の話し合いの後気になって訊いたら馴初めから延々と惚気けられた。

 なんでも防衛戦でレイヴンに助けられてから、ずっとアタックし続け、最初は住民と異邦人ということで、断られ続けたようだが、リーザは諦めず、押して、押して、圧して、ついにはレイヴンが陥落したようだ。

 その後、夜の話を聞かされそうになったので、アイアンクローでリーザの口を塞いでおいた。まったく、店の中でなんて話をしようとしたんだか……


「まだギルドハウスができてないからね。皆の装備を作りたくても、場所がなくちゃね」


 私の工房でも作れないことはないけど、他の皆の意見や技術を取り入れるとなると皆で集まらなくちゃいけない、そして道具とかも持ってこいとダメなので、ギルドハウスができてからにしようと話になっている。


 むしろ、今一番忙しいのはコボルトだろう。建物自体は住民の大工さんに頼んでるけど、中の道具、炉や織り機等は道具士であるコボルトが作ることになってるので、今は東奔西走している筈。

 私達の出番はその後になるから今のうちに必要な素材を集めたり、他にやるべき事をやっている。


「じゃあメルさんはこの後どうするんですか?」


「ん、私は師匠の所に顔を出してからゼペットさんの所に行くつもり」


「ガンテツさんの所ですか」


「うん。師匠ほっとくと偏った食生活するから、時折様子を見に行かないとね」


 偏った食生活ならマシで最悪食べてない時もあるから、暇をみて作りおきをして行っている。

 幸いな事に師匠は空間魔法が使えるから、できた物は空間魔法で収納してもらえるので劣化しないから大量に作るのだ。


「さてと、じゃあ私は行くね。ごちそうさま」


「あ、はい。またのご来店お待ちしてます!」




 師匠のお店まで歩けば、プレイヤー達や住人の人達と擦れ違う。

 第三陣が参加したばかりだからか、第一の街は賑わっている感じがする。

 あれ? お昼過ぎなのに師匠のお店から鍛冶の音が聞こえてこない。少し遅めの休憩でもしてるのか、それとも出掛けているのかな?

 お店の扉はしまってるから、やっぱり出掛けているんだろう。まぁいいや、師匠から自由に出入りしろって合鍵貰ってるし、中に入って勝手に作ってメモ紙でも残しておこう。


「あれ? 開いてる。お邪魔します」


「お、メルじゃないかどうした?」


「やぁ、久しぶりだねメル」


 家の中に入って進めば、師匠がいて、ゼペットさんがいた。

 二人の手にはお酒が握られている所から、昼間から酒盛りをしていたんだね。


「師匠、ゼペットさんこんにちは、どうしたじゃないよ。そろそろ作りおきがなくなるだろうと思って作りに来たの」


「お、おぉう。いつも悪いな。つか別にしなくていいんだぞ?」


「やらないと、師匠ろくな物食べないでしょ?」


「いや、そんな事は……ない、ぞ?」


「せめて言い切ってよ」


 そこは勝手知ったる師匠の家、話ながらもエプロンを取り出して着けるとインベントリから食材を出していく。


「それに酒盛りしてるのに、おつまみがそんな貧相じゃ寂しいでしょ。仮に師匠がよくてもゼペットさんもいるんだからね」


 そんないつものやりとりをしていたんだけだ、不意に笑い声が響いた。


「クックック、なんというか、テツまるで奥さんみたく甲斐甲斐しくお世話されてるじゃないか」


「おいおい勘弁してくれ、俺がお縄になっちまうだろうが」


「私が師匠の奥さんだったら、師匠はロリコンのレッテルを貼られるね」


「頼むからマジで勘弁しろや」


「冗談だよ。さて適当に作ってくるから、待っててね」


 さて、手際よくいきますか。


「はい。おつまみの補充、後お台所に作りおき置いといたから、後でしまっておいてね」


「あいよ。助かる」


「ありがとうメル」


 私も椅子に座ってエビチリに手を伸ばす。


「この後ゼペットさんの所に行こうとしてたから、ゼペットさんに会えて良かった」


「おや、私に用事かね?」


「うん。これを見て欲しいのと、知ってる事があったら教えて欲しくて」


 インベントリからイベント報酬の特殊コアを取り出してゼペットさんに手渡せば、ゼペットさんは目を見開いた。


「メル、これを何処で?」


「えーと」


 イベントの報酬ってなんて言えばいいんだろう? とりあえず、わかるように言ってみようか。


「イベントの報酬なんだけど……」


「イベント、ああ、なるほど」


 まさか通じるとは思ってなかった。


「神々の催し物の報酬か。だとすれば今まで見つからなかったのも頷ける」


 なるほど、運営=神様でイベント=催し物って事か。


「なんか凄い事みたいだけど、どういう事?」


「ああ、これはね。遥か昔、歴代でも最高峰とされる人形師、ピノッキが作ったとされる二十六個のコアの一つだね」


 二十六個……報酬画面には十三個しかなかったんだけど、次のイベントか、それともまだ隠し要素があったんだろうか?

 まぁ、何れにせよ。今は二個しかないんだから気にしてもしょうがないか。


「しかし、なるほど、四姫神様達が持っていたとは盲点だったね。他の分野のロストアイテムも四姫神様達が持ってる可能性が高いかな」


「ネクラノミコンとか聖剣とかロストアイテムは沢山あるからな。あり得そうだ」


 コア一つで壮大な話になってきてるんだけど……


「さて、このコアを私の所に持ってきたと言う事は──」


「うん。最高の魔導人形を作りたいから、御指導御鞭撻をお願いします」


 獣型や鎧騎士型の魔導人形は作った事あっても、完全な人型の魔導人形は作った事がないからどうすればいいのかわからない為、再びゼペットさんに師事をする為に来たんだ。


「良いだろう。明日からまた時間がある時に私の工房にきたまえ」


「はい。ありがとうございます!!」


 さて、リズに最高の魔導人形を贈る為に頑張らなくちゃ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ