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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
三章 共鳴を始める鼓動達
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第50話 レゾナンス・ビーツ

やっと一区切りまでいった。

 さて、ぱるがやらかしてくれてから少し経って、今私達はリーザが看板娘をしている喫茶店にいる。

 メンバーは私、リズ、サンゴ、ぱる、ゴードン、スー、シャンファ、レイヴン、ファラ、リオ、それとシャンファが連れてきた男性ランドール・クルーザーの十一人中々の大所帯だ。


「なぁ、シャンファ」


「何?」


「お前なんて場所に俺を連れてきたんだよ」


 席に着いて早々に、ランドールがシャンファへと文句を垂れた。

 文句と言っても怒ってるような感じではなく、疲れたような感じの愚痴に近いかもしれない。

 実際その顔は疲れた表情をしている。そんな覇気のない表情をしていてもイケメンは様になるのだから、世の中は不平等なんだろう。


「こんな有名プレイヤーばかりというか、化物の見本市みたいな場所に俺のような幼気な第三陣を連れてくるんじゃねぇよ」


 化物とは酷い言われようだ。


「科学者のお姉さんと強面のアンちゃん、帽子の兄ちゃんもかなりやるとみたが、隣の百合百合しいお姉さんそこそこヤバイし、特にそこの二人はかなりヤバイ雰囲気出てる」


 私とスーを見て言うランドールだけど、貴方には言われたくないと思う。


「そういう貴方も私達と同じ側だと思うけど?」


「おいおいよしてくれ、それは買い被りってもんだ」


 肩を竦めて頭を振る姿にもわかるけど、この軽口を叩いてる男は私やスーと同じくリアルでの武術経験者だ。それも高位の。


「ランディ」


「何だぁ?」


「お姉さんにある事ない事吹き込んでもいいんだよ?」


「お、おい!?」


「んーランディがお姉さんにバレて不味い事って幾つあったけ?」


 天井を見上げながらわざとらしく指折りをするシャンファと、顔を青くしていくランドール、どうやらここに勝敗は決したようだ。


「ち、わぁった。わぁったよ。俺にできる事なら協力するよ!!」


「ふふ、ランディもお姉さんには敵わないもんな。あ、ありがとうリーザ」


「うるせぇ」


 拗ねたように悪態を突くランドールとそれを笑いながら見るレイヴン、勝ち誇った顔をしてるシャンファ、その仲の良さと会話から察するに三人はリアルでの知り合いらしい。


「まぁ、察してると思うが、俺達はリアルでの知り合いでな。ランドールだランディでもお兄さんでも好きなように呼んでくれ」


 苦笑いを浮かべ自己紹介をするランディが、私達をここに集めた理由を問う。


「そうだねい。単刀直入に言うと、ここにいるメンバーでギルドを作らないって話だぜぃ」


 ギルド、そう聞いて少しだけ眉を寄せてしまうのは、ここ最近の勧誘のせいだろう。


「まぁ、理由は簡単でねぇい。メルちゃん程じゃなくても、俺ちゃん達もギルドの勧誘が来ててねぇい。鬱陶しいのなんの」


「我輩達の事を何も考えてないであるからな」


「それなら勧誘されないようにすればいいじゃないかと思いたってね」


「結果、僕達でギルドを作ればいいじゃないかとなった訳だよ」


「ま、勧誘は零にはならないだろうけどねん。それでも断るのがより楽になるでしょ」


 確かにそうだろうけど、それだけが狙いじゃないだろう。それならば私達六人だけで良い筈なんだから、それなのにシャンファやレイヴン、戦闘を主にするメンバーも誘うという事は……


「成る程な。つまり俺は素材集め係として呼ばれた訳か」


 私と同じ結論に至ったんだろう。ランディが答を述べた。


「端的に言うとそうなるかな」


 私達はあくまでも生産者だ。でも生産をするにも素材がなくちゃできない。

 でも何時でも素材を集めに行ける訳じゃない。となると知り合い等に助けてもらったりする訳だけども、毎回知り合いが手が空いている訳でもない。

 かといて知らないプレイヤーに依頼をするのも面倒だ。その借りに装備を作れと言われるだろう。

 だけど、同じギルドのメンバーなら頼み安いし、何よりメンバーの装備充実をはかるのは当然の事だろう。


「生産組は動かなくても素材が手に入り、俺達戦闘組は最高品質の装備やアイテムが使える。ま利害関係は一致してるし悪くないだろうさ」


「勿論任せきりにするわけじゃないけどね。あたし達も体を動かしたい時もあるし」


「ただ、イベント前とかの追い込み時期に動かなくて済むのは大きなメリットでね」


「私達はその恩恵にフルで預かれるってわけ」


「それでギルドの結成条件がメンバー最低十人と100万ペロンでね」


「で、私達知り合いで戦闘ができて、それでいて性格が問題ない無所属ってなるとランディしかいなかったんだよね」


「オーライだ。完全に理解した。俺は良いとしても、そこの二人が付いてこれてないようだが?」


 そう言ってさっきからフリーズしてるファラとリオの二人に視線が集まる。


「え、えと、その」


「ね、姉さん落ち着いて」


 いや、リオも落ち着けてないからね。


「本当は後一人をどうしようかって話し合いをしようと思ってたんだけどね」


「偶々メルちゃんが二人連れてたからねん。丁度良かったって感じだよん」


「いや、その、俺達で、いいんですか? その始めたばかりだしメロディアさんにダメ出しばかりされるんですけど」


「たとえ身代り効果を期待してたとしても、メルちゃんがあたしのお店に連れてこようとした時点で性格は悪くないだろうし、強いとか弱いとかは関係ないよ」


 リズにはファラを連れていった理由がバレているようだ。


「やりたいか、やりたくないか。何時だって重要なのはそれだけだと僕は思うがね」


「弱いなラ、これから強クなればいいだけだロ」


 今まで出されたサンドイッチを食べる事に夢中だったスーが行儀悪く指を舐めながら言う。


「で、君達はどうしたいのである?」


「お、俺は、俺でいいならギルドに入れてほしいです!!」


「私もお願いします」


 ゴードンの問いに頭を下げる二人、どうやらここにいるメンバー全員がギルドに参加する事になったようだ。


「OK、それならつ……」


「おや、メル嬢とリズ嬢じゃありゃせんか」


 ぱるが次の話に持っていこうしたところで知ってる声が私とリズの事を呼んだ。

 振り向けば錫杖を持ち腰に刀を差した禿頭の男性が笑顔で手を振っている。


「久しぶりコボルト」


「久しぶり」


「久しぶりでさぁ、メル嬢あれから炉の調子はどうでしょうや?」


 以前炉が融解した時に炉を修復というか、強化してくれたプレイヤーだ。黒鉄製の装備を作れるのもこのコボルトのお陰と言える。


「あの時はありがとう。あれから凄く調子がいいよ」


「そいつぁ良かった。調子が悪うなったら連絡してくだせぇ。直しに伺いまさぁ」


「ありがとう……ねぇリズ」


「そうだね」


 相変わらずの早さで私の考えてる事を理解しているようで。


「ねぇ、コボルト、あたし達今ギルドを立ち上げようとしてるんだけど」


「ほう。そいつぁよろしいじゃねぇでしょうや」


「そこでなんだけど、貴方も入らない?」


 と言うよりも入って欲しいと言うのが私達二人の本音だ。


「む。拙を勧誘するとは酔狂なことで、ですがよろしいので? 拙の事を知らない方々は不満に思ったりするでしょうに」


「皆」


「OKだぜぃ」


「メルとリズが推薦するというなら問題ないだろう」


「メル姉とリズが言うナラ」


 他の面々も頷いたり指で丸を作ったりと肯定してくれる。


「問題ないって、だからコボルト一緒にギルドを作らない?」


「随分と皆さんに信用されてる様子で、なら拙もお願いしましょう。拙はコボルト、ふさふさの耳や毛、尻尾はないけども、よろしくしてくだせぇ」


 パァンと自分の頭を叩きながら私の時にもした自己紹介をするコボルトに何人かがツボに入った模様。


「さて、それじゃメンバーはこの十二人って事でOKねん、この紙に名前を書いてくれぃ」


 ぱるがインベントリから出した用紙を回す。私の所に回ってきた時に見たんだけど、リアルでも市役所等で貰えるような感じの作りだった。


「で、次はギルドの名前を決めるんだけど、何か案があるかねぃ?」


「メルちゃんとあたしの蜜月!!」


「却下」


 そもそも蜜月なんてした記憶もする予定もない。


「ふむ。メルと愉快な仲間達」


 いや、サンゴもボケなくていいから、それとなんで私の名前を出すの。


「ヒャッハーズ」


「ない」

「ないわー」

「ないね」

「趣味が悪いと思います」


 まさかのリーザまでに否定されたぱるはあくまでも項垂れてしまった。


「クリエイターズはどうであるか?」


「それだと生産者ダケの感じダロ」


「レジェンダリーとか」

「仲良し団」

「勧誘御断り団」

「暇人ズ」

「覇王の御旗」

「タンジェント」


 色々と名前は出たけどこれといったものはないまま、一時間くらいが過ぎただろうか。

 既に皆疲れた顔をしてコーヒーを飲んだり、サンドイッチを食べたりと休憩中だ。


 それとさっきから気になってたんだけど、レイヴンと私だけやたらとサービスがいい気がするのはなんで?

 リーザはやけにレイヴンのところいくっていうより、隣にいるし、心なしか瞳にハートが見える。


 そんな事を思ってる時だった。今まで黙りを決めていたランディが口を開いた。


「レゾナンス・ビーツなんてどうだ?」


「レゾナンス、ビーツ、共鳴する音?」


「いや、この場合は共鳴する鼓動達だな。鼓動は本来ザ・ハート・ビーツだが、ビーツだけでも意味は伝わるだろう」


 私は凄く良いと思うんだけど、他の皆は……


「それいい!!」

「である」

「僕も良いと思う」


 どうやら満場一致のようだった。

 こうして私達はギルド【レゾナンス・ビーツ】を結成したのだった。


次回は掲示板の予定。

掲示板回は書くのが大変なので少し遅れるかもしれません。

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