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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
二章 過去と悪意あるイベント
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第32話 不穏な影

今回は早く出来ました。

 どうしてこうなったんだろうか?

 今、俺の目の前にはリズを始め、シェスカとテッタが武器を構えて俺を囲まれている。


 念のために弁明するけど、俺は彼女達に何もしていない。

 三人とも笑顔がとても素敵ですね。脅迫的な意味で。


 さて、本題に移ろうか、俺がこの危機的状況に陥ったのは数分前の事だ。

 昨日、メル達六人が隠しクエストを終わらせて帰ってきた。

 その結果を聞いて、俺は大層悔しい思いをした訳だが、うん。話が逸れるからその話は後でにして、今、一緒に行動しているメンバーと話し合い、スキルの出所や、メルのテイムモンスター不死鳥の事をどうするか決めた。


 その後、また様子のおかしくなってるメルと話をしたんだが、アイツは俺に弱味を見せたくないのか、特に何でもないと言ってさっさと寝てしまった。


 そして、朝食を済ませて、個人個人が今日の予定を消化しようと部屋を出ていった時、とても素敵な笑顔を浮かべた(経験上断ったらひどい目を見る笑顔で)リズ達三人に二階へと引っ張られて行き今に至る。


 はい。回想終了っと、俺何もしてないよね。


「それで、俺に何の用だ? 愛のある告白とかじゃないのはわかるけど、呼び出される理由がわからん」


 頼むから、そんなゴミを見るような目で見ないでくれ、俺は変態的趣味は持ち合わせてないんだ。


「はぁ、呼び出したのは、メルちゃんについて聞きたい事があるからだよ」


 鋼製の大剣を肩に担いだまま、リズが口火を切る。

 しかし、メルについてだと?


「まどろっこしいのは嫌いだから率直に聞くけど、あの娘に何があったの?」


「何が、とは?」


 本当に率直な問いだな。惚けた答えを返しはしたが、それすらも想定の範囲内なんだろう。


「陰口みたいで、あまりこんな事は言いたくないけどね。あたしから見て、メルちゃんは酷く歪だ」


 歪、か。そうだろうな。


「あの娘は人の生き死にに敏感過ぎる。明らかに運営が用意した不死鳥の設定に感情移入する程に死に対して思う事があるんだろうね。だけど、その反面敵対者に対してはどこまでも冷酷だ。ゲームとはいえ、躊躇うことなく殺せる程に」


 はぁ、どうしてこう、響の周りにいる女性は響の事になると凶変するのかね。もしかして俺呪われてないか?

 仲間に殺されるのはごめんだしな。取り敢えず武器をおろして貰うか。


「逃げはしないから、取り敢えず武器をしまって座ってくれ」


 それぞれ、大剣、杖、手甲をインベントリへとしまう。って、シェスカの手甲が新しくなってるな。前のこれと言って特徴の無い手甲から、どこか魔王様が着けていそうな禍禍しいもとい、物々しい感じの手甲になってる。

 これ、絶対メルの作品だな。あの肘の針、絶対伸びるんだろうなぁ。


 そんな事を考えている内に三人とも腰を下ろしたのを確認して、ため息を一つ吐く。


「まず、リアルの事を追及するのはマナー違反だって事わかってやってるんだろうな?」


 気分を切り替えて問う。


「ごめん。それはわかってるつもり、あたしは興味本位で聞いてるんじゃ、ないよ」


「私もですわ。でも、あの姿を見てしまいますと知っておいた方が良いと思いましたの」


「時々、メルさん魘されてて、お母さん、真音って何度も言ってるんです」


 今、俺はとても剣呑な光を目に宿しているんだろう。何せ、俺としてもあまり思い出したくない記憶だ。

 日をおうごとに響が痩せていって、少しずつ死に近付いていく姿を見ているしかできなかった。弱さの象徴的な記憶。


 ここまで踏み込んで来たのって葵ぐらいだったんだけど、そういや、あの時は葵の家のカタギじゃない方達に囲まれたんだっけ?

 やっぱ、呪われてるな。うん。


 でも、アイツの行動を見てる限り、リズ達なら知っておいてもらった方が良いのかもしれない。


「はぁ、アイツの事ね。少し長くなるぞ」


 三人が頷くのを確認して、俺は語り出す。響が歪んだ原因を、響が抱えてる闇を、その過去を。





 しかし、ミスリル製の武器でも耐久値の減りが速いなぁ。

 昨日の戦闘で使ったディアボロッソのメンテナンスが今し方終わったところだ。


「しかし、変わった武器なのだな。マスター」


 肩に止まったアウラ(拠点に戻るなり名前をつけろとねだられたので不死鳥につけた名前)が私の作業を見て言った。


「そう?」


「ああ、しかし、これで斬られるのは我でも勘弁願いたいものだ」


「そう、さてと、リズの武器新しくしなきゃ」


 ミスリル製の大剣を完全に壊してしまったリズに新しい武器を作らないと、すでにどんな武器がいいかも聞いてあるし、後は作るだけだ。

 幸いにして、このイベントエリアでもミスリルは採れるらしく。ブレイブが採ってきて渡してくれたのをインベントリから取り出す。


「ミスリルで作るのか?」


「うん。そうだけど?」


「ならば、炉の火を消してくれマスター」


 どうしたんだろう? そう思いつつもアウラの言う通りに火を消す。


「どうするの?」


「こうするのだ」


 アウラが嘴を開き炎を炉へと吐き出す。


「我が炎は魔力が宿っているから、鍛冶をするのに丁度良いだろう」


 炉の中で燃え盛る火を見て、得心がいった。アウラはアウラなりに私の補助をしてくれるらしい。


「火が弱くなったら言ってくれマスター」


「ありがとう。アウラ」


 火の勢いが弱まったらアウラに継ぎ足して貰い、リズ専用の装備を作っていく。


 だけど、リズ本当にこれを使うのかな? 昔、これをもった敵から逃げるゲームがあったらしいけど、そのゲームの敵みたく、時計塔で真っ二つにされないよね?


 ほどなくして武器自体は完成した。次はそれにスキルを付与していく作業だ。


「マスター、これを使うといい」


 アウラが自分の尾を一本抜き私に差し出してくる。


「ありがとう。でも抜いちゃって良いの?」


 立派な尾なんだから大切にした方が良いと思うんだけど……


「問題ない。二、三日もあればまた生えてくる」


「そ、そうなんだ」


 なんだろう。素材を報酬に貰ったリズとゴードンに申し訳ない気がする。

 取り敢えず、まずは武器を完成させちゃおう。


 アウラの尾を使って、初めての素材スキルを付与する。【劫火】ってスキルが付与された。後は要望通りのスキルを付与していき、余ったスロットを私の独断で付与していく。

 よし、完成っと、早速ステータスを確認。




アイテム名 断裁剣・四肢切り

等級 ★10

品質 悪

スロット 28

残りスロット 0


斬撃補正 108

打撃補正 38

刺突補正 88

耐久値 175/175


発動スキル

【劫火】【耐久値減少軽減 Ⅱ】【耐久値上昇 Ⅱ】【人型特攻 Ⅱ】【痛覚強化】【恐怖付与 Ⅰ】


評価

鋏を模した大剣、と言うよりは鋏を大きくして大剣としても使えるようにしたと言うのが正しい武器。

峰はなく、外側も鋭い刃がついている事により、突き刺してから敵を斬る事が可能となっている。

その大鋏な見た目は相手の恐怖心を大いに刺激するだろう。

本当にトラウマ生産する武器を作るのが得意だね。




 うん。やっぱり評価が仕事してないや。

 それにしても、等級の星が色違いなのは、10が最高レベルだからかな? 前例がないからわからないけど、取り敢えず自己ベスト更新っと。

 私は満足だ。


「さてと、やることも終わったし少し出掛けよっかアウラ」


「応」


 炉の火を消して、拠点から出ると太陽は既に沈みかけていた。

 結構集中してたみたい。晩ご飯の事もあるから、少し散歩するだけにしよう。


「お、暴虐姫ヲ見つけたゾ」


 そう思った矢先、少しイントネーションが変な日本語で、とても不愉快な二つ名を呼ばれた。

 そちらを見ると、十五歳程の少女が腕を組んで私を見ている。

 後ろには、二人の男性がいるけどパーティーメンバーかな?


「初めましテダナ暴虐姫、スリーピンはスリーピン、早速だガスリーピント勝負ダ!!」


 なんだか厄介事が舞い込んできたようだった。


書いていて思った事、スキルの痛覚強化とか、クソスキル確定だな。


次も出切る限り早く更新します。

(期待はしないでください。残業なんです)

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