第26話 現状
最近、残業があるうえ難産。
書きたい描写まで辿り着けないorz
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毎日毎日煩い。
私の事は放っておいてほしいのに、何で誰も分かってくれないの?
一昨日も昨日も今日も担任が来て何かを言っている。
どうせ考えてるのは己の保身だろう。なのに心配した素振りで私に近付いてくる。
穢らわしい。汚ならしい。
クラスの皆が心配してる? そんな訳がない。
第一、私がこうなったのはそのクラスの一員のせいでもあるだろうに、よくもぬけぬけと皆がとか言えたものだ。
私にはもう何もない。頑張る意味も、生きる意味も、すべて、ない。
なら私という存在は何の為にある?
私という存在は何の為に生きれば良い?
分からない。分からない。分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない。
大切な存在を失った私に皆鞭を振るう。
生きていれば良いことがある?
なら私が生きていれば私の家族は生き返るのか? そんな事なんてあるわけがない。
生き残った私は運が良かった?
お前は同じ立場でそんな事を言えるのか? なら教師を辞めた方がいい。そんなのは人を導く職につく人間の言葉じゃない。
本当に煩わしい。
でも、それも後少し、日に日に弱っていく自分を実感している。
私は消える事ができる。
あの日からサイレンの音が消えない。あの日からあの言葉が耳から離れない。あの日からあの日からあの日からあの日からあの日からあの日から、ああ煩い。
でも、それも後少し━━は消えるから……
本当に何の嫌がらせだろう?
二日連続で悪夢を見るとか、イベントを辞めろとでも言われてるんだろうか?
起き上がろうとして両サイドから抱き付かれているのに気付いた。
ネコの着ぐるみと、イヌの着ぐるみを着た二人、リズとシェスカだ。
結局、昨日は森を出た所にある黄金の海を刈り尽くして、ホクホク気分で帰って来た。
その後、ブレイブ、クラウド、ぱるぷんてに小麦の製粉を頼み、シェスカ達のパーティーも一緒に夕飯になり、なし崩し的に一緒に拠点で寝る事になった。
二人の拘束を程いて着替える、昨日よりも多目にご飯を用意しないといけない。
既に7時近いし、早めに行動しよう。
下に下りると昨日とは違って誰もいなかった。
まぁ、丁度良かったかもしれない。今の顔は、誰にも見せられない。演技をする必要がなくて助かった。
「……お母さん。……真音。……お父さん」
……いけない。悪い方に思考がいってる。視界が滲む。
分かってる。もういない。帰って来ない。あの日々はもう……
『俺が響ちゃんを━━から』
早く落ち着かなきゃ、余計な心配をかけちゃう。せっかくアイツが楽しみにしてたイベントなんだから、純粋に楽しんでもらいたい。
だって私は、二日とはいえお姉さんだから。
何とか持ち直して朝食を作り終えると、冷めないように蓋をして台所を出ると、ばったりぱるぷんてと会った。
「おお、おはようメルちゃん」
「おはようぱるぷんて」
起きたばかりの筈なのにテンションが高い。私とは真逆だ。
「相変わらずつれないなぁ、ぱるって呼んでくれぃ」
「おはよう、ぱるぷんて」
強調して呼ぶと、ぱるぷんては「いけずだぜぃ」とか言いながらも楽しそうである。訳が分からない。
「お、そうだ。メルちゃん炉借りるぜぃ」
別に私の物じゃないんだから、私に断る必要はないはずなんだけど、それより木工師のぱるぷんてが何で炉を使う必要があるのか?
「私の炉じゃないから好きに使えば良い、それよりも何に使う気?」
「お、気になる? 第三エリアの火染木ってのがあるんだけどさ、火に入れる事で堅くなる性質があるんよ。昨日作ってた杖を焼こうとおもってねぇん」
なるほど、木なのに火で焼く必要がある素材まであるとは思わなかった。
「そうなんだ。そう言えば、ぱるぷんては弓も作るの?」
「モチのロン、でも弓使いなんて少ないから、余り作らないけど、さ」
エンドレスフロンティアはプレイヤースキルが重要視されているゲームだとブレイブやリズは言っている。
ステータスやスキルのレベルを上げただけじゃ簡単に勝てない。
そのスキルを扱うプレイヤーの腕があってこそ意味をなす。
エンドレスフロンティアの中でも、武器三大ハズレスキルと名高いのが【棒】【鎌】【弓】である。
特に弓は不人気の頂点に君臨するとか、某聖杯を求め争う赤い弓兵に憧れ、【剣】【二刀流】【弓】を習得するプレイヤーも多いらしいが、その大半は弓で挫折するらしい。
まず最初にして最大の壁、矢が当たらない。
アシスト機能をつけていてもアシストしてくれるのは照準までであり、矢から手を放す時等に力み照準がズレ、外れるようだ。
次に当たっても余程腕がないと致命傷を狙い難い。
素人がまぐれで当たる事もあるけど、脚や腕等に当たって一矢で倒す事が出来ない。mobに至っては当たっても刺さらず意味をなさない程だ。
最後に同じ遠距離攻撃に魔法があるため。
マギアを使えば敵に向かって飛んでいく。レベルを上げれば範囲攻撃も出来る。
以上の理由から弓は使い難いと言われているそうだ。
「なら、弓を一張作って欲しいんだけど」
魔法を使わない私としては遠距離攻撃の手段として弓は有効な武器だ。
「ん、了解ちん。報酬は俺ちゃんとデートでどぅ?」
快く受けてくれたけど、報酬がデートって……
後ろにいるリズに気付いていて言っているのかな?
ぱるぷんての後ろにいるリズは幽鬼すらかくやと言わんばかりの顔だ。
「メルちゃんとデートが、なんだって?」
リズが後ろから肩に腕を掛けぱるぷんての顔を覗き込む。彼は蛇に睨まれたカエルの如く硬直して、言語にならない言い訳を始めた。
「……はぁ、まったく朝から仲間を殺さなくちゃいけないなんて、あたしでも気が重いよ」
そう言ってる割には声が弾んでるのは私の気のせいなのかな。
「い、いや、リズ、俺ちゃんも本気だった訳じゃ」
「なに? あたしのメルちゃんに遊びで声を掛けたの?」
「いやいや、いつから私はリズのになったの?」
そんな記憶もつもりもない。
「もう、メルちゃん恥ずかしがり屋なんだから、昨日あんなに熱い夜を過ごしたのに」
いや、事実無根だから、寝る前に私の毛皮に入り込もうとしてきたリズを撃退していただけで、疚しい事なんて一切ない。
「取り敢えず、デート以外で報酬は?」
このままだと話が進まないから、助け船を出す事にする。
「おう。報酬はもう貰ってるからいらないぜぃ」
「はい?」
「こんな可愛い娘の手料理が食べられるんだぜぃ、それは報酬と言わず何と言うか、俺ちゃんには分からないんだぜぃ!!」
ゴードンも言っていたけど、ご飯が報酬って可笑しい気がするんだけど。
「その顔は理解してないって顔だぜぃ、なら俺ちゃんが説明するよぉ。まず、イベント中の十日間メルちゃんが食事を作ってくれるけど、それってメルちゃんのイベントの時間を俺達のせいで減らしてるのと変わらんのですよぉ」
「私の分もあるからそこまで気にする事じゃ……」
「ノォー、それじゃダメだよぉ、この十日間で食事は☆6装備より価値のあるものなんだぜぃ!!」
ぱるぷんてがウインドウを開いて操作をしていく。私達にも見えるように回覧モードにしてある。
「メルちゃんが掲示板嫌いなのは知ってるけどねん。でもこれは見て欲しいんよ」
あまり気は進まないけど、意を決してその掲示板を読んでいく。
そこには他プレイヤーの食事事情が書かれていた。
簡潔にまとめると、大半以上のプレイヤーがこの二日間まともな物を口にしていないようだ。
エンドレスフロンティアでは餓死がある。
餓死をしてもデスペナルティは変わらないけど、一つだけ他と違う点がある。
死に戻りしても空腹感は消えないと言う事だ。勿論死に戻ってすぐに餓死をする訳ではないようだけど、一日経つ頃には再度餓死をするらしい。
空腹感に際悩まされたプレイヤーはダメだと分かっていても状態異常が付与される味だけは良い果実を手に取る。
そしてパーティー壊滅を繰り返しているとようだ。
勿論【料理】のスキルを習得したプレイヤーもいるみたいだけど、プレイヤーの腕が低いとかなり不味いらしく、今すぐにでも禁断の果実に手を伸ばしそう等書かれていた。
「これが原状、俺ちゃん達は温かいおまんまにありつけるだけハッピーな部類だって話だねぃ。そんな訳で俺ちゃんは充分にしてもらっている訳なのさぁ」
久しぶりに絶句した。ある意味運営の悪意を甘く見ていたかもしれない。運営は確実に殺しに来てる。
mobの強さは二陣でも対処出来るからそうでもないかと思ってたんだけど、mobじゃなくて生活面で嫌がらせとは厭らしい。
後、掲示板に知ってる名前があったけど、シャンファ負けないで!!
禁断の果実の誘惑に負けちゃダメ!! 方向性は違うけど、同じコンプレックスを持ってる人だし、もしも会えたら何か作ってあげよう、そうしよう。
久しぶりにゲーセンに行き、一二年ぶりにボーダーブレイクをやったけど、仕様が結構変わっていて驚いた。
遊撃兵装色々出来そうで面白そうだね。




