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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
二章 過去と悪意あるイベント
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第23話 イベント初日

今回の話は少し残酷な描写があります。

 転移と言うよりは、いきなり背景が変わったような感じのする現象だったけど、廃れた街の中にいた。

 街が広いのだろう。周囲にはチラホラとプレイヤーの姿が見えるけど、イベント開始前のような鮨詰め状態ではなくなっている。


「さて、これからどうする?」


 リズが音頭をとって話を切り出した。


「ふむ。先ずは十日間の間過ごす為の拠点が必要であるな」


「後、食料も必要だね」


「周囲の調査もするべきだぜぃ」


 ゴードン、サンゴ、ぱるぷんての三人が必要な事を挙げていく。


「だとしたら、チームを分けようか、拠点の確保はゴードンとぱるぷんて、周囲の調査はあたし、食料調達はメルちゃんとサンゴで良いかな? 異議があるなら今のうちに言って」


 特に異議はない。てっきりリズは私と一緒が良いとか言い出すんじゃ無いかと思ってたんだけど、どうやら杞憂だったらしい。

 特に異議が挙がる事もなく、私達は早々に行動を起こしていった。


 第一の街程ある廃都を出ると樹海が広がっていた。

 日の射すことの無い程に生い茂った森の中を私はサンゴと一緒にドゥーガの背に乗って移動している。


「大丈夫サンゴ?」


「ああ、問題ないよメル」


 私の腰に腕を回してしがみつくサンゴに聞くと以外と大丈夫そうだった。私と身長差があるから抱き付いているのも大変だと思ったんだけど……

 サンゴは【騎乗】スキルは持っていない為、【行動制限解除】を 持っている私の背にしがみついてもらった訳だ。


「ドゥーガ、この辺でいいよ」


 あまり廃都から離れすぎても戻るときに面倒になるからそこそこの辺りで食料を探す事にしたのだ。

 ドゥーガの背から降りて、お礼を言ってからドゥーガを還送してインベントリに戻す。

 ブレイブとリズ、シェスカの話だと第三エリアにもドゥーガのようなmobがいなくて、色々と憶測が飛び交っているらしい。その為誰かにドゥーガが見付かると煩く聞かれそうだからしばらくはドゥーガを人前に出したくないのだ。


 ドゥーガを還送してから二人で食べられそうな物を探しているけど、早々に私達は運営の底意地の悪さを目の当たりにした。

 木々に成っている実やを地面に生えている茸のステータスを確認すると、その全てが毒、麻痺、睡眠、石化、衰弱等のバッドステータスが付与される物だった。酷い物になると催淫、超発情、誘惑等が付与される物まである。

 【料理】や【行動制限解除】がないと料理が出来ない、そうなると果実や茸等を食べるしかないだろうに、そのライフラインにこんな罠を仕掛けるなんて発想が汚い。


「果実や茸系はほぼほぼ全滅のようだね」


「そうね」


 見る果実見る茸全て食べられない物ばかり、たまに食べられるようなものがあっても、調理後は美味しいとか、本気で殺しに来てる。

 あ、私は料理出きるからそういう物はしっかりと確保しているよ。


「開始早々から地獄絵図を想像出切る状態とは……いやはや、僕はメルと一緒のパーティーで良かったと本当に思うよ」


 そんな大袈裟な、私以外にも料理の出切る人はいるでしょうに。


「後は肉がほしいね」


 果実や茸ばかりでは味気がない本当は調味料とかあれば良いんだけど……ん?

 ヘンテコな生き物が目に映る。

赤、緑、白、黒、黄等の実? を身体に下げた少し少し大きめな蜥蜴だ。

 見た目は毒々しいけど、ここの運営の底意地の悪さを考えると、案外食べられる物が出てくるかもしれない。

 私とサンゴの索敵で気付けなかったって事は相当【潜伏】のステータスが高いmobなんだろう。見つけ難いのなら今を逃す手はない。

 幸い相手は私達に気付いていないから、肉の為に先制攻撃といこうか。


 インベントリから☆1のミスリルナイフを取り出す。ミスリルの精練過程で出来たあのゴミの山に少し手を加えた物の一つだ。

 投擲用じゃないけど投げられない事はない。狙うは頭、サイドスローで投げたナイフは狙い違わず蜥蜴の頭部に当り、蜥蜴の頭が爆ぜた。

 よし、ちゃんと出来てる。


「お見事、しかしナイフであの威力とは……」


「勿論ちゃんとした絡繰りがあるけどね」


 同じナイフをインベントリから取り出して手渡す。


「なるほど、これは確かに盲点、いや、鍜冶師にしか出来ない荒業だね」


「かなりの下法だけどね。マイナススキルを組み込むとスロット数が増えるから、それを利用した一回ぽっきりの使い捨てナイフね」


 エンドレスフロンティアでは、装備やポーション等のアイテムにはスロット数が存在する。

 スロット数の限り装備はスキルを発動させたり、ポーションなら効果を高めたりと色々な事が出切る。このスロット数は使った素材や作った者のスキルレベル、作品の等級で決まるんだけど、第三エリアの素材から一つだけ増やす方法が出来た。それがマイナススキルだ。

 読んで字の如くデメリット効果を発揮するスキルで、これを装備に組み込むと、スロット数が増えるのだ。

 今、サンゴの手元にあるナイフには【耐久値減少増大 Ⅱ】【耐久値減少増大 Ⅰ】【耐久値低下 Ⅱ】【耐久値低下 Ⅰ】【打撃低下 Ⅰ】【斬撃低下 Ⅰ】これだけのマイナススキルを組み込んで、後は投げナイフようにスロットスキルを組み込んだのがあのナイフだ。

 物自体の等級が低い為、敵に当たってもどれだけの効果があるかは分からなかったけど、どうやら使えない事はなさそうで安心した。


「さて、お肉は出たかな?」


 そうしてドロップ欄を覗き、意味が分からない物が入っていた。


 いや、意味は分かるけど、何で蜥蜴から調味料セットが手に入るのか? それが分からない。


「何故調味料セット?」


「ふむ。メルここを見てくれ」


 サンゴにログの一部を見せられると、思わず力が抜けそうになる。

 ログに書いてあったのは今し方倒した蜥蜴の名称だ。そこにはこう書かれていた。調味竜ちょうみりょうと、旨い事を言ったつもりだろうか? 物凄く苛立ちを覚える名称だ。そもそも竜だったのか……普通にヘンテコな大蜥蜴にしか見えなかった。


「名前のセンスはともかく、イベント専用mobだろうね」


「親父ギャグのような名前だけど貰えた物は有用だし、これはこれで良しとして次に行こうか」


 二人で頷きあって見つけた端からmobを屠っていく。失敗作のナイフがインベントリの欄から無くなる頃には日が暮れ始める時間になっていた。

 これだけ狩れば十分だとサンゴと二人で廃都に戻っていく途中、私達は惨状を目撃する事になった。


 恐らく果実を確認しなかったんだろう。三パーティー程が状態異常にかかって呻き声をあげながら倒れていた。そしてその傍には所在なさげに立っている六人がいる。


 六人はどうしたものかと手に持った武器を振ろうとして止め、振ろうとして止めを繰り返している。

 その様子からある程度状況は分かった。

 あの六人は恐らくPKで、あの三パーティーのどれかをPKしようとしたけど、果実を食べて呻いてるプレイヤー達を見て気持ちが揺らいだんだろう。

 装備から見て恐らくあまりやりこんでない一陣、もしくはニ陣だろう。動けない相手をキルするのはどうなんだろうかと良心の呵責にでも悩まされているのかもしれない。

 私から言わせれば甘いの一言しかない。やると決めたならやればいい、相手が動けず呻いているだけで揺らぐぐらいなら最初からやらなければ良いだけの話だ。


 どうしようか迷っていたPK達の一人が私達を見付けると、そこからの行動は早かった。

 三パーティーを無視して私達の行く手を阻むように立つ。

 どうやら私達を獲物と決めたようだ。すぐに戦闘に移れるようにインベントリから武器を取り出す。柄と鎖に繋がれたバスケットボール二つ分の鉄球、所謂フレイルもしくはモーニングスターと呼ばれる武器だ。鋼製の武器だけど問題ないだろう。


「俺達はPKギルド【ヘルは━━」


 六人の一人が前に出て名乗りを上げようとしたけど、それを遮って頭からモーニングスターで叩き潰し男は地面の汚れとなった。


「え、お、おい、普通は相手の話を聞くだ、ろん」


 狼狽えた一人が文句を言って来たけど、それもサンゴにより最後まで続く事は無かった。

 戦場で何を悠長な事を言っているんだろうか? アニメやマンガじゃあるまいし、敵の、それもPK(おぶつ)の話を聞く必要なんて何処にもない。Gと一緒で見つけ次第殲滅するだけだ。


「……興味ない。邪魔するなら死ね」


 引き戻した鉄球を蹴り次の狙いへと当てる。呆けていた槍使いは鉄球と木に挟まれて圧死した。

 その間にサンゴが投げナイフを投げて残りの三人の脚に当てていた。

 恐らく麻痺薬でも塗っていたんだろう。ナイフが刺さった男達は苦しそうに地面に倒れると痙攣を繰り返している。


「メル、一人は残しておいでくれると助かるよ」


「またやるの?」


 何回かサンゴと狩りに出掛けた事があるけど、サンゴはmobやPKを新薬の披検体にする事が多々ある。どうやら今回も新薬を作ってきたみたい。


「無論だ。PKなら僕も良心が痛まなくてすむからね」


「そう、なら一人以外全部潰しとくから手早く終らせてね」


 動けない相手をいたぶる趣味もないし頭を二つ潰して終了した私は手持ちの薬で動けなかったパーティーの状態異常を回復していく。

 三パーティーはお礼を言うと逃げるように去っていった。ま、しょうがないか、あれじゃあ、ね。


「ふむ。この薬だと麻痺していても痛みが強くなるようだね。それじゃあ次はこれの☆6がどれだけの効果をあげるか試してみようか? なに心配することはないよ。君に試す予定の新薬は後二つだ」


 あれじゃどっちが悪者か分からない。

 サンゴはリアルで薬剤師らしい。なんでエンドレスフロンティアで【調薬】を習得したのか質問した事がある。その時の答えが、「だって、リアルだと危ない薬は作れないだろう?」だった。


 サンゴの新薬実験が終わったのはそれから10分ぐらい経ってからだった。


最近、御都合主義と主人公最強のタグをつけようかと悩んでいます。

仕事が忙しくて書く時間がどんどん減ってるorz

次回の更新もなるたけ早くしたいと思いますが、残業次第になりそうです。

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