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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
第一章 始まりの街のメロディア
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第1話 キャラクターメイク1

 一瞬の暗転後、私はどこか神殿とでも言うべき空間にとても綺麗な女性と居た。

 絢爛と言うべきな長い金髪、とても整ったまるで人形のような顏、私なんかと違って均整の取れた体躯、一言で言うなら完璧、それ以外に言いようがない。


「初めまして、私はナビゲートAI個体名エンドと申します」


 女性、エンドが微笑む。

 ああ、あれだ。大半のいや、七割方の男は一発で落ちてしまうような笑みだ。もしかしたら同性でも落ちる人が出るかも知れない天使の微笑みだ。

 っと、挨拶されたのに無視するのは良くない。


「どうも、初めまして、この度このゲームをする事になった遥響です」


「はい響様、早速登録へ移ってもよろしいでしょうか?」


 え、いや、早速登録って言われても、MMOゲームなんてやった事ないからわからないんだけど?

 取り敢えずわかならいからイエスで。


「うんお願いします」


「はい承りました」


 再度微笑まれ、天使の微笑みだと再実感していると、彼女の周りにSFアニメとかで出てくるようなキーボード、ウインドウのような透けてるやつが出現した。

 それを滑らかに操作、タッチしていくエンド、うん凄い様になってる。


「お待たせしました。では最初にプレイヤー名を決めて下さい」


 あ、成る程、登録ってキャラクター作成の事か。

 プレイヤー名かぁ、どうしようか、うん変に悩んでも仕方ないし、シンプルに行こう。


「えっと、ヒビキで」


「すいません。そのネームは既に使われてまして、使用出来ません」


 なん……ですと、え、重複不可なの? 早い者順? どうしよう。


「え、えっと、それなら、ハルカで」


「すいません。そちらも既に」


 ……どうしよう。下手に凝った名前とかすぐに出てこないんだけど……昔やってたゲームで使用した名前にしよう。


「アル」


「すいません」


「リチャード」


「ごめんなさい」


「ゲンジュロウ」


「女性ですよね? おまけに使われてます」


「ポチ」


「ペット願望でもあるんですか? 使われてます」


「ママ」


「……」


「ヒカル、ホノカ、メリー、アルカ、クララ、アリス」


「全て使われてます……」


 どうしよう。全部使いきっちゃった。おまけにエンドの私を見る目が気の毒な娘を見るような目になってる気がする。

 えっと、えっと、何かないか思い出せ私、無駄に記憶力が良いんだから、こんな時ぐらい役にたって見せろ。

 しゃがみ込み頭を抑えて必死に思いだそうとしていると、ふと思いだした名前があった。本当に本当に初めてのゲームで勇気とやったゲームで使用した名前、これで駄目だったらしょうがないから、元素記号にでもしよう。


「メロディア」


「あぁ、OKです通りましたよ響様‼」


 我が事のように喜んでくれるエンドに、って私の名前が決まらなかったら延々と付き合わされるんだから、それは喜ぶよね。


「ではここからはメロディア様とお呼びしますね。次はメロディア様の脳波を読み取って初期ステータスを作ります」


 えっ、脳波を読み取る? 初期ステータスって既に用意されてるんじゃ?


「このゲーム、エンドレスフロンティアでは初期ステータスはプレイヤーの方毎に違うんですよ」


「えっと顔に出てました?」


「はい。とても可愛らしい困惑顔でした」


 おおう、マジですか。凄く恥ずかしい。


「脳波のスキャン終了しました。初期ステータスを反映しますね」


 私の目の前にウインドウが現れる。そこにはこう書いてあった。




CN メロディア

MP 10/10

ST 50/50

筋力 4

体力 5

器用 5

精神 1


残り経験値 100



 あれ? あまりゲームをやらない私でも知ってる重要なステータスがないんだけど?

 しかも精神が1って確実に悪いよね?


「えっと、これはまた、凄いと言うか、酷いと言うか、メロディア様は鬱病だったりします? もしくは違う精神疾患をお持ちで?」


 精神疾患、それだけで理解した。私の精神が1なのは、何も幼稚園児みたいな精神年齢をしやがってとかディスられてる訳ではなく、私のアレが原因か……

 良くはないけど良かった。精神年齢幼稚園児とか言われたら立ち直れない所だったよ。


「あぁー、似たようなモノは持ってるかな」


「……そうでしたか。良かった。いえ、良くはないですけど、えっととにかくステータスの説明をさせて頂きますね」


 なんとも言えない気不味い空気の中、エンドが気を撮り直したように天使の微笑みを浮かべる。

 だが、先程と比べると明らかに無理をして笑っている感じになっている。


 それを指摘して空気をまた気不味くしてもアレなので、静かにステータスの説明を聞こう。


「まずプレイヤーの方が強化できるステータスは筋力から精神までの四つになります。

 ステータス内容は読んで字の如くですね。なんでステータスが四つしかないのかと思うかもしれませんがコレには訳がありまして、他のゲームにあるような素早さとかは筋力のステータスに含まれてるんです。

 筋力と聞くと一見腕力を思い浮かべると思いますけど、脚力も筋力に入りますよねつまりそう言う事でして、筋力を強化すると力と速度が、体力を強化するとSTと丈夫さが、器用を上げれば手先の器用さや身のこなし方が、精神を強化すればMPと各種バッドステータスのレジスト力が高まります」


「取り敢えず理解したけど、なんでHPがないの?」


「あ、HPがない理由ですか? だって命は一つしかないじゃないですか」


 うわー凄くいい笑顔で言い切られたよ。


「首を切られたのに、HPがあるから生きてますだとリアリティーの欠片もないだろ? って言うのが開発部長の言葉ですね」


 うん。確かにそうだけど、ゲームだよねコレ。


「ですのでこのゲーム、エンドレスフロンティアにはHPが存在しません強いて言うなら、HP1ですかね」


 まさかの残機制!?


「うちの開発は変態ばかりですので、相当シビアに作ってきてますよ。痛覚設定も最大で50%迄しかカット出来ませんし」


 最早ツッコム気すら起きないよ。


「因みに初期ステータスでの最高値は5で最低値は0です。最も0なんて余程の事がない限り出ないですし、メロディア様は相当凄いですよ。相当リアルスペックが高いですね」


 あーまぁ、女にしては力ある方だと思うし、体力もあるかな、器用はそこまであるとは思わないけど、精神は……うん気にするの止めよう。

 あ、MPは魔法を使うのに必要で、STはスタミナの事らしい。STはアーツと言った魔法とは違った技的なモノを使うとの事。


「次はこのステータスに経験値を振って強化してください。尚この場では初回ボーナスとして一律5経験値でステータスを1強化出来ます」


 経験値は100だから、ステータスは20強化出来るのか……

 どうしようかな? 精神が1だしある程度振っていかなきゃ不味いよね、あ、でもわざわざ低いステータスを上げる意味ってない気が、魔法を使わないなら精神ってあまりいらないよね? でもある程度あった方が……

 悩んでも仕方ないこう言う時は思うままに振るのが一番いい。


 そんな訳で私のステータスはこんな風になりました。




CN メロディア

MP 30/30

ST 80/80

筋力 12

体力 8

器用 12

精神 3


残り経験値 0




 うん。凄い脳筋仕様だね。魔法? すっぱり諦めましたけど何か?

 勇気も物理が最強って昔言ってたし無問題、無問題。

 え? ならなんで精神に振ったのかって? 流石に精神1はねぇ、幼稚園児はちょっと……


「それでは、次にスキルの選択に移りますね」


 あ、ステータスに突っ込んではくれないんだ……

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