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エンドレスフロンティア  作者: 紫音
第一章 始まりの街のメロディア
17/63

第14話 違和感

寝落ちの頻度が高まってきてますね。


今回は一話の中で視点変更があります。

「良い調子だ」


 ゼペットさんの指示通りに魔造筋肉を基礎フレームへとつけていく。

 その作業は緻密で根気のいる作業だった。フレームに薄くした筋肉をつけていき、導魔線を巻き込む。またその上から筋肉をつけていき導魔線をその作業を何度も繰り返していく。

 私の作業もようやく終盤に差し掛かったところだ。


「次は動力源と導魔線を繋いで、動力源を魔導人形の中に埋め組む」


 胸部に動力源をいれるのが一般的らしい。


「最後に外枠をくっつけて終了だ」


 この為にリズに作ってもらった毛皮と各部鋼のパーツをつけていって、完成っと、大きな狼型の魔導人形が完成する。


「初めてで、ここまでの魔導人形を作るとはね。いやはや、才能と言うものなのかもしれないね」


「色々と助言をしてくれたからここまでこれたんだから、ゼペットさんのおかげだよ。ありがとうございます」


 魔導人形は私の胸の高さくらいの大きさで、私が乗る事も出来るよう作っている。

 名前が空欄なので、名前を打ち込んでいく。




固有名 ドゥーガ

等級 ☆3

品質 普通


攻撃力 30

防御力 25

耐久値 100/100

スロット 0

主人 メロディア


発動スキル

なし


評価

 メロディアが作り出した狼型の魔導人形、魔導人形はアイテム扱いの為、パーティー枠には含まれない。長く使うとその分思考能力が上がっていく。




「では起動するとしようか」


「ドゥーガ、起動アウェイク!!」


 動かなかったドゥーガの目に力が宿り、身震いをして私の方へすり寄ってくる。私に頭を擦り付けるドゥーガを撫でる。

 毛並みがフワフワだぁ。さすがリズ、良い仕事をする。思わずドゥーガの毛皮に顔埋めて、その毛並みを堪能していると、ポーンっとあの無機質な音が響く。


───────────────

これまでの行動により新しいスキルがアンロックされました。


アンロックされたスキル

魔導人形作成


───────────────

 へぇ、スキルってこんな風に追加されるんだ。それにしても魔導人形作成か。折角教えてもらったのにドゥーガだけっていうのもなんだし、作成に時間は掛かるけど面白かったし、【魔導人形作成】のスキルを修得しようっと。


 ついでにステータスを見ると、わりと経験値が貯まっていたので割り振ってしまう。


「よろしくねドゥーガ」


 私の言葉を理解しているんだろう。ドゥーガは顔を一端離して首肯く。


「これで私に教えられる事はない。後は君が好きなようにやりたまえ。人形作りを続けるもよし、やめてもよし、君の自由だ」


「ゼペットさん、私はまた人形を作るよ」


「そうかい。何かあったら私を訪ねてきなさい。出来る限り力になろう」



information──────────


クエスト ゼペットの人形作りをクリアしました。


評価 B

報酬 3000経験値


発生条件

1 ゼペットの知り合いから紹介される事

2 ゼペットに気に入られる事


達成条件

魔導人形の作成に成功する事


───────────────


 やっぱりクエスト扱いだったんだ。評価はBか、評価は何段階評価何だろう? まぁ、報酬の経験値は嬉しい。

 私にとっては一番の報酬はドゥーガだけどね。でもこのままだとゼペットさんの工房から出れないからドゥーガを一時しまうとしよう。


「ドゥーガ還送」


 ドゥーガが光り包まれて消えると、私の手に狼のエンブレムが刻み込まれた蒼玉現れた。

 リアルに拘って作られたゲームでもこういうところは、比較的ファンタジーなんだよね。

 魔法があるのに何を言ってるのかって話になるけども。


 さて、もういい時間だから御暇して、一回ログアウトしよう。

 土曜日だからってゲームばっかりしている訳にはいかないのだ。

 まぁ、昨日まで学校を休んでた人間の言葉としては説得力がないけどね。まぁ、行きたくなかったものはしょうがない。


「ゼペットさん本当にありがとう。今日はもう帰りますね」


「ああ、いつでも来なさい。私とレーゼは歓迎するよ」


 ゼペットさんに見送られて、そのまま工房に帰ってログアウトをした。





 もう少しでイベントが開始されるリアル時間の12時になる。

 街は既にイベント待ちのプレイヤー達が、思い思いのグループを作って街の各所を守ろうとしている。


「私達はどうしますか?」


「んー、出たとこ勝負でいいんじゃね?」


 メルはログアウトしてるのか、フレンド欄の名前が灰色になってるのを確認して、俺は適当に答えた。


「ボクは門の前に陣取った方が良いんじゃないかって思うんだけど」


「敵が何処から来るのか分かってないので、門だとハズレを引く可能性もありますよ?」


「そっかー、じゃ、中央で待機して、始まったらそこに向かえばいっかぁ~」


 それだと移動が面倒だし、最悪突破されるかもしれない。少し真面目に作戦会議に参加した方がいいかもな。


「西門だ」


「ふぇ?」


「敵がくるのは西だ」


 何で分かるのって顔をしてる二人を置いといて、クラウドに向き合って、軽く行動方針を決めていく。

 クラウドはさすがに一番長くパーティーを組んでるだけあって、とくに聞いてくる事は無かった。


「ここ最近第二の街周辺でmobが少なかったのは知ってるだろ?」


 西門に向かいながら、気になってしょうがないっと顔に書いてあるリリウムの為に説明していく。


「第二の街で聞いてみたところ、mobが少なくなった時考えられるのは指導個体を得たmob達が集まって、街に進行してくるんだと」


「つまり?」


「第二の街周辺からmob達が第一の街まで来るって事ですか?」


「ああ、その証拠に西の方だけmobの数が少なかったし、西の方は隠れる場所も沢山あるからな」


 昨日のインフォを見てからちゃんと情報収集はしてある。


「そうなんだぁ、なら西門にレッツラゴーだね!」


 能天気にオーなんてやってるリリウムは放っておいて、俺は少しの違和感を感じている。

 街の住人が誰一人として慌てていない。それどころか物々しい雰囲気なプレイヤー達を不思議そうに見ているくらいだ。


 このゲームをやって分かってる事が幾つかある。

 それは住人が生きている事だ。役割を与えられたNPCではなく自分で考えて動く存在である。

 四姫の加護がないからっていう設定でポータルは使えないけども物流だって存在しているし、狩人だっている。

 狩人が森に入ればmobが少ない事に気付く筈だ。そうすればmobの進行があるんじゃないかと予測がつく。

 なのに、街は何時もの状態で誰も慌てた様子がないこれはどういった事なのか、世界イベントで起きた事は不可逆、つまり住人が死ねば、そのままと言う事になるだろう。

 彼等からすれば命が掛かっているのに平然としていられるか? 少なくとも俺には無理だ。

 となると、導き出される答えは━━


 丁度よく西門に着き、そして同時にリアルで12時になった。


もうそろそろ一章が終わりになります。

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