格闘技の弊害
今回は……あえて、格闘技をやるとこんなデメリットがあるよ! ということについて書かせていただきます。格闘技人口を増やすという、エッセイの目的を考えると明らかにマイナスではありますが……しかし、この部分を抜きにして格闘技を語るのは間違っていると私は思います。なので……いろいろと書いてしまいますのでよろしく。
前にも書きましたが、組み技を長くやると耳が潰れます。そして打撃を本格的にやると……鼻が曲がってきます。強いパンチを食らって、折れて曲がるケースもありますが、正面から弱いパンチを何度ももらい、鼻の先端が下を向いてしまうケースもあります。打撃系でも耳が潰れることがありますが、それはまれでしょうね。
これは打撃系の経験のある方ならわかっていただけるのでは、と思うのですが……私は人との距離に気を使います。初対面で必要以上に距離を詰めてくる人と会って話したりすると……一定の距離を保とうとしてしまいます。それ以上接近されると……イラッときますね。それも強く。
これはなぜかと言いますと……格闘技において、間合いはとても大事です。特に打撃系の場合は、間合いの取り方一つで勝負が決まることもあります。制空権と言いますか、自分の攻撃は当たるが相手の攻撃は当たらない。あるいは自分は威力のある有効な攻撃を出せるが、相手の攻撃の威力は半減する……間合いの取り方一つで、展開がガラリと変わってしまうのです。ですから、打撃系の格闘技において、間合いは死活問題なのです。そのため、間合いには気を使うわけですね。
その癖が、日常生活においても抜けなかったりしてしまいます。まあ、たいがいの人は適度な距離感を保ってくれますが。しかし……その間合いというか距離を無遠慮に侵してくるタイプの方もいます。そういう方は……ちょっと困りますね。ましてや、初対面でのボディタッチは本当に勘弁してくれ、と思います。私はキャバクラに行ったことはないですが、ああいった店は初対面の女の子のボディタッチが多いと聞きました……嫌ですね。ここまでひどいのは、私だけなのかもしれませんが。これには個人的な性格の部分も大きいのかもしれません。
まあ、私などはまだマシな方でして……道を歩いていて、後ろから肩を叩かれた瞬間に投げ飛ばしてしまった達人の武勇伝などはよく聞きます。これは武術家としては合格でしょうが、社会人としては……完全に失格ですね。やはり、切り替えは上手くできないといけません。
そして私には……小説を書く者としては両刃の剣とも思える癖があります。格闘シーンに関しては、リアルな描写にこだわってしまう、という……作品を読んでいても、格闘シーンがあまりに非現実的過ぎると読む気力をなくしてしまうことがあります。
先日も、あるお気に入りユーザーさんが活動報告にて絶賛していたSF作品を読んでみようと思い立ちました。緻密な戦闘描写を誉めており、また評価も素晴らしく高い作品です。レビューも何本も書かれていました。文字数は多いですが、ひとまず読んでみようと思い読み始めたら……。
序盤にて、少年と大男が格闘してました。そして、格闘技をやっている人間からすれば、あり得ない展開で少年が大男を倒し……この時点で、私は読むのを止めました。
誤解していただきたくないのですが、私はその作品を批判しているのではありません。また、批判する気もありません。リアリティーにこだわって話がつまらなくなるくらいなら、リアリティーなど捨て去るべきでしょう。小説を書く上では、ごく当たり前のことです。むしろ、そんな格闘シーンのリアリティーにこだわっているから……私はいつまでも底辺なのだろうな、とも思いますし。この格闘シーンのリアリティーにこだわってしまうのも、格闘技をやっているがゆえの弊害なのでしょうね。
ただ、一つだけ言わせてもらうと……美少年や美少女がマッチョな大男をいとも簡単に倒す描写は、いい加減飽きられてないんでしょうか……そういったパターンも、過去に何度も読んだ気がするのですが。実際、百キロを超える大男を相手にするのはキツいんですよ……それを大して鍛えてないような女顔の美少年やツンデレの美少女に簡単にやられると、ちょっと悲しくなりますね。それだけはわかって欲しいものです。
某格闘技漫画で「武の神様ってのはケチでしみったれなんだ。あれもこれもどれも……全て差し出す者にしか本物はくれねえよ」というセリフがありましたが、私も武の神様には、いろんな物を差し出しているつもりなんですが……少なくとも、女顔の美少年やツンデレ美少女よりは差し出しているつもりですが。まあ、こんなことを考えるのは私だけなのかもしれませんが。




