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怪我について

 人間、生きていれば怪我は避けられません。これまで生きてきて、一度も怪我をしたことがない……という人は、ひょっとしたらロボットか、はたまた超人である可能性があります。今すぐ、病院にて精密検査を受けてください。その結果、何かが判明するかもしれません。知りたくもないような何かが……。

 冗談はともかくとして、健康診断は受けておいた方がいいでしょう。何か致命的な病を防げるかもしれませんし。


 格闘技をやっていると、必然的に怪我をしやすくなります。特にプロ選手の場合、怪我は仕方ない部分がありますね。プロ選手の練習は、限界まで追い込む時があります。しかし、時として限界を超えてしまい怪我をする……あるいは、試合中に怪我をするといったケースもありますね。不運な偶然が重なるケースもあれば、ついつい無理をしてしまうケースもあるでしょう。


 私自身の経験では、一番多いのが打撲でした。太ももが痣で青くなっているのはしょっちゅうです。また、ボディーを打ち合った結果として肋骨を痛めたこともありました。幸いにも、折れてはいませんでしたが……。

 打撃系ですと、やはり打撲は避けられないですね。特に空手やキックボクシングの場合、相手の太ももを蹴るローキックの打ち合いがあります。このローキックの場合、本気で蹴っても後を引くような深刻なダメージにはならないので(あくまで他の技に比べればですが)、スパーリングでもバチバチ蹴り合ってます。

 そんな訳で、私の太ももや腹は打撲が絶えないですね。もっとも、本気でバチバチ打ち合うのはせいぜい週一回ですが。

 しかし、ヘッドギアを付けてのガチで殴り合うスパーとなると話は別です。これは鼻血が出るは顔に痣が出来るは……試合になるとさらに激しく、ヘッドギアと十六オンスのグローブを装着している状態でも眼窩底骨折という重傷を負うこともあります。

 近ごろではキックボクシング・エクササイズなるものもあり、一般の人が打撃系の格闘技に触れる機会も増えてきましたが……本格的に始めるとなると、打撲くらいは覚悟した方がいいでしょうね。


 これが組み技ともなると、また話は違ってきます。

 私は柔道の経験はありませんが、総合格闘技の練習の一環としてレスリングをやることはあります。レスリングのスパーリングは、たまに相手の額がぶつかってくる事がありますね。レスリングは激しいコンタクト・スポーツであるため、ちょっと気を抜くと、すぐに怪我をします。相手の額だけでなく、肘や膝が当たることもありますね。またタックルの際に首を痛めることもあります。

 それに比べると、ブラジリアン柔術は楽……といっては語弊があるかもしれませんが、少なくともレスリングよりは怪我が少ないような気はします。

 そもそもブラジリアン柔術は、腕力や体格の差を技術でかなりの部分までカバー出来る競技です。また、不利なポジションになったら相手がミスするまで待つ……というのが基本的セオリーだったりします。そのため、レスリングとは違いガンガンやり合うような展開にはなりません。たまに相手の足が顔にぶつかったりはしますが。

 ただ、怖いのは関節技ですね。スパーリング時の注意として、関節技がガッチリ入ったら、すぐにタップ(降参の意思表示として相手の腕などを軽く数回叩きます)するように指導されます。これはとても大事でして……スパーリングの時の関節技は、基本的に最後まで極めません。形に入ったら、あとはゆっくり力を入れます。ある程度分かっている人は、この形に入った段階でタップします。

 ところが、たまにいるんですが……形に入ってもタップしない人もいます。そうなると、技を掛けている側は「こいつ、効いてないのか」と思い、さらに力を入れる訳です。結果、関節が破壊されてしまうこともあるのです。一度、関節が壊れると治るのに時間がかかります。しかも、元のように動かなくなるケースもあります。関節技には、くれぐれも注意して下さい。


 ここまで、怪我について色々と書いてきました。格闘技をやるとなると、怪我を覚悟しなくてはならない部分はあります。

 ただ正直言いますと、基本的に指導員の言うことを守り、また自身も充分に注意して練習していれば、ほとんどの怪我は避けられます。プロを目指しているような人ならいざ知らず、そうでない人は怪我を避けるのは簡単です……無茶をしなければいいのですから。怪我をする覚悟は必要ですが、充分に注意していれば問題ないでしょう。それ以前に、ほとんどのジムや道場では指導員が目を光らせ、怪我をさせないように気を配っていますので。

 あと、これは個人的に思うことですが……格闘技をやっている人の中には「怪我自慢」をする人がいたりします。スパーリングで腕痛めたとか、試合で足痛めたとか……寝てない自慢や苦労自慢と同レベルでしょうね。

 プロもしくはプロ志望やオリンピックなどを目指している選手、あるいは武道家が怪我をするのは仕方ない部分もありますが、一般人の格闘技好きが格闘技で怪我をしたのを自慢するのは、はっきり言ってあまり感心できないですね。そんな事を言えば言うほど、一般人の格闘技に対する敷居が高くなることが分かっていないのでしょうか。

 それに全くの初心者ならともかく、ある程度のキャリアがあるのに何度も怪我をしているような人は、学習能力がないと見なされても仕方ないでしょう。

 怪我をしない事も、上手さのうちです。怪我の多さを自慢している人は、自身の技量の低さを吹聴して回るのと同じです。私のように太ももに痣が絶えない者は、ローキックの防御が出来ていない……つまりは下手くそだという事です。






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