いつやるんだって!
どうも、赤井錠之介……と名乗り、こちらで小説を書かせていただいている者です。
知っている方もいるかもしれませんが、私はかつて空手と骨法(格闘技です)を合わせて半年ほど修行し、その後もウエイトトレーニングを続け、おっさんと呼ばれる年齢になってから、友人に誘われて総合格闘技を始めました。今年で五年になります。試合もアマチュアですが、二度出ました。去年も出るはずでしたが、さまざまな事情でキャンセルになり、若干ふて気味だった頃に、こちらの『小説家になろう』を知りました。やがて自分でも書いてみるようになり、四ヶ月ほど経ちます。
こちらには、本物の武道家の方や、私などより格闘技経験のある方もいらっしゃいます。そんな方々の目に、私のような者の書いた格闘技論や格闘技日記を触れさせるのは恥ずかしいですが、それでも、格闘技の魅力を少しでも多くの人に理解していただきたいと思うので、勇気を振り絞って書かせていただきます。
今回は、私がこの連載を開始するきっかけとなった、ある話からさせていただきます。
先日、パラエストラというジムに所属している、トレーナー兼プロ選手の方とお話しする機会があったのですが、こんな話を聞きました。
「ウチのジムから、五十三歳の人が総合の試合に出るんですよ」
よくよく聞いてみると、この五十三歳の人は、五十歳にして初めてジムの門を叩き(格闘技経験0)、自分のペースでコツコツと練習を続け、そして五十三歳にして総合格闘技の試合にでるまでになったのです。凄いですよね。
ですから、格闘技に少しでも興味のある皆さん、今こそ始めませんか?
特に十代二十代の方には是非! いや、三十代四十代の方も是非やりましょう! 五十三歳の人に先を越されていいんですか?
……どうも、失礼しました。私の今のオススメは、柔術です……と言いたいのですが、私がやっているのは総合格闘技のため、道着ありの柔術とは異なる部分が多くあります。そのため、ここでは、その触りの部分だけを。
柔術の魅力はと言えば、まず、老若男女誰もができることです。
そして、技術の部分が大きいことです。ベンチプレスで百キロを軽々挙げる男が、女性の三角絞めで一本を取られる光景など、珍しいことではありません。
さらに、打撃系と違い、「相手を破壊する、もしくは相手に破壊される」というストレス無しにできる、という点は大きいです。
打撃系の格闘技をやっていた方はまず誰もが経験あると思いますが、例を挙げると……。
軽いマススパー……のはずなのに、本気で打ってくる奴。
圧倒的な実力差があるのに(向こうが強い)、バッチンバッチン強く当ててくる奴。
鼻を叩く奴。
むきになる奴。
……などなど、打撃系には必ずいます、こういう人が。
まあ、慣れてしまえばどうということもないですが……きついですよね、いきなりこういう目に遭ったりすると。
その点、柔術などの組み技系にはこのようなストレスはありません。
さらにもう一点、柔術は想像力も要求されます。いろんな関節技の組み合わせや、絞め技をかけるパターンなどは実に様々です。色々なシーンを想像して小説を書いている皆さんには、正にうってつけだと思います。
現在、組み技を主体とする格闘技は『グラップリング』という名で呼ばれ、競技人口も少しずつではありますが、増えてきてはいます。大会も、各地で行われています。ちなみに私は『アブダビ・コンバット』という組み技系格闘技の最高峰の大会……の予選に出るつもりでしたが、同じジムの人に先を越されました……あと余談ですが、『グラップラー』とは本来、組み技を得意とする格闘家に与えられる称号のはずなのですが、刃〇のせいか、格闘家=グラップラー、プロレスラー=グラップラーとごっちゃにしている人も多いような……刃〇の功罪についてはいずれ書くかもしれません。
しかし、「男同士で抱き合って上になったり下になったり、気色悪いんじゃボケ!」という方もいらっしゃることでしょう。そういう方は……やはり打撃でしょうね。
打撃系は、スタイルで決めるのもいいんじゃないかと思います。
真っ白な空手着、そして独特の決めポーズや、『押忍』の精神に惹かれるものを感じたならば空手、リングの上で、拳のみを武器に闘う姿に魅力を感じるならボクシング、さらに同じリングの上でも、蹴りや肘、膝なども使用するスタイルに惹かれるならキックボクシング……といった感じで選ぶのがいいかと。
まあ正直言うと、格闘技に興味のある人間が実際に始めるとなると、その七割ほどが打撃系を選ぶと思います。それに……打撃系の魅力に関しては、私などがいちいち書く必要はないとも思います。なので、打撃系に関してはこのくらいにしておきます。
いろいろ書きましたが、とにかく一度、道場なりジムなりの門を叩いて見ましょう。そして、週一回でいいので通ってみましょう。小説を書く上でも、格闘技の経験はプラスにこそなれマイナスにはならないです。さらに、小説を書いて生じるストレスを格闘技で発散させることもできます。もちろん、その逆も可能です。
最後に、読んでいるあなたの心を氷の世界に変えてしまうかもしれませんが、やっちゃいます。
「いつやるの?」
「今しかないって!!」
越中詩郎でした……。
もし格闘技を始めよう……という気になったなら、六曜さんの『ヘタレ武術修行者の日々』、馨さんの『アラサー独身OL馨の日常(スポーツ編)の二作品もオススメです。両作品とも、ためになる「道場・ジムあるある」が載っています。合わせて読むことを私は推奨します。