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プロローグ

瞳に宿るは紅の剣。


抜けば、一撃必殺の剣。代償は己の魂。使うごとに魂は削られ、死後は邪神に囚われる。


これは、右目に剣を宿した俺の物語。


きっかけは何だったか。もう忘れてしまった。気がついた時には死んでしまっていた。そして死んだ後、俺は邪神とやらに、呪いをかけられた。それが、この瞳。右目に宿った最強の剣。中2臭いってか。まあ、そう言わないでくれ。俺も結構気にしてるんだ。


で、俺が現在何をしているか。


邪神教団の一つをぶっ潰しているところだ。


「や、やめてくれ。悪かった。もう関わらない」


「人の眼球を抉り出そうとしたくせに、何を言ってるんだ?」


ここは邪神教団の教会。そして、目の前にいるのは神父。冒涜的なのは、仕方ないだろ。殺されそうになったんだから。


俺は倒れる神父の前に立っている。腰を曲げて前かがみで見下ろすと、神父の肩が大げさに跳ねた。

 

「なあ、神父サマ。こういう時は神様に祈るのが正解だよな?」


「ヒッ」


神父は床に倒れた状態で後ずさる。彼の後ろには大きな邪神の像。ドラゴンのような翼が生えた男性の像だ。短い髪に貴族みたいなフリルの付いたコート。俺が会った時と同じ姿だ。


「祈らないのか?」


俺は神父に笑顔を見せる。ほら、笑顔は大事だろ?

いや、別に怒ってはいないぞ。せっかく気持ちよく寝てたのに、殺気で起こされたからって、怒らないさ。


「お、お慈悲を……」


神父は体を震わせながら、俺に手を伸ばす。俺は剣を振り上げた。


「俺を殺そうとするやつに、慈悲なんてないな」


「ま、待て!」


「邪神サマによろしくな」


そう言って俺は、容赦なく切り捨てた。ああ、もちろん普通の剣を使っているぞ。右目の剣、あれは使うごとに魂が削られる。そして、魂が全て削られた時、俺の魂はあの邪神の物になる。


「塵も残さず燃えろ」


俺は建物に火を放つ。あーあ。これでこの村にも居られなくなったな。せっかく良い所だと思ったんだが。


俺は邪神教団に右目を狙われている。理由は簡単だ。あの邪神が俺に信者達をけしかけてくるからだ。俺の右目を使わせるためにな。普通に魂を奪っても楽しくないんだとさ。クソ迷惑な話だ。


お陰様で俺はこうして、邪神教団を潰して回る羽目になっている。だが、文句を言っても仕方ない。


満月に照らされながら、燃える教会を見つめる。少し、焦げ臭いな。どれだけ嗅いでも慣れない。


さて、次は大きい国でも目指すか。


目指すはそうだな。ここから近い国。


太陽の国、サンテス王国にでもするか。

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