転生したら最弱スキルだったが、世界の秘密を一人だけ覚えていた
役に立たないスキルの話です。
戦えません。魔法も使えません。覚えているだけです。
ただ、この世界では、覚えていることが——もしかしたら、何かかもしれません。
お時間があれば、最後までお付き合いください。
死んだのは、通勤途中だった。
駅の階段を降りていた。前の人が転んだ。巻き込まれた。頭を打った。それだけのことだった。
目が覚めると、白かった。
神様らしきものがいた。光の塊だった。性別も年齢も分からなかった。ただ、そこにあった。
「転生させます」
「はあ」
「スキルを一つ、お渡しします」
神田マモル、二十六歳、市立図書館司書は、少し考えた。
チートが欲しかった。剣が使えるとか、魔法が使えるとか、ステータスが異常に高いとか。そういうやつが欲しかった。
「記憶、というスキルはいかがでしょう」
「……記憶?」
「見たものをすべて記憶します。忘れません。永続します」
「戦えますか」
「戦えません」
「魔法は」
「使えません」
「ステータスは上がりますか」
「上がりません」
マモルは少し間を置いた。
「他に選択肢は」
「ありません」
そういうものらしかった。
光の塊は、最後にもう一つだけ言った。
「大切に使ってください」
その言葉の意味を、マモルはそのとき考えなかった。
◆
異世界は、思ったより普通だった。
中世ヨーロッパ風の街並み。石畳の道。馬車。露店。剣を持った人間。ローブを着た人間。マモルが読んできたファンタジー小説に、だいたい似ていた。
ギルドに登録した。
受付の女性がステータスプレートを確認して、少し表情が止まった。
「……スキルが、記憶、ですか」
「そうです」
「戦闘スキルは」
「ないです」
「魔法は」
「ないです」
「ステータスは——」受付の女性は、プレートをもう一度見た。「平均、ですね」
「そうみたいです」
女性は困ったような顔をした。困ったが、仕事なので登録した。Fランク冒険者。ギルド史上、初めての「記憶」スキル保持者だった。ただし、それは称賛ではなかった。
酒場の隅で、誰かが笑った。
「記憶って何だよ。役に立つのかそれ」
「戦えないじゃん。魔物に何するの、覚えるの?」
笑い声が続いた。
マモルは聞こえていた。全部、聞こえていた。
ただ、何も言わなかった。
言ったところで、どうにもならない。
◆
最初のパーティーは、三人組だった。
リーダーのカルロスは剣士で、二十二歳だった。肩幅が広く、声が大きく、よく笑った。笑い方に癖があった。おかしいことがあると、まず鼻から息を吐いて、それから声が出た。照れているときは後頭部を掻いた。剣の柄に小さな傷があって、それを指摘したら照れくさそうにした。子どもの頃、初めて買ってもらった剣だと、小声で言った。好きな食べ物は硬いパンだった。なぜかと聞いたら、歯ごたえがあった方が食った気がすると言った。
仲間のドワーフのゴットは斧使いで、口が悪かったが飯をおごってくれた。髭を毎朝丁寧に整えていた。整えた後、少し鏡を見て満足そうにしていた。弱い酒が好きで、強い酒を飲むと眠くなった。眠くなると機嫌が良くなった。機嫌が良くなると昔話をした。昔話は毎回同じだったが、本人は気づいていなかった。
魔法使いのシーナは十八歳で、マモルを見るたびに「記憶って本当に何の役にも立たないですよね」と笑いながら言った。悪意はなかった。ただの感想だった。詠唱が速かった。速い代わりに威力が落ちると本人は気にしていたが、速さで補って余りあった。読書が好きで、宿に着くと必ず本を開いた。ただし三ページで眠った。毎晩三ページで眠った。
マモルはパーティーの荷物持ちとして雇われた。荷物を持った。地図を覚えた。ダンジョンの構造を覚えた。魔物の出現パターンを覚えた。罠の位置を覚えた。
役には立った。地図係として。索引として。
ただ、戦えなかった。
戦闘が始まると、マモルは後ろに下がった。隅で縮こまって、全部を見ていた。全部を、覚えていた。
カルロスの剣の軌道。ゴットの斧の振り方。シーナの魔法の詠唱。魔物の弱点。攻撃のタイミング。
全部、覚えた。
使えなかった。
マモルには、剣も斧も魔法も、使う力がなかった。覚えても、意味がなかった。
「まあ、いてもいなくても同じか」
ゴットがある夜、酒を飲みながら言った。悪意はなかった。ただの感想だった。
マモルは頷いた。
「そうですね」
否定できなかった。
そのパーティーには三ヶ月いた。
四ヶ月目に、カルロスが死んだ。
Bランクダンジョンの第五層だった。新種の魔物だった。誰も対処できなかった。カルロスが前に出た。時間を稼いだ。マモルたちは逃げた。
入口まで逃げ切って、振り返ると、カルロスはいなかった。
ゴットが泣いた。シーナも泣いた。マモルも泣いた。
三日後。
ゴットとシーナが、ギルドに新しいパーティーメンバーの募集を出していた。
マモルは声をかけた。
「カルロスさんのこと、覚えてますか」
ゴットは首を傾けた。
「カルロス? 誰だ?」
シーナも首を振った。
「知らないです。知り合いですか?」
マモルは少し、黙った。
「……なんでもないです」
それだけ言って、ギルドを出た。
◆
後でギルドの受付に聞いた。
「この世界では、人は死ぬと三日で忘れられます」
受付の女性は、事務的な口調で言った。
「忘れられる?」
「はい。これは呪いでも病気でもありません。この世界の仕様です。死者の記憶は、周囲の人間から自然に消えていきます。三日かけて、完全に」
「なぜ」
「分かりません。昔からそうなんです」
受付の女性は少し間を置いた。
「記録には残ります。ギルドの台帳、墓石、手紙。文字にしたものは消えません。ただ、人の頭の中からは消えます。読んでも、ああそういう人がいたのか、と思うだけで、感情が戻ることはありません」
「完全に、消えるんですか」
「完全に」
マモルは頷いた。
「ありがとうございます」
ギルドを出た。
カルロスのことを、思った。
肩幅が広かった。声が大きかった。よく笑った。鼻から息を吐いてから笑った。照れると後頭部を掻いた。剣の柄に傷があった。硬いパンが好きだった。歯ごたえがあった方が食った気がすると言った。
全部、覚えていた。
消えていなかった。
覚えていても、何も変わらない。
カルロスは戻らない。
それでも、消えていなかった。
◆
次のパーティーは五人組だった。
Cランクの中堅パーティーだった。リーダーのエルナは三十歳の女剣士で、物静かだった。無駄なことを言わなかった。言葉が少ない分、一言一言が重かった。戦闘中は誰より冷静で、誰より正確だった。ただ、飯を食うのが異常に速かった。本人はそれを気にしていた。
副リーダーのトムは二十五歳の魔法使いで、計算が得意だった。戦闘前に必ず勝率を計算した。六割を下回ると撤退を提案した。その判断は正確で、パーティーの生存率を大幅に上げていた。口癖は「理論上は」だった。理論上は、と言った後、たいてい正しいことを言った。
あとの二人はルーカスとアンナという兄妹で、二人とも弓使いだった。ルーカスは二十歳で、アンナは十八歳だった。よく言い合いをしていたが、戦闘中は息が合っていた。矢の軌道が互いを補うように動いた。長年一緒にいた人間にしか出来ない連携だった。ルーカスの弓の腕はアンナより少しだけ上だったが、本人はそれを認めなかった。好きな食べ物は肉だった。なんでもいいと言いながら、鶏肉だけは残した。理由を聞いたら、子どもの頃に飼っていたからだと、小声で言った。
マモルはまた荷物持ちとして雇われた。
今度は地図係だけでなく、情報整理も任された。ダンジョンの構造、魔物の習性、過去の攻略記録。マモルはそれを全部頭に入れて、必要なときに引き出した。
「便利だな」とエルナは言った。
褒め言葉だった。
図書館の索引と同じだ、とマモルは思った。
半年、一緒にいた。
ルーカスが死んだのは、半年後だった。
崖から落ちた。魔物に押された。あっという間だった。
アンナが泣いた。エルナが泣いた。トムが泣いた。マモルも泣いた。
三日後。
「ルーカス? 誰だ?」とトムが言った。
「知らない」とエルナが言った。
アンナだけが、少しだけ首を傾けた。
「……なんか、聞いたことある気がする。でも誰だっけ」
マモルは何も言わなかった。
ルーカスのことを、頭の中で思った。
兄妹だった。アンナと二歳違いだった。よく言い合いをしていたが、戦闘中は息が合っていた。弓の腕はアンナより少しだけ上だったが、本人はそれを認めなかった。鶏肉だけは残した。子どもの頃に飼っていたからだと、小声で言った。
全部、覚えていた。
アンナの頭の中から消えた兄を、マモルだけが覚えていた。
◆
三つ目のパーティーに入ったのは、二年目の秋だった。
そのパーティーには長くいなかった。二ヶ月で二人死んだ。三日後、誰も覚えていなかった。マモルだけが覚えていた。
四つ目のパーティーには四ヶ月いた。一人死んだ。三日後、誰も覚えていなかった。マモルだけが覚えていた。
五つ目のパーティーには一ヶ月いた。三人死んだ。三日後、誰も覚えていなかった。マモルだけが覚えていた。
マモルの頭の中は、少しずつ重くなっていった。
覚えている人間が、増えていった。
カルロス。ルーカス。エーリッヒ。ノラ。ハンス。ベアトリス。ヴィルヘルム。サラ。グレタ。
名前と顔と声と、笑い方と、好きな食べ物と、口癖と、剣の持ち方と、寝るときの姿勢と。
全部、あった。
全部、消えていなかった。
ある夜、宿の一人部屋で、マモルは天井を見上げながら思った。
これは何のためにあるスキルなのか。
覚えていても、何も変わらない。カルロスは戻らない。ルーカスも戻らない。誰も戻らない。
ただ——重い。
重くなっていく一方だった。
◆
ライラと出会ったのは、三年目の春だった。
ギルドの掲示板の前で、マモルは依頼票を眺めていた。特に何かを探していたわけではなかった。ただ眺めていた。
隣に人が来た。
女だった。二十歳くらいだった。赤い髪を短く切っていた。腰に短剣を二本差していた。ステータスプレートが外から見えていた。Dランク冒険者だった。
「あなた、スキルが記憶ですか」
マモルは振り返った。
「そうです」
「見ました。プレートが見えたので」
「ああ」
「記憶スキルの人と会うのは初めてです」
ライラはまっすぐ言った。癖のない話し方だった。遠慮もなかった。
「珍しいですか」
「珍しいというか——」ライラは少し首を傾けた。「一度組んでみたかったんです」
「役に立ちませんよ。戦えないので」
「知ってます。ただ、地図とダンジョン情報を全部覚えていてくれる人がいると、助かることがあるので」
マモルは少し間を置いた。
「一人ですか」
「一人です」
「なぜ」
「パーティーを組むと、人が死ぬので」
マモルは黙った。
「死ぬと、みんな忘れるじゃないですか」ライラは掲示板に視線を戻した。「私は忘れるのが嫌で。だったら一人の方がいいと思って、一人でやってます」
「あなたは、忘れないんですか」
ライラが振り返った。
「忘れます。三日で」ライラは少し間を置いた。「でも、忘れる前に名前だけ書いておくと、少し違うんです。顔は思い出せなくても、名前があると——その人がいたんだな、と思える」
ライラは腰の小さなポーチから、手帳を取り出した。
革の手帳だった。使い込まれていた。
「これです」
マモルは受け取った。
最初のページに、名前が一つあった。
「三年前に死んだ転生者です」とライラは言った。「顔は覚えていません。声も覚えていません。名前だけ」
マモルは手帳を返した。
「あなたは、忘れないんですか」ライラが聞いた。
「覚えています。全部」
「死んだ人も」
「死んだ人も」
ライラはしばらく、マモルを見ていた。
「そうですか」
それだけ言った。
◆
組むことになった。
正式なパーティーではなく、依頼ごとの協力という形にした。ライラがそう言った。マモルは頷いた。
最初の依頼はCランクダンジョンの踏破だった。
ライラは強かった。短剣二本を使う戦い方で、速かった。魔物の動きを読むのが上手かった。マモルがダンジョンの構造と魔物の出現パターンを伝えると、ライラはそれを正確に使った。無駄がなかった。
「情報が正確ですね」とライラは言った。
「覚えているので」
「どのくらい前から覚えてますか」
「このダンジョンなら、三年前の攻略記録から。ギルドの台帳を一度読んだので」
「一度読んだだけで?」
「忘れないので」
ライラはしばらく黙った。
「……便利ですね」
「役には立ちます。図書館の索引みたいなものです」
「図書館?」
「元の世界での話です」
「転生者ですか」
「そうです」
「珍しいですね。私が会った転生者は、あなたで二人目です」
「一人目が、手帳の人ですか」
「そうです」
ダンジョンの奥へ進みながら、ライラは続けた。
「だから、あなたのスキルが羨ましいと思ったんです」
「覚えていても、何も変わりませんよ」
「そうですか」
「変わりません」
「でも」
ライラが足を止めた。
前方に魔物がいた。ライラは短剣を抜いた。
「覚えていてくれる人がいるというのは——」
魔物に向かって踏み込んだ。
「——なんか、違う気がします」
一瞬で終わった。魔物が倒れた。ライラは短剣を納めた。
マモルは何も言えなかった。
◆
それから半年、ライラと組み続けた。
正式なパーティーではないまま、依頼ごとに組んだ。少しずつ依頼のランクが上がっていった。Bランクのダンジョンに入るようになった。
ライラのことを、マモルは全部覚えていった。
赤い髪の長さが、季節ごとに少し変わること。短剣の手入れを毎晩欠かさないこと。甘いものが好きだが、好きだと言わないこと。宿の朝食で果物があると、さりげなく多く取ること。疲れているときほど口数が減ること。危険な場面では逆に口数が増えること。笑うとき、少し目を細めること。
全部、覚えていた。
忘れない。
ある夜、宿の食堂で夕飯を食べながら、ライラが言った。
「マモルさんは、覚えていることが辛くないですか」
「辛いです」
マモルは即答した。ライラが少し驚いた顔をした。
「重いです。ずっと重くなっていきます。忘れられたらどれだけ楽か、と思うことはあります」
「じゃあ、なぜ覚えているんですか」
「スキルなので、忘れられません」
「それは——辛いですね」
「ただ」
マモルはスープを一口飲んだ。
「覚えていることが、その人が存在した証明になるなら——まあ、いいかとも思っています」
ライラはしばらく黙った。
「……そうですか」
「気のせいかもしれませんが」
「気のせいじゃないと思います」
ライラはそう言った。
はっきりと、そう言った。
マモルは何も言わなかった。
スープが、温かかった。
◆
ライラが死んだのは、半年後の冬だった。
Bランクダンジョンの深層だった。新種の魔物だった。
素早かった。マモルが気づいたときには、すでに動いていた。
ライラも気づいていた。マモルより早く。
前に出た。短剣を両手に構えた。魔物の軌道に、自分の体を割り込ませた。
音がした。
それだけだった。
ライラが倒れた。短剣が一本、床に落ちた。金属の音が響いた。静かなダンジョンに、その音だけが残った。
マモルは動けなかった。
ライラの顔が見えた。目が開いていた。天井を見ていた。
何か言おうとしたのかもしれない。口が少し動いた。
聞こえなかった。
声にならなかった。
魔物は次の瞬間、別の冒険者パーティーに倒された。たまたま同じ層にいた、三人組のパーティーだった。
その人たちがライラを見た。
「知り合いですか」
マモルは答えられなかった。
◆
三日後。
マモルはギルドにいた。
受付の女性が言った。
「ライラさん、でしたっけ。お悔やみ申し上げます」
「ありがとうございます」
「……ライラさんって、どんな方でしたか」
受付の女性は少し首を傾けた。困ったような顔だった。
「台帳には名前が残っているんですが、顔が思い出せなくて」
マモルは少し間を置いた。
「赤い髪でした」
「ああ」
「短く切っていました。短剣を二本持っていました。Dランクから始めて、半年でCランクになりました。甘いものが好きでした。好きだとは言いませんでしたが。朝食で果物があると、さりげなく多く取っていました」
受付の女性が、静かに聞いていた。
「笑うと、少し目を細めました。疲れているときほど口数が減りました。夜は必ず短剣の手入れをしていました。覚えている人がいることが、なんか違う気がすると——そう言っていました」
受付の女性は何も言わなかった。
マモルも黙った。
しばらく、そのまま黙っていた。
「……ありがとうございます」
受付の女性が、静かに言った。
「いいえ」
マモルはギルドを出た。
◆
ライラの荷物の中に、手帳があった。
マモルはそれを持って、川沿いの道を歩いた。冬の朝だった。息が白かった。
手帳を開いた。
最初のページ。三年前に死んだ転生者の名前。
その下に、ライラの名前を書こうとした。
書こうとして——止まった。
二ページ目に、すでに文字があった。
読んだ。
ライラ、と書いてあった。
マモルの字ではなかった。
ライラの字でもなかった。
見たことのない字だった。
マモルは頁をめくった。
カルロス。
ルーカス。
エーリッヒ。ノラ。ハンス。ベアトリス。
マモルが覚えている、死んだ人間の名前が、全部あった。
全部、同じ字で。
全部、すでに書いてあった。
最後の頁をめくった。
一行だけ、あった。
今度こそ、頼む。
川の音がした。
冷たかった。
覚えていても、何も変わらない。
ただ。
手帳の中に、知らない字で、名前があった。
マモルは川を見た。しばらく、見ていた。
それから、手帳を開いた。
ペンを取った。
ライラ、と書いた。
自分の字で。
赤い髪。短剣二本。甘いものが好きだったこと。果物をさりげなく多く取ったこと。笑うと目を細めたこと。口が少し動いたこと。声にならなかったこと。覚えていてくれる人がいることが、なんか違う気がする、と言ったこと。
書いた。全部、書いた。
書き終えて、ペンを置いた。
また、歩き始めた。
どこへ向かうかは、決めていなかった。
足音が、した。
石畳に、自分の足音がちゃんとした。
頭の中に、たくさんの人がいた。
消えていなかった。
誰も、消えていなかった。
手帳の中に、知らない字で書かれた名前があった。
マモルの字で書いた名前もあった。
どちらも、同じ名前だった。
神が言っていた。
大切に使ってください、と。
——それが何を意味するのか。
マモルには、まだ分からなかった。
たぶん、しばらく分からない。
でも。
また、歩き始めた。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
書き始めたきっかけは、ささいな疑問でした。
人が死んで、悲しんで、それでも三日後には忘れてしまうとしたら——それは救いなのか、それとも消滅なのか。
忘れられることと、死ぬことは、同じなのか。
答えは出ませんでした。ただ、マモルに一年半歩き続けてもらったら、手帳に知らない字で名前が書いてありました。
マモルがこれから何をするのか、まだ書いていません。でも、また歩き始めたので、たぶん続きます。
感想やコメントをいただけると、続きを書く力になります。またどこかでお会いできたら、うれしいです。




