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第二話 其の六
其の五の続き。
つられて遥も座り込む。
俯いたように顔を埋めると
彼女が背中に手を置いた
驚いた
なんで、怒らないんだろう
なんで、気遣ってくれるんだろう
なんで、「死にたい」と思っている人に寄り添ってくれるんだろう
そんな思いが一気に込み上げて
「あなたは、なんで私のことを心配してくれるの?」
少し強気に、でも響く声で言ってしまった
声が白色の空に響く
約30秒間の沈黙が流れた後
彼女が言った
「あなたを放って置けないから」
どういうことだ、と思った束の間
「あなたが苦しい思いをしているなら、助けてあげたい、元気づけてあげたい、話を聞いてあげたい。
だから私は、あなたの隣にいるの。」
彼女のその声は今まで相談してきた人たちとは段違いだった
まるで優しさに溢れた姉のように
とたん、遥の「死にたい」と言う思いは一瞬にして崩れた
同時に視界が大きく揺らぎ、自分が泣いていることがわかった。
なんで、「死にたい」と思っちゃったんだろう
そう思いながら、泣いた。
一際泣いた。
泣いて泣いて泣いて
その最中少女は遥の背中を撫でて、彼女が落ち着くまで見守った。
・・・・・・・・・・・
(続く)




