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恋人に裏切られ番不信になった私の心を溶かして甘く抱きしめてくれたのは  作者: リーシャ


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39/40

39予知じゃなくて犯罪予告っていいますけどそれは

 男をすぐさま取り押さえた。


「があっ」


「火をつけようとした。連れていく」


 たんこぶをこさえた犯人はヘロヘロで、街まで連れていく。馬車ではないが二人の速度は速い。それについて行けずどれほど、しんどいしんどいと言われても緩めない。

 この後、兵士たちのキツい対応が待っているのにね。二人はそのまま兵士に引き渡してピルピという名前が関係していることを言う。

 この町での二人の信頼度は高く兵士たちとも顔見知りなので、かなり真剣に話を聞いている。


「予知をするために事前に事件を?」


「今回のようにやらせをさせているんだろう」


 ファルミリアとディアドアは難しい顔で相手に説明して、カラクリを紐解く。ピルピが予言しただけで指示犯。証拠はない。


「証拠はございませんので捕まえるのは難しいですね」


「そうだよね」


「ああ。ただただ、腹が立つ。お前の大会が汚された。それが一番許せん」


 ディアドアはぐっと拳を握り込む。同じ気持ちだ。おそらくディアドアにアピールするために力を知らしめたかったのだろう。最低だ。

 男は当然そんな小狡くて卑怯である女に惹かれるわけもない。おまけにツガイ持ちなのだから、とっくに隣は埋まっている。


 二人でどう懲らしめるかと考えて、こちらも予知を使ってみよう、ということになった。ファルミリアらがピルピになにか危険が起こる、または火付をした犯人に火の災難が起こると噂を流布する。

 そうして、ピルピの髪の毛を燃やす。自分がやっていることのカラクリを思えば犯行がバレていて、その報復をされていると馬鹿ではない限り理解すると思うのだ。


 ファルミリアはたかだか男にいい女と認識させるためだけに火事を起こそうとしたピルピを絶対に許さないと怒りに目を尖らせた。

 正義感ではなく、己の視界の中に入り、己の企画したものの中で売名行為をした件で怒りをたぎらせているのだ。


 次の日も引き続き大会だ。ということは本人も参加していて順調に勝っている。

 しかし、その裏で八百長が行われていることも知っていたので八百長をやった選手にファルミリアが直々にお話し合いを行ってもいた。

 もちろん、衛兵らに報告済み。不正など、一回目から許すわけがないディアドアも怒りながら笑顔で圧をかけ、お金に屈した選手らをこれ見よがしに見てビビらせていた。


「お前……おれの番の大会をよくも汚してくれたな」


「ひいいい!!!」


 ディアドアの名を知らない人はあまりいない。

 この街の人たちはよっぽど人と関わっていない、とかでなければ知っているし、大会に参加していたのであれば彼が差し入れするたびに誰それだと皆が口にするのだから、耳に入っている。

 ゆえに、知っていても不正をやり抜き、私欲に溺れた。

 というわけで、遠慮なく衛兵に突き出す。ヒーヒー悲鳴をあげていたが気にしない二人。共同作業って素晴らしいね。


 次々摘発していき、駐屯地に運んでいくとピルピに取引を持ちかけられたとすぐに自白を得られる。

 まあ、八百長なので大した罰にはならないが今後ファルミリアとディアドアが依頼を受けないリストとして冒険者ギルドに提出するので、他の冒険者も受けないなんてことがあるかもしれない。

 そこまではコントロールできないから、こちらもそんなことなんて知らないので勝手に後悔でもしておけばいい。


 彼らが全部悪い。その日初めて会った人にふらふら誘われてやったのだから自業自得。一つの罪が家族に及ぼうが、悪いのはお前だと責められればいい。

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