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恋人に裏切られ番不信になった私の心を溶かして甘く抱きしめてくれたのは  作者: リーシャ


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31/40

31一番重要な時に青龍ってああなるんだね。トラウマなんて、消えました。バカで、傲慢で、最低な……どうしようもない、私の番のせいで

 無理に引き剥がしては傷つけると思ったのか、手は触れない。それに好きな人に触れられている幸運をすぐに、手放したくはないのだろう。


「トラウマなんて、消えました。バカで、傲慢で、最低な……どうしようもない、私の番のせいで」


「泣いているのか?泣かないでくれ。傲慢で最低な私を、抱きしめてはいけないぞ」


 段々、卑屈になってきたんだが。


「ジルステン様。私たちはまた一からやり直しましょう。全面的に私が悪いのはわかってるんです。会ったばかりの番は雲よりも情緒が浮つくのなんて、知ってたのに。うっかりしてました」


「ど、どういうことだ?」


 ジルステンは漸く、ファルミリア達に目を向ける。ディアドアも仕方ないなと腕を組む。


「少なくても、お前のこと嫌いじゃなくなった、とよ」


「よかったね。おめでとう。道のりは長いけど頑張ってー。一緒にティーパック狩りしようね。青龍レベルなら農園からごっそりいけるよね?」


 青龍ジルステンは呆然としながら、のほほんと応援するカップルを見つめ。己の番の少女を見た。


「マリノ。私はバカだから、わからない。悲しませたくない。だから、嫌ならはっきり言って欲しい」


 まだ疑いにかかる。マリノはジルステンから少し離れて、目を合わせた。


「私と少しずつ、番になってもらえますか?」


 それを聞き、青龍の王族は。胸をどきりと鳴らせて。

 ガクッ。気絶したのだった。



 **



 二人の女性がテーブルにお菓子や飲み物を乗せた光景が、日差しを引き立たせている。ごくりと飲む音に女は笑って切り出す。


「青龍族ってすごい面白いねー」


 きらきらとしてぺかぺかな笑みを相手に向ける。それに苦笑するのはマリノ。


「いえ、私の実父は絵に描いたようなプライドの高い男で、気絶するなど、想像できません」


「あんなに強いのに好きって言われたら意識飛ぶなんて、王族だから?」


「どちらかといえば純真なのかと」


「惚気?言うねぇ」


「いえ、惚気というより性格の違いを説明しただけですから」


 いやいや、と真面目な顔で首を振る青龍の番。もう一人のファルミリアは手で頬杖を突き、うんうんとなる。


「白目剥いてたから、記録に残しておいたよ。あとであげるね」


「え、あれをですか?」


「うん。喧嘩したときは憂さ晴らしに街中に撒けばいいよ」


「私が彼にトラウマを植え付ける側になるのですか?それは、ちょっと」


「喧嘩したらそんな気になるから、気にしないでいたら?絶対喧嘩したらこの傲慢なトカゲめ、ってなるし」


「流石に、だからと言って王族の人の白目を」


「へーきへーき。番だから許してもらえるよ」


「あなたは、その……番に対しての寛容の深さを抉り過ぎてませんか?」


 利用して、相手をボコボコにするくらいの精神をしてないと。番だからといって、遠慮などという言葉はない。辞書にも中にもない。


「マリノ。随分と相互理解進んできたね」


 今は、青龍実父襲撃事件から既に一ヶ月程経過している。経過報告を受けていた。あのあと、気絶した男を雑に転がしてソファに寝かせた。


 次の日、例の従者が来たのでこれ幸いと引き取ってもらう。従者は泣いて喜んで、青いアザだらけの顔や体にガタガタ震えていた。

 治療費も請求しておき、送り出した。その後、番の部署に円滑なツガイ同士の交流を補佐してもらおうと、マリノ達と部署へ。


 まだちょっと、渋る青龍野郎を無理矢理引きずり出した。その後、第三者も含めた面会をまずはやっていくことになる。それが順調らしく、この間は花をくれたとか庭を歩いたと聞く。


「ほーん、よかったね」


「ええ。傲慢なのはどちらかというと話し方のせいだとわかりました」


 穏やかな顔をするようになった。

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