28種族は変えられないのに。星五つ貰えたよ!
薬とか、ポーションをかける。
「嫌われたくないのに、なにも言わずに父親狩りに行くのは矛盾だらけ」
「そ、それは……あの男が悪いのだ。私は記録を見てマリノが泣いたと書いてあったから」
「誰だって同じことが起きたら泣くよ」
ぴしゃりと言う。
「う。でも。許せなかったのだ」
落ち込むようにパンパンに腫れた顔を沈ませる。
「青龍というだけで否定された私は、他にどうすればよかったのだ?種族を変えることなど、できないのに」
「番の時点で、お断りだから。種族でプラスされただけ。どれだけなにを変えても無理なものは無理なんだよね」
「そんなの、理不尽ではないか」
「お前は嫌われるかもしれないとわかっていても、傷つけた相手を許せなくて報復に向かった。そこに理不尽もなにもない。好きな女に尊敬されたいから、やったわけじゃない。おれとしてはそこは評価してもいい」
ディアドアは武闘派なのである。ファルミリアとしてもよくやったと言ってもいい。マリノが居なければ。
「まぁ、とりあえずマリノには勝手なことしてごめんね、くらいは謝っておいた方がいい」
アドバイスを付けておいた。ここまでして嫌われるのはちょっとだけ思うところがあるし。それに、マリノが聞いた時の反応にオヤ?となったのだ。迷惑をかけられたというよりも、どうしてという混乱が見受けられ。
「そうだな。私はまた余計な真似をしてしまったダメな男……」
「従者の人もウチに来たから、そっちにも頭下げといてね」
「な、なに?あいつが?」
逆に来ない理由があると思っていたのか?主人が飛び出して行ったら、関連した相手に聞きにくるでしょ、普通。
「そうか……なら、私がなにをしたのか。なにをしに行ったのか。知ったのは聞いたということに、なるな」
バレてないと思って口を開かなかった男は、肩の力を抜く。ジルステンは目を仄暗くさせる。
「マリノにも知られたのだな。そうして飛び出してこんな顔になる結末を」
「そんな風になってるけど、結局さ、どうなったの?お宅の娘さんの番でーす、報復を届けに来ましたーってやったんでしょ?」
「あ、ああ。お前の番はなんだか、やけに軽いな」
ディアドアになぜか聞く。
「うちのファルミリアは物理攻撃を歓迎するタイプだから、血生臭くても応援してくれる。羨ましくてもやらないからな?」
ジルステンはげんなりとした顔つきで「いらない」と呟く。
「確かに番を傷つけた父親を訪ねに行った。最初は一発くらいはと思ったが顔を見たら言葉でやってやろうと変更して……」
「あ、穏便に冷静さを取り戻しはしたか」
「既にその家には子供がいた。こちらの会話はかなり都合が悪かったようで、やめろと突き飛ばされてな」
「うわ、クズだ」
言葉でやろうとした相手に初手で。
「そうなったら、もうそこからは、乱闘だった。互いに同じ種族だ。さらにいうと私は王族の血筋なのでその分、ステータス的に力のある年上のものよりも、優れた腕力がある。負ける気はしなかったが、あいつは平民なのに力がある方で、互角になっていた」
「マリノの泣き寝入りって、そういうこともありそう。報復とか復讐しても勝ち目なさそうってわかってたのかもね?」
父親が強くてどうにも手出しできない。やったら死ぬかもと思ったのかも。
「終わった頃にはお互い倒れていて、最後にやつに私は王族だ。震えて待っていろと精神的な恐怖を植え付け、今ここにいる、と。こんな経緯になる」
物理的な報復は難しいと悟り、ジルステンは精神的な報復行為をしたのか。




