プロローグ
あらすじ
ラノベオタクでことなかれ主義の高校生、鳴海正樹。ある日、同じクラスの清楚系美少女である氷見山梨央が、本屋でラノベの新刊を購入している姿を見てしまう。
「鳴海くん……わたしがラノベ買っているところ、見たよね……?」
オタクであることを隠している氷見山に、秘密を知ってしまったことを謝罪するために頭を下げる鳴海。しかし、氷見山は「よかったらわたしと、友達になってほしいの!」と鳴海にお願いをする。
氷見山の圧に押された鳴海は、友達になることを了承するのだが……
「実はわたし……ラノベを書いてみたくて……よかったらラノベの再現をさせてほしいの!」
「……え、ええー!!」
こうして鳴海は、氷見山の執筆活動に協力することになったのだった。
僕こと鳴海正樹は、ことなかれ主義を貫く陰キャ。
4月に高校を入学してから2カ月が経った今では、ある程度のカーストが教室内に出来上がってきた。僕はもちろん、最下層に所属しています。悲しくなんかないよ……?
陰キャの学校生活は、陽キャのやつらに目を付けられないようにするのが最重要ミッション。睨まれたら最後、これからの学校生活が灰色に変わってしまう。
だからできるだけ、目立たない。トイレから教室に戻ったら、自分の席が陽キャ女子グループに占拠されていても文句は言わない。
今日も僕の好きなライトノベルを、ひっそりと読む。もちろん表紙はブックカバーで隠して。――これが僕の日常だ。
「ねえ鳴海くん、放課後は時間ある?」
そんな日常に変化が訪れた。名前を呼ばれラノベから顔を上げれば、美少女が天使のように微笑んでいる。
「……あるけど、どうしたの? 氷見山さん」
彼女は同じクラスの氷見山梨央。学年のトップカーストに君臨する女子だ。
艶のある黒髪のストレートヘアに、幼さの残る顔立ち。細くすらっとしたモデルのような身体に、何と言っても目を引くのはたわわなお胸。
陽キャ陰キャ関係なく明るく話しかける人柄の良さ。聞いた噂によると、学年で一番モテて、すでに10人以上の男子が告白しているのだとか。全員フラれたらしいけど。
普段からぼっちの僕にも挨拶してくれるんだけど、放課後の予定を聞かれたのは初めて。
「ちょっと話したいことがあるから……いいかな?」
「うん……大丈夫だよ」
「ありがと! 文芸部の部室で待ってるね。あとで場所、教えるから」
「……わかったよ」
周囲には内容が聞こえないような声量で話していたので、いつも通り氷見山さんがぼっちの俺を気遣っているようにしか見えないだろう。
放課後に氷見山さんから呼び出されたなんて他の男子が知ったら、怒るだろうなぁ……
「じゃ、またあとでね。鳴海くん」
軽く手を振って自分の席に戻っていく氷見山さん。
座って次の授業の準備をしている氷見山さんのもとに、友達っぽいギャル二人がやってきて大声で会話し始めた。
なぜギャルは声が大きいんだろう。読書に集中できないなぁ。
不満からチラッと声のもとに視線を向けると、その真ん中にいる氷見山さんと目が合った。
氷見山さんはにこっと可愛い笑みを返してくれたけど、僕は気まずくなって視線を逸らした。
「呼び出された理由って……口止め……だよね」
学年一の美少女からのファンサに素直に喜べない理由が、昨日の出来事にあった。
初めまして、羽素比です。
この度は『清楚系美少女がラノベオタクであることは、僕しか知らない。』プロローグを読んでいただき、ありがとうございます。
ラノベを人生で一度は書いてみたいと思い、今回投稿させていただきました。
ただ、文章の基本や語彙力など、欠けていることが多すぎるので読みづらいかもしれません(涙)
いやー、物語を作り出すのは難しいですね。物語を書いている全員のことを、尊敬します!
これから毎週投稿できればいいなと思うのですが、改善点や提案などをいただければ参考させていただきます。できれば「おもしろいね!」「次の投稿が楽しみ!」なんてコメントが欲しいです……お願いします!
この作品は、私の好きなラブコメのシチュエーションを書いていきたいと思っています。私は青春というものを経験してこなかった根暗陰キャですので、この作品で青春を謳歌したいと思います。
では、次のエピソードでお会いしましょう!